虚血性心疾患や脳卒中などの心血管疾患(CVD)は、世界の死因の1/3を占める主要な死因で、現在もCVDによる死亡者数は増え続けています。2019年の世界の死因トップ10では虚血性心疾患は1位であり、日本での心疾患による死因は第2位です。
食事の欧米化が進んでいますので、今後も、心疾患による死因が増え続けるのではないのかなぁ?っと思っております。もし、血管が気になる人は、ブルーベリーを食べると良い感じにキレイになれるという話があります♪
それでもって、今回は「世界一血管がキレイな先住民族「チマネ族」の生活習慣」について解説していきます。
たとえ医療が発達していても、基本的には頼らずに人生を送っていきたいもの。
医療機関はあくまでセーフティネットとして活用し、健康的な心身であり続けた方が賢明かと…!
どうぞ、参考にしていってください♪
世界一血管がキレイな先住民族「チマネ族」の生活習慣
これは2017年に出たニューメキシコ大学の論文でして、ボリビアのアマゾン盆地で生活をしている700名のチマネ族を調査したものとなっております。この部族は以前から心疾患の発症率がほとんどないといえるほど少ないことで有名なんだそうです。
今回の調査では、研究者がボリビアの奥地に出向き、チマネ族にCTスキャンの協力をお願いしたとのことです。
この調査でわかったことは、というと
- チマネ族の10人中9人は完全に血管が健康で、心疾患リスクは限りなく少ない
- チマネ族が75歳になっても、65%は心疾患リスクが0%のままだった
- 心拍数、血圧、コレステロール、血糖もすべて先進国より低かった
データ上では、チマネ族が「世界一血管がキレイな民族」ということがわかったそうです。
そうだと言える根拠は、80歳を超えたチマネ族の血管年齢は、およそ先進国における50歳と同等だったようですからね。
ちなみに、チマネ族の体内の炎症レベルが先進国以上だということもわかったそうです。
これについては、単純にボリビアのアマゾン盆地での生活は感染症リスクが高く、どうしても先進国より炎症レベルが高くなってしまいます。チマネ族の平均年齢が70歳ほどである理由も、感染症が大きな原因のひとつでもあります。体内の炎症は老化の大敵なのは周知の事実ですが、チマネ族はキレイな血管を維持しており、研究者も「普通に考えれば、炎症は心疾患のリスクを増やすはずだが、チマネ族の炎症は心疾患リスクの上昇とは関係がない!」と驚いています。
このことについては、チマネ族の生活習慣が炎症の悪影響を打ち消している可能性があります。
その生活習慣というのが、以下のものとなっております。
- 三大栄養素のバランスは、タンパク質14%、脂質14%、炭水化物72%
- おもな炭水化物はイモ、米、グリーンバナナ、キャッサバ、コーン、フルーツなど
- 脂肪とタンパク源は魚、猿、ピラニア、野ブタ、ナッツなど
- タバコはほぼ吸わない
- 1日に男性は17,000歩、女性は16,000歩を歩き、この数字は高齢でも同じ
- 歩行距離は約18kmになり、1日の狩猟時間は平均8時間以上に及ぶ
- 1日にくつろぐ時間は全体の約10%
けっこうなほどアクティブで、どれも血管をキレイにする要因なのかなぁ~~。。。
もちろん、猿やピラニアは狩猟民族感がスゴイですが、いわば原始的な食事に多い運動量、不健康なことはしないのが一番なのでしょうね。
チマネ族の研究をしているエセックス大学のギャビン・サンダーコック博士は、
チマネ族の人々は、「高エネルギー流束ライフスタイル」と呼ばれる生活をしている。
これはつまり、「よく食べ、よく動く」生活だ。もちろん、炭水化物も大量に食べねなければならない。そもそも人類は、そのような生活習慣をするように進化してきた。
ところが、現代人は、そのような自然的な活動の多くを生活から取り除いてしまった。イギリスの成人は過去よりも摂取カロリーは減ったが(砂糖の消費量も減っている)、その一方で活動量も下がってしまった。これは人類の進化にそむく行為だ。
「エネルギー流束」という考え方を簡単に説明すると、
- 低エネルギー流束:1,500kcalを摂取して2,000kcal消費する
- 高エネルギー流束:2,500kcalを摂取して3,000kcal消費する
かなり専門的ですので、このようにお考えください。
上記のどちらも1日に500kcal消費されながら、様々な研究で「高エネルギー流束ライフスタイルのほうが健康である!」という結論が出ています。
「たくさん食べてたくさん動くと健康になれるよ!」と覚えておくとよいかもしれませんね☆
【参考文献】
[WHO:The top 10 causes of death]
[Coronary atherosclerosis in indigenous South American Tsimane: a cross-sectional cohort study]
[Expert reaction to study looking at health of arteries of the Tsimane group in South American]