人間の心身は、動くことで健康を維持できる構造になっております…。
なので、運動をすればするほど、健康になっていきますし、反対に、座りっぱなしは健康を害してしまいます。このあたりは、どんな人も、なんとなくでも十分に理解されている内容かと思いますね。とはいえ、中には、ずっと座りっぱなしでも健康的な人というのも一定数存在しております。
今回は、そんな座りっぱなしでも健康的な人がいる理由について解説していきます。
座位時間と身体活動時間における死亡リスクの関係
これは2024年に出た前向きコホート研究でして、2007~2018年(ベースライン)のアメリカ成人糖尿病患者6,335名(平均年齢 59.6 歳、女性 48.3%)から収集され、2019年までの死亡率を追跡調査したものとなっております。このサンプルを基に、糖尿病の成人における座位時間と全死亡リスクおよび心臓病による死亡リスクとの関連が身体活動によって変化するかどうかを評価したとのこと。追跡艦は中央値 5.9 年で、全死因死亡 1,278 件および心臓病による死亡 354 件の記録が用いられております。
座位時間と中~高負荷の身体活動(MVPA)は自己申告でして、Coxモデルは、社会人口統計やライフスタイル要因、および病状に合わせて調整したそうです。また、この研究での身体活動レベルの評価の仕方は、以下のとおりとなっております。
- 身体活動が低い:週10分未満の運動し
- 身体活動が不十分:週10~149分の運動
- 身体活動が高い:週150分以上の運動
この研究によって得られた結論は、次のとおりとなっております。
- 「座位時間」と「身体活動」の組み合わせが、死亡リスクに大きく関与する。
- 身体活動が低い人が座位時間1日8時間以上の場合、座位時間が1日4時間未満の人と比較して、死亡リスクが73%上昇する。
- 身体活動が不十分な人が座位時間が8時間以上の場合、座位時間が1日4時間未満の人と比較して、死亡リスクが74%上昇する。
- しかし、週150分以上の身体活動が高い人は、座位時間が死亡リスクにほとんど影響しない。
つまり、普段から運動する習慣がある人は、座りっぱなしによる健康を受けないというわけです!
このあたりに関してはWHOが決めた、健康に必要な最低限の運動量なので、1週間で150分の運動をしておきたいものですね。ちなみに、この研究の対象者は糖尿病患者でして、健常者よりも体内のインスリン抵抗性が高く、筋肉が血中の糖を取り込む能力が低下しています。
なので、それだけ運動によるメリットが受けやすいということは、お伝えしておきます(逆にいったら、糖尿病患者は、しっかりと運動をした方が良いかもしれません)。
今現在は健康でも、座りっぱなしの生活はインスリン抵抗性を悪化させます。
なので、少しでも座っている時間を減らす工夫は必須でしょう。座り仕事なら連続して座ることなく、1時間ごとに10~15分の小休憩を入れて、散歩などをすると良いかと思います。当然、四六時中座っているわけではありませんので、1週間で150分の運動なので、通勤でも構わないので1日30分のウォーキングをする時間を捻出することをオススメします。
やっぱり、健康の基本の1つは、運動なのですよねぇ~~☆