僕は健康のため、最低でも1度は、手の平に納まるほどのフルーツを食べております。
基本的にフルーツは優秀な食材で、僕らが健康になるための近道として重宝します。
今回は、優秀なフルーツ「ザクロ」について解説していきます。ザクロの実にはプニカラギンというポリフェノールが大量に含まれており、その抗酸化パワーは納得せざるを得ません。
アンチエイジングになるので、どうぞ参考にしていってください♪
≪Contents≫
疲れにくい身体になる
始めに紹介する効能ですが、普段から有酸素運動をしている26名の男女(平均年齢35歳)を集めた2019年のプラセボ対照二重盲検クロスオーバー試験から紹介します。
大まかな実験内容は以下のとおり。
- 最初の15日間は、参加者の半分には朝食のあとザクロ抽出物750mgを飲み続けてもらう(そのうちプニカラギンは225mg含有)
- その後、ウォッシュアウトとして14日間はなにも飲まずに普通に過ごす
- 次の15日間は、最初の15日にザクロを摂取しなかった参加者に、同量の抽出物を飲み続けてもらう
ザクロを飲む他には、以下のポイントをチェックしております。
- 最大酸素摂取量
- 嫌気性代謝閾値
簡潔に言うと、最大酸素摂取量は有酸素運動の持久力や心臓の健康レベルを反映する指標で、嫌気性代謝閾値は負荷の高い運動にどれだけ耐性があるかを示しております。
ザクロ抽出物を摂取して15日後に再び計測したところ、
- 運動で疲労に達するまでの時間が14%延長された(94秒)
- 嫌気性代謝閾値に達する時間が10%延長された(55秒)
つまり、ザクロを食べることで疲れにくくなり、激しい運動にも耐えられるようになった!…ということ。
ただし、注意点がありまして、
- 変化が出てない数値がとても多い(たとえば乳酸やクレアチンキナーゼ、CRPといった数値には有意差がなかった)
- 26名のサンプルでは根拠としては弱く、様々な変数を見ていくと偽陽性や偽陰性の可能性がぬぐえない
- 最大の問題として、この実験で用いた量のプニカラギンを摂取するには、市販のザクロジュースの場合、2リットル摂取する計算になる
今回の実験のように、ザクロを運動のサポートとして本格的に使うなら、サプリで摂取する必要がある感じ。
でも大量のポリフェノールが含まれているのは確実だし、普段から健康を意識して常識の範疇の摂取をすればいいのかと☆
肌が紫外線に10%強くなる
次に紹介する効能ですが、2019年に出た実験で女性74名(年齢30~40歳)を対象にしたものがあります。
まずは3つのグループに分かれてもらい、以下のものを摂取してもらいます。
- ザクロ抽出物を1g
- ザクロジュースを230ml
- プラシーボドリンク
実験期間は12週間で、ザクロ抽出物とジュースに含まれるプニカラギンの量はどちらも100mgずつです。
ただしエラグ酸(「体に良いかもしれない」とされるザクロの成分)については、ジュースよりも抽出物の方が多い(23mg vs 44mg)。
今回の実験でチェックするポイントは、
- 紫外線で肌がどれくらい赤くなるか(MED)
- 肌の細菌フローラの変化
- メラニン産生
実験の結果ですが、
- ザクロジュースと抽出物を12週間ほど摂取すると、MEDが8〜10%上昇し、紫外線に対する皮膚の回復力が高まった
- メラニン産生には統計的に有意な影響は確認されなかった
- 肌の細菌フローラにも良い影響が出る可能性があるものの、大きな変化ではない
確かに紫外線に強くなるのは良い感じです。
とはいえ、MED8~10%上昇はダークチョコレートと比較すると、それほど高くはありません。健康を意識したアクセントとして摂取する気持ちで良いのかと☆
強力な抗酸化力が人体に作用するまでの期間
最後は、2022年に出たメタ分析から、ザクロの強力な抗酸化力の効果が現れるまでの期間を紹介していきます。
老化の原因に活性酸素がありまして、体内の細胞やタンパク質、脂質に酸化的損傷を与えることがあり、このプロセスが酸化ストレスとして有名です。この酸化ストレスが、糖尿病や心血管疾患といった疾患を引き起こし、最悪の場合、ガンになるとされています。
ザクロの強力な抗酸化作用は、そんな酸化ストレスに抵抗し、アンチエイジングとして貢献してくれるのです。それが、どれくらい摂取し続けることで効果が現れるかを見ていきます。
このメタ分析では、ザクロの抗酸化ストレスの効能を調査した13のランダム化比較試験をまとめられています。
そのうえで、
- カプセルタイプのザクロエキス(250mg~250g)
- 液体のザクロエキス(10~500mL)
のいずれかを使うことで、体内の抗酸化力マーカー(MDA、TBARS、TAS、GPXなど)がどうなるかについて、比較的高い精度で結論を出してくれています。試験期間は3週間~12ヶ月だったのもあり、長期的な追跡研究であることも、信ぴょう性が高いといえます。
結論ですが、
- ザクロの摂取はTBARSを減少させ、GPXとTACによって測定される抗酸化状態を増加させた。
- ザクロの摂取は、MDA、ox-LDL、POX、TASには影響を与えなかった。
- 期間が3ヶ月以上の研究では、酸化ストレスバイオマーカーに有意な効果が確認されたものの、期間が3ヶ月未満の研究では効果が確認されなかった。
- ザクロ摂取の恩恵は、健康な人と不健康な人の間で差がなく、サプリメントの形態(すなわち、ジュースまたはサプリ)にも関係がなかった。
以上のことから、ザクロの強力な抗酸化力がアンチエイジングとして作用するには、3ヶ月以上の摂取が必要であるかもしれません。体内の抗酸化マーカーに明確な変化が現れるのが3ヶ月なので、それまでは継続して摂取し続けた方が良いでしょう!
まあ、このことについては、どんな健康法にも言えることでしょうね。
注意点ですが、このメタ分析に含まれる研究は少なく、参加者の属性や使用したザクロの量、研究期間などのポイントに大きなバラつきがあるので、確定できる結論ではないですな☆
【参考文献】
[Anti-proliferative activity and protection against oxidative DNA damage by punicalagin isolated from pomegranate husk]
[Pomegranate Extract Improves Maximal Performance of Trained Cyclists after an Exhausting Endurance Trial: A Randomised Controlled Trial]
[Pomegranate Juice and Extract Consumption Increases the Resistance to UVB-induced Erythema and Changes the Skin Microbiome in Healthy Women: a Randomized Controlled Trial]
[Is consumption of pomegranate supplementation effective on oxidative stress biomarkers including MDA, ox-LDL, POX 1, GPX, TAC, and TBRAS? A systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials]