私はダイエットやアンチエイジングのプログラムもおこなっているのですが、私は“健康になるための手段として”運動をプログラムに入れています。運動に重点を置いたダイエットやアンチエイジングは、現代の科学では足かせになっているのは明らかになっています。
基本的に、痩せるために優先するのは、
- まずは睡眠を改善して、ホルモンバランスを整える
- 次に食事を改善して、体脂肪を落としていく
といった具合です。
いきなり運動、特にアスリートではない場合、痩せようとして過酷な運動をしても、痩せないばかりか健康を害するだけです。結論を言うと、体脂肪を落とすという目的なら、エクササイズは20%しか関係していないと言われています。
たとえば、ランニングを例に挙げていきます。
ランニングの消費カロリーは、
体重(kg)×距離(km)=およその消費カロリー
なので、体重60kgの人がガンバって5km走っても、300キロカロリー(おにぎり2個程度)しか消費できません。運動の後はお腹が空きやすいので、おにぎりを2個余分に食べただけて努力が水の泡です(汗)
躍起になって体脂肪を5kg減らそうとガンバる場合、単純計算で385時間走らないといけません。つまり毎日1時間走っても1年以上かかるということです。
今回は、運動だけでは痩せられないということを、少し掘り下げていきます。
今回の記事を参考に、ご自身の減量の計画を練っていただけると、効率や効果が上がるかと思います。
≪Contents≫
ハードな運動“のみ”では効率が悪い
有名なものは、テキサス大学の研究です。
この研究では、100人の男女に12週間にわたってエクササイズをおこなってもらいました。
参加者の体脂肪は平均35~40%で、特にカロリー制限は設けてはいません。
エクササイズの内容は、
- 筋トレが週に3回
- インターバルトレーニングを週に2回ずつ
- 週に5.5~6時間の強強度な内容の運動を12週にわたって続ける
といった感じ…。
1日1時間ほどですが、結構ハードな運動ですよ(@_@;)
そんなハードな運動をした結果なのですが、非常に残念なことです。
全員の筋肉が900gついたのはいいのですが、肝心の体脂肪はわずか450g減ったぐらいというものでした…。
体脂肪は平均して1%しか落ちなかったのです。過酷な運動を3ヶ月おこなっても、体脂肪が1%しかおちないので、運動“のみ”でのダイエットは非常に効率が悪いことがわかりますね。
ちなみに僕も、20代後半のとき、ジムで運動のみの減量を3ヶ月以上ガンバッてみました。
正確な数字を把握していなくて申し訳ないのですが、運動だけでは2~3kgくらいの減量が限界でしたね(体脂肪もわずかしか減らず…)。
2008年のオクラホマ大学がおこなった実験でも、同じような結果が出ました。
ハードな運動を週に5回のペースで10週間ほど続けても、全員の体脂肪率は平均で1kgしかおちないという結末でした。体脂肪を落とすことが目的なら、運動だけでは不十分だということが再認識される内容です。
体脂肪を落とすなら日常生活で消費カロリーを増やす
先ほどの内容は『痩せるためには運動だけでは不十分』というだけで、『運動は意味がない』と言っているわけではないのです。基礎代謝を上げるという点では有効ですので、体脂肪を落とす目的での運動は、基礎代謝の向上のためだと割り切るといいでしょう。
体脂肪を落とすにあたり、重要な考え方が『NEAT=Non-Exercise Activity Thermogenesis(非運動性活動熱産生)』です。これは『日常生活で消費されるカロリー』で、エクササイズで消費されるカロリーではなく、掃除や炊事、洗濯、階段昇降といった日常生活を含んだ消費カロリーです。
要は『普段から身体を動かそう!』という話です。
それだけで僕らの身体は痩せていきます。
NEATの専門家であるジェームズ・レビン博士は、以下のように述べています。
現代人の肥満と健康状態の悪化は、インターネットを中心とした現代生活が、私たちから少しずつNEATを奪ったのが原因だ。この損失は、1日に1,500〜2,000kcalのレベルにまで達している。
