スポーツをするなり筋トレなり、なにか運動をする際、皆さんはどのようにされますか?
準備運動をすることなくいきなり始めることは、ないかと思います。運動をするときは、しっかりと準備運動をしたうえで、身体を慣らした状態で始めるのは、ケガの防止のためにも当然の行為でしょう。だとしたら、「高負荷をかけて筋肉を刺激させるのが良いのか、それとも、低負荷をかけて身体を温めるのが良いのか?」という疑問が湧き上がるかと思います。
今回は、そんな疑問についてお答えしていきます。
低負荷および高負荷による準備運動の効果
これは2024年に出た実験でして、3つのウォームアッププロトコル後のポストアクティベーションパフォーマンス向上(PAPE)が、訓練を受けた男性(平均年齢は 28 歳で、筋トレ歴は 9 年)のスミスマシンによるバックスクワットパフォーマンスに及ぼす影響を調査するという内容でございます。
詳細ですが、男性14名を対象に、
- 高負荷の準備運動
- 低負荷の準備運動
- 通常の準備運動(コントロールグループ)
をしてもらい、どのグループが一番、バックスクワットのパフォーマンスが良かったかをチェックするというものです。高負荷は、1 回の反復最大値 (RM) の 90% で 3 回の反復を 1 セットおこなうもので、低負荷は、1 RM の 45% を最大速度で実行する 6 回の反復を 1 セットおこなうというもの。コントロールグループは、1 RM の 45% を制御速度で実行する 8 回の反復を 1 セットおこなうもので、参加者のパフォーマンスは、反復の総数とボリューム負荷 (反復 × 負荷 × セット) を使用して測定されたとのことです。
結果ですが、ウォームアップと総反復回数(p = 0.17)または総量負荷(p = 0.15)の間に有意差はなかった( = つまり、どんなウォームアップ方法でも、パフォーマンスに影響がなかった)。
2021年の実験だと、「高負荷の方がパフォーマンスが上がる!」なんて出ていたのですが、今回の研究では、どうやら違う結果が出たことになります。いわゆる「PAPE」というものがありまして、高負荷でウォームアップをすることで、筋収縮の速度が高まり、一時的に筋肉のパフォーマンスを高める( ex: 1RM90%の負荷で3回のベンチプレスを行った後、75%の重さで反復回数が増える)と考えられてたものが、一旦は保留ってことになるのでしょうなぁ…。
この研究では、このような結果になったのは、明らかになっていない様子。
僕個人の見解としては、この実験だと10分間のインターバルをはさんだうえでのトレーニングなので、それが影響をしている可能性自体はあると思います。あとは、サンプル数が少なく、個々の筋肉の容量や出力は個人差が大きいので、特定の条件下でないと高負荷による効果が出ない可能性もあるでしょうな。第一、その日によってコンディションが違いますし、実験のように必ずしも全員が同じ条件で最大のパフォーマンスを発揮できたとは限りません。
僕個人の意見としては、準備運動は軽めの負荷をオススメしておりまして、僕が過去に書いたブログでは、「スポーツの場合は、低負荷でも高負荷でもパフォーマンスが上がるし、それだったら疲れない方が良いよね♪」っていう感じです☆
【参考文献】
[Effect of warm-up protocols using lower and higher loads on multiple-set back squat volume-load]
[Postactivation Potentiation Improves Performance in a Resistance Training Session in Trained Men]