メニュー 閉じる

【アスリートは頭が良い!】運動で得られる認知機能の話

運動は、健康に良いことは当然のこと…。

実のところ…、というより、「運動をすると頭が良くなる!」ということがわかっております。なんなら、成績優秀な学生はしっかりと運動をしていますし、なんら不思議なことではないのですよ。それでもって、「アスリートは頭が良いのですよ!」という事実もあり、やっぱり運動は超絶至高なんだなぁ~~…っと、しみじみ思いますね♪

今回は、そんな運動で得られる認知機能についてお伝えしていきます!

 

 

鍛錬を重ねたアスリートの認知機能

 

これは2022年に出たノースイースタン大学などによる系統的レビューで、アスリートと一般人の認知機能を比較した41件の研究を調査したものとなっております。合計5,339名(うち一流アスリートは2,267名)のデータをメタ分析し、アスリートと一般人の認知機能の差を評価していきました。

データ数が多く、個人的には信ぴょう性の高い結論になるのかと思います。

 

結論なのですが、研究チームの思惑通り、「アスリートはあらゆる側面において一般人よりも頭が良い!」ということがわかったそうです。詳細については、以下のような点において優秀なのだそうです。

 

  1. 注意配分:アスリートは、あらゆる情報が飛び交う中から重要な情報を素早く見つけ、それだけに集中する能力に優れていたとのこと。この判断の支柱になるのが「注意配分」という能力です。研究では、プロスポーツ選手はこの分野で、一般人よりも極めて優秀な成績だったとのこと(効果量 g = 1.18)。
  2. 認知的柔軟性:アスリートは、試合やトレーニング中に次々と変化する状況に柔軟に対応する必要があるため、適切な戦術や行動にすぐ切り替える能力が高くなるとのこと。これは「認知的柔軟性」という能力で、この能力が高いと、新しい情報を素早く取り入れて、あらゆる状況でも適切に意思決定を行えるようになるそうです。多くの研究では、アスリートは一般人よりも認知的柔軟性の成績が高く(効果量 g = 0.31)、認知面でも優秀な柔軟性を有しているとのこと。
  3. 抑制制御:アスリートは、試合や練習のなかで、瞬時に衝動的な反応を抑え、適切な反応を選ぶ必要があります。これは「抑制制御」という能力でして、不要な反応や衝動を抑え、目標に向けて計画的な行動を取る能力のこと。

 

アスリートは、全般的な認知能力が優秀である傾向にあるようで、研究全体を見てみると、特に注意配分や認知的柔軟性が高い傾向があるそうな。この分析を見ていくと、スポーツは認知機能の発達に大きく寄与する可能性がありそうです。

このようなスポーツのメリットについては、有酸素系スポーツやチームスポーツほど大きいそうです。特にエリートクラスのアスリート(g = 0.94)やシニアアスリート(g = 0.91)は、認知機能が極めて優秀であることが示されております。有酸素系は脳の発達に有効で、チームスポーツの方が個人スポーツよりも考えることが多いですからね!

 

 

 

 

さらに、この分析を見ていくと、スポーツで認知機能を高めるなら、どうやら次の要点に注意すると良いかもしれません。

 

  1. 集中力トレーニング:スポーツ中に集中力を発揮するため、視覚や聴覚などといった感覚の感度を高めるトレーニングを取り入れる。
  2. 意思決定力トレーニング: 実際の試合を想定し、複数の選択肢を比較しながら最適解のシミュレーションを繰り返す。また、実際のケースを想定して、出題されたケースでは、どういったプレイが最適かを思考する。
  3. イメージトレーニング:試合中の具体的な場面を脳内で繰り返しシミュレーションする。プレイの流れ、選手の配置、相手の反応を詳細に再現し、成功パターンを繰り返しイメージする。 自分の視点だけでなく、他の選手やコーチの視点からも状況をイメージし、多視点でもプレイを想像する。
  4. 認知的柔軟性トレーニング: 試合中の様々な状況を想定し、異なるシナリオに応じた行動計画を立てて練習する。例えば、対戦相手が「守備的な戦術を取る」場合と「攻撃的な戦術を取る」場合で異なる戦術を立案し、相手の戦術に応じて素早く戦術を切り替える。
  5. 実行機能トレーニング:試合を想定した反復的なトレーニングをする。決まった動作を何度も繰り返し、無意識にでも正確なプレイができるようにする。
  6. プレッシャートレーニング: 試合中のプレッシャーに耐えながら正確な判断を下せる能力を身に付ける。制限時間内にプレイをするタイムプレッシャーや疲労状態でも最適解のプレイをできるようにするフィジカルプレッシャーを加えた練習を行う。
  7. 社会的認知力トレーニング: チームスポーツにおいて、他選手の動作や意図を理解し、コミュニケーションを取りながら最適解を選択する練習をする。これには、チームメイトやコーチとの戦術会議や、シミュレーションを通じてのコミュニケーションを含める。

 

スポーツは考えることが多いので、上記のことを気をつけた方が良いということを、個人的に思ったことを羅列してみました。改めて、スポーツって頭を使うんだなぁ…っと、書いていて感じます☆

 

 

【参考文献】
[Trained athletes and cognitive function: a systematic review and meta-analysis]

 

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です