メニュー 閉じる

東洋医学の『水毒』は現代医学的にはどうなのか?

僕は、エビデンスベースではあるものの、東洋医学も交えた健康アドバイザーです。
ですので、基本的には現代医学で万人に通用するもののほか、その人の東洋医学的な観点で言われている体質に合わせた指導をしております。

他のアドバイザーやコンサル、トレーナーみたいな仕事との差は、僕の場合、鍼灸施術ができるという点でしょう。もし、心身の調子を整えてほしい・アドバイスがほしいという方は、どうぞお気軽にお問い合わせください。

仕事の依頼や相談に関しては、キチンとお答えします。

 

今回は、東洋医学で言われている『水毒』についてお話していきます。

東洋医学は独自の理論体系でして、似たような結論に至っているものがありますが、現代医学とは別物として考えると分かりやすいです。そう言ったこともあり、水に対する考え方も、現代とは若干異なっているところがあります。

過去のブログでは東洋医学における『水』について書きましたので、そちらも合わせてお読みください。

 

 

東洋医学で言われている『水毒』について

 

小難しいことを書いてしまうと混乱しますし、ブログも長くなりますので簡潔にまとめます。
『水毒』はいわば水分代謝障害で、体内の水分が上手く循環されず古い水分が留まり続けることで、健康に悪影響を及ぼすことを意味しています。

水毒は水分の過剰摂取や運動不足、それによる発汗不足などに起因しますが、その反対に大量の発汗や水分摂取不足によって流れが悪くなることでも発生します。この発生には東洋医学でいう『寒』が関係していて、名前で想像しやすいと思いますが、冷えによって新陳代謝が低下することでおこります。

具体的に、この『寒』が引き起こされる原因が以下のとおりです。

 

  • 冷たい飲食や水分の摂りすぎ
  • 運動不足
  • 心身のストレス
  • 寒い環境に長く留まる
  • 糖質や脂質を多く摂る
  • 刺激物や塩分を好む

 

そして、『水毒』になることで起こる症状が以下のとおりです。

 

  • めまい
  • 立ちくらみ
  • 頭重感
  • 耳鳴り
  • むくみ
  • 肌のトラブル
  • 冷え症
  • 水様性の下痢
  • 高血圧
  • 炎症反応

 

東洋医学の『水毒』への対策は以下のとおりです。

 

  • 適度な運動
  • 身体を温める工夫をする
  • 水分の摂りすぎにならないようにする
  • 糖質や脂質の摂りすぎに気をつけてタンパク質を意識する
  • ショウガやタマネギなど、身体を温めると伝えられている食材を摂る

 

過ぎたるは及ばざるがごとしですし、不足しても良くはありません。
何事も、中庸が一番というわけですが、具体的に数値化できないのが東洋医学の難点なところ。腎機能や体格など、個人差というものがありますので、実践していって、ちょうど良いところを見つけるのがいいですね。

 

 

 

現代医学で『水毒』を考えてみる

 

あくまでも東洋医学での解釈ですので、現代医学ではどうなのかというのは比べるものではないかと思います。
とはいえ、個人的に現代医学と似通っている点もあったりすると感じている次第ですので、現代医学視点で考えていきます。

現代医学にある似たような名称の病気に『水中毒(みずちゅうどく)』があります。
これも過剰の水分摂取によって生じる中毒症状でして、具体的には水分の摂りすぎで体内のミネラルバランスが崩れて、低ナトリウム血症や痙攣を起こしてしまいます。最悪の場合は死に至るものでして、有名な話では、マラソンランナーが過剰に水分補給をしてしまったがために…というものですね。

 

水中毒に至るケースですが、これは激しい運動などで脱水状態でなければ発症しにくいものです。

2002年のデータでは、重労働のときに短時間に5リットルを一気に飲んだことで死亡したというケースがありますが、この量を日常生活で飲むのは流石に無理があります。もちろんこれは死亡したケースですので極端ですが、子供に1〜2時間以内に2本の1.8 Lボトルの水を飲ませるよう強制して水中毒にしたという事件(1,800〜3,600 mL / hr、3.1 L / m 2)に鑑みると、健康的な成人が2時間以内に3リットルを強引に飲んで、水中毒になるかならないかというところでしょう。

躍起になって飲まなければ、日常生活で2時間以内に3リットル以上を飲むことはないハズです。なので、腎機能を考えるに、水中毒の心配をする必要はないでしょう。
あと、冷たい水を飲むことで消化器の働きが活発になり、効率よく脱水を防ぐことができるという論文がありますが、水分の摂りすぎによって代謝が落ちるという話もあるのでほどほどに…。

2~2.5リットルを目標に、喉が渇いたときに水分補給をすると良いかと思います。

 

 

 

 

一番怖いのは脱水ですので、基本的に水分は大切ですね。

尿で1~1.5リットルは無くなりますので、少なくともこれを超えることは目標にして、喉が渇いたときに水分補給ですね。データ的に2~2.5リットルが理想のような気がしますが、体質と相談して決めていくのが良いのかと!

実のところ、僕は深く考えずに水分補給をしていますが、気がつけば割と飲んでますね~☆

 

 

【参考文献】

[Death by water intoxication.]

[Hyponatremia caused by excessive intake of water as a form of child abuse]

[American College of Sports Medicine position stand. Exercise and fluid replacement.]

 

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です