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筋トレの「もっと自分を追い込めよ!」を科学する

「妥協するなぁーーー!!」

高校のときはよく言われましたねぇ~~…。
高校のときは野球をしていたのですが、かなり自分を追い込みながら練習に励みましたよ。

よくトレーニングにありがちなのが、筋肉は限界まで追い込んだ方がいいのか?…という点です。
自虐なのか本気なのかはわかりませんが、追い込むと筋肉が喜ぶだなんて言う人がいます(比喩表現でしょう笑)。
実際のところ、最新の科学では筋肉を追い込むべきかどうかをどのように結論づけているのでしょうか…。

 

今回は、そんな疑問にお答えする回となっています。

一般の方は、健康の為・理想の体型を手に入れる為に筋トレをしているでしょうから、今回の記事は参考になるかと思います。
別に血反吐を出しながら筋トレをするだなんて、余程のメンタルがないとできないですからね。
無茶はしたくないですよ(笑)。

 

 

熟練者は追い込まない方が良い…のかも?

 

2019年7月に出たイースト・テネシー州立大学の実験で、日常的に筋トレをしている15人を対象にしたものがあります。
参加者の筋トレ歴の平均は7.7年で、足の筋力がよく発達した人を選抜したそうです。

実験は以下の2つのグループに分け、10週間ほど週3回のペースでトレーニングしてもらいます。

 

  • 限界まで追い込まずトレーニングをする
  • 限界まで追い込んでトレーニングをする

 

それぞれのトレーニングの負荷は各々に任せて調整しており、

 

  • 追い込まないグループ:全力の70%〜85%ぐらいの負荷で10回3セットずつ
  • 追い込むグループ:全力を出し切る負荷で8〜12回を3セットずつ

 

トレーニングのメニューは以下のとおりで、全身をバランスよく鍛える内容です。

 

  • バックスクワット
  • オーバーヘッドプレス
  • ベンチプレス
  • デッドリフト
  • ダンベルトライセップエクステンション
  • プルアップ
  • ベントーオーバーロウ

 

結果ですが、以下の違いが起きました。

 

  1. 遅筋(持久力の筋肉)・速筋(瞬発力の筋肉)のどちらとも追い込まないグループのほうが発達していた(追い込まないほうが筋肉が増えた)
  2. mTOR(タンパク質の再合成に重要な物質)、AMPK(細胞の代謝に関わる酵素)のレベルの変化はどちらのグループとも同じだった

 

この実験ですと、結論としては「筋トレは追い込まない方が良いですよー!」といったところでしょう。
対象者がずっと筋トレをしてきた人ですので、熟練者は特別追い込まなくても良さげかな?

 

2018年に出たサンパウロ大学の論文でも、「軽いトレーニングでも筋肉がつくよ!」という結論が出ています。

この実験では、30代前半の男性28人の男性を対象に、以下の内容を追究してくれています。

 

  • 高負荷のトレーニングか低負荷のトレーニングで筋肉を追い込む場合、両者に違いが現れるのか?
  • 高負荷のトレーニングか低負荷のトレーニングで筋肉を追い込まない場合、両者に違いが現れるのか?
  • 筋肉を追い込む場合と筋肉を追い込まない場合で、筋肉の増え方に違いが現れるのか?

 

そして参加者全員に、以下の4パターンのトレーニングを指示しております。
トレーニングのペースは週2回でセット間休憩は2分、足のトレーニングを3セットずつおこないます。

 

  1. 高負荷(1RM80%)で限界まで追い込む
  2. 低負荷(1RM80%)で限界まで追い込む
  3. 高負荷で限界の少し手前で止める
  4. 低負荷で限界の少し手前で止める

 

1RM80%は筋トレの基本で、大体はこれくらいの負荷で筋トレをします。
一方で1RM30%はものすごく軽い負荷で、筋トレが日課になっている人からすると物足りない内容です。
まあ、そんなイメージで読んでください(笑)。

 

このような内容で12週間調査したのですが、結果はすべて全く違いがなかったそうです!

どんな負荷だろうと、どれくらい追い込もうと、筋肉はちゃんと発達するそうです。
なので、軽い負荷でも、回数を重ねればキチンと結果はコミットされるのです(^◇^)

 

 

 

やっぱり追い込んだ方が良いのでは?…という意見

 

最新のデータでは「追い込まない方が良い!」と出てはいるものの、反証として「追い込んだ方が筋肉がつく!」というデータもチラホラあります。
たとえば、2017年のブラジリア大学などの実験で、過去6ヶ月間トレーニングをしていない89人の20代前半の女性を対象にしたものがあります。

この実験では、参加者を以下の3つのグループに分けております。

 

  • 1RM70%3セットをおこなうが回数は途中で中断するグループ(負荷が軽い)
  • 1RM70%4セットを全力で7回おこなうグループ(負荷が重い)
  • 1RM70%3セットを無難に7回おこなうグループ(負荷が中程度)

 

トレーニングの内容は以下のとおり。

 

  • 上腕二頭筋のトレーニング(ダンベルカールみたいな)
  • セット間のインターバルは2分
  • 週2日のトレーニングを10週間かけておこなう

 

こちらの結果では、負荷が重く、自分を追い込んだグループの筋肉のつきが良かったようです。
日本でも研究されていて、2005年の筑波大学の実験でも、これに近い結果が出ています。

26人の男性に参加してもらい、以下のルールでトレーニングをしてもらいました。

 

  • 1セット10回のトレーニングの途中に30秒間の休憩を入れる
  • 休憩を入れずに1セット10回のトレーニングをおこなう

 

12週間後ですが、休憩をはさまずにトレーニングをした方が筋肉のつきが良かったそうです。

 

 

 

 

筋トレについてですが、「追い込まない方が筋肉がつく!」というデータがあるし「やっぱり追い込んだ方が良い!」というデータもあります。

データを見くらべてみて、落とし所をつけるなら、

 

  • 筋トレ初心者は追い込んだ方が筋肉が良くつく
  • 筋トレ熟練者はむしろ追い込まない方が筋肉が良くつく
  • 何はともあれ筋トレで筋肉を刺激すれば筋肉はつく

 

初心者と熟練者の成果に違いが出てくるのは、おそらくは「筋繊維が機能するのに時間がかかるのでは?」というところです。

初心者は、筋肉が働きだすのに時間がかかるため、始めのうちはしっかりと追い込む必要があるのかもしれません。反対に、熟練者は筋肉がしっかりと機能しているため、トレーニングの恩恵を初心者よりも早く受けられるかもしれませんね…。

とはいえ、これだけで結論を出すわけにはいけませんから、研究を追いかけた方が良いですね。

 

ちなみに、僕も限界まで追い込むところまではトレーニングをしていません。

経験から導き出していて、特別追い込まなくてもいいのかな~~って思っていました。しっかりと筋肉がついていますし、最新の科学が証明してくれて助かっています(^-^)

目的(競技とか理想の体型とか)に合わせて、トレーニングメニューを作った方が合理的ですな☆

 

 

【参考文献】

[Skeletal Muscle Fiber Adaptations Following Resistance Training Using Repetition Maximums or Relative Intensity.]

[Effect of Resistance Training to Muscle Failure vs. Volitional Interruption at High- and Low-Intensities on Muscle Mass and Strength]

[Strength Training with Repetitions to Failure does not Provide Additional Strength and Muscle Hypertrophy Gains in Young Women.]

[The impact of metabolic stress on hormonal responses and muscular adaptations.]

 

 

 

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