過去のブログでも『一気に痩せるか、地道に痩せるか?』という議論に対する答えを書きました。
このときの一応の答えは「脂肪は落ちるけど、筋肉も落ちるし骨密度も落ちる」というものです。詳しくは、過去のブログを読んでいただければわかります。
追い込むように痩せればリバウンドしなさそうなイメージがあるし、かといってジックリ痩せないと健康を害しそうな印象もあり、なかなか難しいところがあります。
なので、新しく出てきた『ダイエットは漸進的におこなうか、急進的におこなうか?』のメタ分析を紹介していきます。
どうぞ、参考にしていってください♪
ダイエットの進行速度による身体の影響
このメタ分析は2020年に出たものでして、過去のダイエットに関する論文から7件を分析していきました。
対象となったのは、
- 漸進的(ゆっくり)ダイエット:167名
- 急進的(すぐに)ダイエット:194名
でして、彼らのダイエット効果を比較していった内容となっております。
年齢は18~70歳と幅広く、選抜基準はBMIが過体重または肥満レベルに達した人となっております。
実験期間については、漸進グループが9〜36週間で、急進グループが5〜12週間で両者とも平均して5〜10kgほどの減量が見られたとのこと。体重減少については個人差があるものの、同様の効果が見込めるようです。
サンプル数が少ないですが、参考にするには十分だと思いますね。
…で、肝心の分析結果ですが、
- 体脂肪量については、漸進グループの方が急進グループよりも減少しており、その差は約1.04kgだった
- 筋肉量については、急進グループの方が漸進グループよりも約0.86kg多く減量していた
- 体脂肪率については、漸進グループの方が急進グループよりも減少しており、その差は約0.84ポイントだった
- 安静時代謝の低下については、漸進グループよりも急進グループの方が大きかった(1日約57.5kcal、最大の低下は162kcal/日で、最小の低下は23kcal/日)
つまり、ゆっくり痩せた方が体脂肪が落ち、筋肉量も維持できて安静時代謝の低下も小さいので太りにくいという結論に至ったわけです。
これを見ると、基本的にダイエットは、ゆっくりじっくりと実行していった方が良いと言えるのです。
とは言うものの、
- この研究の参加者は筋トレを組み合わせていないので、筋トレによって筋肉量を維持できる可能性がある
- 三大栄養素のバランスについては決められた食事をしてたので、高タンパクに比重を置けば筋肉量を維持できる可能性がある
- 急進グループは摂取カロリーが少なく、その影響で安静時代謝が低下するのは妥当であり、それによる低タンパク質と、グリコーゲン貯蔵量が影響している可能性がある
という懸念もあり、筋トレをしていたらどうなるかの判断が難しいと思いますね。。。
以前の結果も考慮してまとめていくと、
- 標準体型の人(BMI18.5~25未満)は、ゆっくり減量(1週間あたりの体重の0.5%以下)したほうが筋肉が維持しやすい
- 肥満に分類される人(BMI25以上)は、一気に減量の方が成果が早く現れるからモチベーション持続でき、メンタルの負担が少ないかもしれない
何事もメリット・デメリットがあるもので、一挙両得なものはないでしょうな。
鍼灸整体師である僕の意見からすると、緊急ではない限り、ゆっくりじっくり漸進的にダイエットに取り組んでもらいたいですな☆