今回は、ちょっとした雑学のお話。
「運動した後って、お腹空くよねぇ~~♪」ってことはありませんか??
個人的な感想では、あるあるの1つなのですが、それが科学的に正しいのかどうかはわかりません。なので、運動後の空腹感は、実際にどうなのかを追求していこうかと思ったのが、今日の内容。
どうぞ、参考にしていってくださいませ♪
運動後の空腹感の実際
これは2025年に出た研究で、「運動の強度と食欲との関係」について調査してくれているものがあります。簡単に説明すると、「軽い運動と少しキツめの運動で、食欲の増え方に差はあるのかな?」っていう疑問への回答を実際に求めてみたところでしょう。
調査の内容ですが、BMI22の健康な男女20名(平均年齢21±3歳)を対象にしたランダム化クロスオーバー法でして、直近7日間で中〜高負荷の運動を150分未満しかしていない人(=あまり運動習慣のない人)にご協力を願ったそうです。対象者には次の2つのものを体験してもらい、その後に、食欲と実際の食事量を比較していったそうです。運動の内容はエアロバイクで、運動時間は両者とも40分。運動前には4時間の絶食を指示しております。
ちなみに、食欲の評価基準は、リーズ食品嗜好質問票を用いて、脂肪分の多い食品および甘味/塩味の食品に対する嗜好と欲求を評価したそうです。
- 軽い運動(ピークパワーの20%)
- 少しキツめの運動(ピークパワーの50%)
結果なのですが、
- 食欲スコアと実際の摂取カロリーを比較したところ、両者で差は確認されなかった。
- 食欲の自己申告もほぼ同等に増加しており、運動強度に関係なく空腹感は増加した。
- 食事量は低負荷=約909kcalで、中負荷=約886kcal、だった。
今回紹介した研究のみで判断すると、運動強度に関係なく空腹感は多少上がるものの、運動強度そのものは食欲に影響しないようですね(むしろ低負荷の方がお腹が空きそう…)。
ですが、「運動と食欲の関係」は、いままで研究されていて、そこで得られたデータにはバラつきがあります。たとえば、過去の研究では、「ハードな水泳をした後、食欲が爆上がりした(2020年)」や「有酸素運動よりも筋トレのような無酸素運動のほうが高脂肪食品に対する相対的嗜好が低下する(2015年)」といったものがあります。なので、「運動と食欲の関係」については、未だ決着がついていない感じはあります。
とはいっても、今回の研究の良いところは、「負荷に違いはあれど、その他は同条件」であること。その点を踏まえると、短期的な評価は、負荷はあまり関係ないように感じます。長期的な視点ではわからなく、身も蓋もない言い方ですが「人による」としか言えず、各々が運動と食欲の関係を導き出して折り合いをつけていくしかないと思いますね。個人的には、「運動後に食欲が上がっても、一旦は運動後のサプリだけで落ち着かせて、その後に食事を摂る」が良いかと思っております☆
【参考文献】
[Moderate-to-vigorous and light-intensity aerobic exercise yield similar effects on food reward, appetitive responses, and energy intake in physically inactive adults]
[An acute bout of swimming increases post-exercise energy intake in young healthy men and women]
[The effects of a single bout of aerobic or resistance exercise on food reward]