今回はダイエットにおけるマインドセットのお話です。
ダイエットが続かないのであれば、それは『自分にはダイエットをやり抜く意志力がない!』と徹底的に否定していこうというある意味面白いデータがあります。
大体のパターンで「私はもうお菓子なんて食べない!」と決意しつつも、うっかり食べてしまい「あーん、お菓子食べちゃった!ぷえん(泣)」となります。
僕なんかは、もう食べてしまったなら仕方ないと思う人間ですし、そもそもそんな簡単に事がスムーズにいくはずがないと一種の諦めがあったりします。
なんで、このデータもけっこう参考になるものかと♪
『ダイエットは上手くいかないものである』というマインドセットについて
これは2018年に出たドレクセル大学の論文でして、262名の太りすぎの男女を対象に実験をおこなっていきました。
この実験では、被験者全員に3パターンのダイエットプログラムに参加してもらいます。
- 行動療法:定期的に体重を計測する、ダイエッター間で激励し合う、明確な目標を設定するといった、日々の行動様式を改めていく
- 行動療法+置き換えダイエット:行動療法にくわえて、朝食や昼食などをプロテインなどに置き換える
- HFE(食餌環境改善プログラム):自宅に常備する食品を、より健康的なものに変えていく(お菓子からフルーツ・ナッツに変える、ソフトドリンクをお茶に変えるなど)
行動療法はもっとも基本的な心理的ダイエット方法で、以前から定評のあるテクニックです。
しかし、プログラムの効果が続かないという問題がありまして、始めはモチベーションが高いものの、徐々にそれが低下していき、セルフコントロール能力が失われます。そして、最終的にお菓子などの誘惑にまけてしまうというわけです。
体重が落ちて喜んでいたら、元に戻って悲しみぃ~~…っていう。。。
この問題に対して研究チームは、行動経済学の要領で『食事環境を変えるプログラムが有効なのでは?』という発想に至りました。
やりぬく意志がないのなら、徹底的に環境を変えるのがベストだろう!…とのこと。
ここで登場するのが、題名のとおり、定期的に『ダイエッターの意志力を徹底的に否定する』なのです!
研究者は
私たちは、被験者に対し
「あなたたちがダイエットを決意したのは、健康への素晴らしい第一歩だ。
しかし、ここでみなさんには、ダイエットの途中で必ず訪れる壁について理解してもらわねばなりません」と告げた。
当然ですが、このことはダイエッターのモチベーションを落とす目的でおこなわれているのではありません。
これには、理想ばかりの目標に向かうのではなく、厳しい現実から目をそむけないようにする狙いがあります。
被験者を否定すことを告げたのは、断じてダイエットの決意をくじくためではない。
本当の目的は、普段の食事や環境を長期的に変えていく作業がいかに大切かについて、もっと現実的な感覚を持ってもらうためである。肥満の被験者に現実的なジレンマの感覚を思いおこさせることで、短期的に食事量を制限する効果が得られる。このジレンマとは、いかに自分が太りやすい遺伝子を継承されているか、環境の変化に影響を受けやすいかを思い起こさせるといったことだ。
このテクニックは「心理対比」の一種とも言え、理想とする目標と、その目標達成の障害を続けてイメージしてモチベーションアップを図るメンタルテクニックです。
これをおこない、研究チーム被験者の動機づけに介入していったわけです。
実験期間は3年で、結果は全体的に大きな有意はなかったものの『食餌環境改善グループがもっとも体重が落ちていた』とのこと!。
やっぱり、食事環境に心理対比を取り入れることで、一般的な手法よりも若干のアドバンテージがありわけですなぁ。
研究チームも『自身のセルフコントロール能力に疑問を持つことで、むしろ自身のセルフコントロール能力が向上する』とコメントしています。気易く「ガンバれば必ずダイエットは成功できる!」と励ますよりも、厳しい現実を伝えて気持ちを引き締めた方が効果的なのです。
人間ってかなり環境に支配されますし、自己評価も甘くて「自分ならできる!」と思いがちです。
自惚れることなく「自分は大した人間ではない」と改めることで、むしろ能力をいかんなく発揮できます。
バイアス軽減にもつながりますので、基本的には厳しめに評価した方が物事が上手くいきそうな感じですね!
僕もこのことに関しては気をつけないと…
また、ダイエットに関することなら
など、いろいろと書いていますので参考に!
相談や鍼灸整体も承っていますんで、どうぞお気軽に☆