最近は、若者の間でうつが増加傾向にあります。
2019年に出たデータでは、2005年〜2017年にかけて61万名分を調査したところ、12〜17歳におけるうつ病の発症率は2005年ごろから63%上昇したことがわかりました。
「うつは甘えだ!」なんて言う人がいますが、メンタルの許容量は人それぞれです。
それに、うつの原因は、
- 寝不足
- 栄養不足
- 身体の炎症
- SNSの利用
- 気候の変化
etc.
というように多岐にわたります。
なので、決して精神論で済ませるものではないので、軽率に語るものではありません。
それに、どうやら『若者の間でうつ病が増加しているのは「ファストフード」が原因かも?!』という話があります。
今回は、そのことについて解説していきます。
ファストフードによるうつ増加傾向について
これは2019年に出たアラバマ大学の研究で、84名の若者(平均年齢13歳)を対象に、以下のような調査をおこないました。
- 2週間かけて聞き取り調査をおこない、メンタルの調子をチェック
- 対象者全員に尿検査をおこない、ナトリウムとカリウムのバランスをチェック
- さらに1.5年後に再び対象者全員のメンタルをチェック
この2つのミネラルを調べる理由ですが、これが健康的な食生活の指標として使えるからです。
カリウムが多い場合、野菜や果物などを多く摂取していると推測できますし、反対にナトリウム(≒塩分)が多い場合、ファストフードなどといった加工食品を多く摂取していると推測できます。
その結果ですが、当然ながら『ナトリウムが多い若者はうつ病になる傾向が強い』ことがわかったそうです。
それと同時に、カリウムが多い子供はメンタルが健康だったこともわかっています。
結果についてですが、この傾向は若者の体重や血圧などを調整しても得られたそうで、研究者たちは、
ナトリウムが多い食事といえば、加工食品がまず第一に思い浮ぶだろう。
そう、ファストフードや冷凍食品、不健康なスナック菓子などである。同様に、カリウム不測の若者は、野菜や果物、健康的なタンパク源を摂取していない可能性が非常に高い。
サツマイモやほうれん草、トマト、バナナ、オレンジ、アボカド、サーモンなどがそれにあたる。
かなり小規模ですが、たとえば2018年のメタ分析でも、食事とメンタルには強い関係性があるという結論をだしています。
改めて、ファストフードといった加工食品がメンタルに悪影響を及ぼすことを実証したことになります。
とはいえ、これはナトリウムとカリウムのバランスが大切です。
カリウムの豊富な食事を心がけていけば、メンタルが改善する可能性があります。ナトリウムが多いと、炎症が起こりますからね!
また、不健康な食事については、それ以外のうつ病のリスク要因とも密接に関係しているので注意が必要です。
たとえば、社会的孤立やサポートの欠如、ヘルスケアサービスへのアクセスの欠如などがあたります。確かに不健康な食事はメンタルを病ませてしまいますが、そのバックグラウンドに貧困や教育レベルといった複雑な原因がかくれています。
食事がメンタルに関わるのは確実なものの、正確にその影響を把握するのは難しいですねぇ。。。
【参考文献】
[Age, Period, and Cohort Trends in Mood Disorder Indicators and SuicideRelated Outcomes in a Nationally Representative Dataset, 2005–2017]
[Sodium and potassium excretion predict increased depression in urban adolescents]
[Healthy dietary indices and risk of depressive outcomes: a systematic review and meta-analysis of observational studies]