わたしはヒトの活動や肥満を20年にわたって研究してきた。その結果として言えるのは、現代人の暮らしとダイエットの考え方が根本的に間違っているということだ。50年前にジムなどなく、当時の人々はめったに「エクササイズ」をしなかった。それでも肥満に悩む人のほうが珍しい状態だった。かつての人々は、意識せずに体を動かすことで、努力せずに体重をコントロールしていたからだ。
基礎代謝を除き、日常のNEATが多い人は、運動をしなくても最大で2,000Kcalも消費しているとのこと。現代人の平均消費カロリーは、ジムで1時間ぐらいエクササイズをしてる人でも平均1,300〜1,500kcalぐらいです。
昔の人(ちょっと失礼ですね笑)は特に運動を意識していなくても、特に肥満に悩むということはありませんでしたからね。
「運動不足だな…(汗)。」
と悩んでいるよりも、いかにして日常の活動量を増やすかを考えることが大切だといえるでしょう。
一般人が運動をする目的
『健康のため』は大前提ですが、運動をする目的は、大きく分けると以下の3つです。
- アンチエイジング
- メンタルの改善・向上
- 脳のパフォーマンスの向上
たとえば、1日に15分のウォーキングをおこなうだけでも、心疾患や糖尿病などのリスクが大幅に低下することが分かっています。さらに、エクササイズはうつや不安にも大きな効果があります。脳のパフォーマンスの向上とは、決断を下す能力が大幅に上がり作業効率が上がるというものです。
アスリートやモデルなどといった身体が資本となる職業を除き、僕らが運動をする目的は、あくまでも『健康になる』ことです。
体脂肪を燃やすことを目的にハードな運動をすると、僕らの身体はストレスホルモンが分泌されます。
これは身体をサビさせてしまいますので、むしろ健康を害してしまいます。
体脂肪を落とすことを目的とせず、運動による恩恵を受けて健康になっていくことが大切です。
ちなみに、2008年のオクラホマ大学の実験では、エクササイズと栄養改善を組み合わせた実験もおこなっていました。
エクササイズに加え、ビタミンとミネラルが豊富なサプリメントを毎日飲むように指示したところ、
- 全員の体脂肪が平均3kg減少
- 筋肉量が800g増加
筋肉の増加には差が少なかったものの、体脂肪に関しては大きな差がありました!!
これを見ても、改善すべきは運動よりも食事ですかね♪
運動をバリバリすることは良いですが、脂肪燃焼にはあまり有効的ではないですね(ーー゛)
基礎代謝を上げるという点や、キレイな・カッコいいシルエットを作るという点では有効です。
当然、運動をするメリットはたくさんありますので、脂肪燃焼以外でおこなっていくと健康的になれます☆
僕らができるNEAT対策としては、
- できる限り座っている時間を減らす
- できる限り階段を利用する
- スタンディングデスクを使用する
などといった感じですかね…。
自動的に掃除をしてくれる家電とかがありますが、身体を動かすという点では、本当に時間がないときに使うという方が良いですね。
基本的に、自分ができることは自分でする、という方が脂肪燃焼に有効かと!
僕のダイエットやアンチエイジングの専用集中施術プログラムは、睡眠や食事を一緒に見直し、そこに運動を補助として加えていきます。
徹底的に効率の良い方法と、鍼灸施術を組み合わせてあなたの人生やパフォーマンスを加速させていきますので、どうぞ、お気軽にご相談ください<m(__)m>
【参考文献】
[Minimal nutrition intervention with high-protein/low-carbohydrate and low-fat, nutrient-dense food supplement improves body composition and exercise benefits in overweight adults: A randomized controlled trial.]
[Move a Little, Lose a Lot: New NEAT Science Reveals How to Be Thinner, Happier, and Smarter]