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「ポジティブシンキング」って、気をつけないとヤバいかもよ!

前回は、「“敢えて期待しない”という考え方はマズいかもよ!」なんてことをお話しましたが、今回も、似たようなことをことを取り上げます。

メンタルテクニックのド定番な「ポジティブシンキング」ですが、これも、「気をつけないとヤバいかも!?」っていうことが判明しています。僕は、あくまでも自分の感情がどのように反応したかを大切にしているので、正直なところ、ポジティブシンキングは好きではありません。無理やりポジティブに持っていくと、そのギャップにメンタルがヤラれそうなので、自分の気持ちを大切にしたいと思っている僕でございます。

さて…、それでは本題に入っていきましょう!

 

 

妥当性によるポジティブシンキングの反応の変化

 

これは2024年に公開された実験で、参加者に、次のことを指示しました。

 

  1. 参加者に、自身の強みを書き出してもらう。紙に書き出してもらう際、利き手か利き手ではない手のどちらかで書くかをランダムで分けていく。
  2. その結果、利き手で自身の強みを書いた参加者は自尊心が向上した。その一方で、利き手ではない手で書いた場合、その効果が確認されなかった。

 

この結果で判明したことなのですが、それは、自分の行動に「妥当性を感じられるかどうか」がポジティブな効果を高める分かれ目ということです。簡潔に言い表すと、「そのポジティブシンキングが、自分にとって真実なんだ!」と感じられなければ、ポジティブどころか、ネガティブになることさえあります。この実験の場合、利き手で書くことで「自分の考えは正しい!」という妥当性が高められたと推測されたという感じですね。

某人気アイドルマンガの「嘘を付き続ければ真実になる」に通じるものがある?…のかもです。

 

「だったら、無理をしてポジティブシンキングをする必要なんか、ないんじゃないのか!?」と思うかもしれません。

ですが、ポジティブシンキングは、上手に活用すること自体は可能です。実際のところ、この実験の研究チームは「自己検証理論」という視点を取り入れることをオススメしております。この理論では、ポジティブシンキングをするだけでは成立せず、それを「自分にとって正しいかどうか」が不可欠だと、チームは考えております。たとえば、「今は大変な日々だけど、これを切り抜ければ幸せになれる♪」と自分に言い聞かせても、心のどこかで「本当なのかな?」という違和感があった場合は、その思考がむしろ逆効果になるという理論です。つまり、「そのとき抱いたポジティブシンキングが、どれだけ自分にとって正しいと感じられるか」が、ポジティブシンキングの効果を発揮させるポイントで、これを研究チームは“妥当性”と呼んでいるのです。

実験の話しでいくと、利き手で書くことで、それが実行可能だと思えてくる感じですな!

 

 

 

 

となってくると、「どうやって良い妥当性を感じられるようにするか?」ですよね。

そこで役に立つのが感情の力であります。例えば、希望や感謝などのポジティブな感情は、思考の妥当性を強化する重要な役割を果たしてくれます。具体的には、絶望や当然といったネガティブな感情に妥当性を持たせないようにするということ。

そのような方法ですが、以下のようなものを提唱しております。

 

  1. 書き出して捨てる:ネガティブな思考を紙に書き出し、それを物理的に捨てるだけでも効果があります。過去のデータでは、紙に書いたネガティブな思考を物理的に捨てることで、その思考とメンタルに与える影響を大きく減少させることができたそうです。この方法で思考を「具体化」し、それを「除去」することで感情と精神を切り離すことができます。
  2. 現実的なポジティブシンキングを選択する:ポジティブシンキングをする際は、それが自分にとって「本物」であることが大切です。たとえば、「今日の試合は、最高の一日になる!」という漠然とした考えよりも、「いままでちゃんと練習してきたのだから、キチンと結果を残せるハズだ!」といった具体的で現実的な思考のほうが効果的です。
  3. 感情を利用する:希望や感謝といった感情は、妥当性を感じるための強力な感情とのこと。たとえば、「今日は寒いけれど、温かいココアが美味しく感じられて幸せだ♪」といった小さな感謝の感情を日々の生活に取り入れることで、ポジティブシンキングの妥当性が強化されていきます。
  4. ネガティブシンキングに疑問を持つ:ネガティブシンキングには、「これは本当に正しいのか?」と疑問を持つことが大切です。その思考を決定づける証拠が少ない場合、「この思考には妥当性のない!」として扱っていきます。
  5. 小さいルーティーンを繰り返す:自己検証理論によると、妥当性の感覚は、繰り返すことで強化されることが多いです。たとえば、毎朝のルーティーンを実行する、仕事で小さな目標を設定してそれを達成することで、ポジティブシンキングへの妥当性を強化できます。

 

「ポジティブシンキングで幸福度が上がる」こと自体は正しいのだけど、その効果を発揮させるには、「妥当性」がカギとなります。ポジティブシンキングを活用するなら、自己検証理論の知見を活かしていきましょう☆

 

 

【参考文献】
[Fundamental processes of positive change]

 

 

 

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