EAAとBCAAのことについてのお問い合わせがあり、同時に摂取をした方が良いのかな?…という質問をいただきました。
まず、両者のことについて、簡潔にまとめます。
- EAA=必須アミノ酸すべて(9つ)
- BCAA=必須アミノ酸のうち、ロイシンとバリンとイソロイシンの3つ
というものです。
必須アミノ酸は文字通り、体内で合成できないために食事で摂取する必要のあるアミノ酸のことです。アミノ酸はビタミンやホルモンを作る材料として、また、タンパク質の合成に使用されます。
そういった作用から、EAAやBCAAを摂ることで「疲労回復に役立つ!」「免疫力を高める!」「筋力アップ!」「脂肪が良く燃える!」などといったことが期待できるということですね。
予想できると思われますが、サプリとして摂るのであればEAAのみで十分です。
EAAの方が必須アミノ酸すべてが入っていますので、効果はEAAの方が優勢です。
また、BCAAは鶏肉や牛肉、プロテインでも十分に摂ることができますので、追加してBCAAをサプリとして摂る必要性がありません。あと、BCAAはプロテインより高いです(笑)。
今回は、追加してBCAAを追加して摂る必要がない理由をご紹介していきますので、よろしくお願いします。
ちなみに、前回のブログでもEAAやBCAAについて書きましたので、そちらも合わせてお読みください。
BCAAの摂り過ぎが肥満を招くかもしれない
過去の観察研究では、肥満の人ほど血中のBCAA濃度が高いことがわかっています。
もちろん、観察研究なので「BCAAの影響で太る」のか「太ることで血中のBCAA濃度が高くなる」のかはわかりません。
ですが、マウス実験ではありますが、2018年に出たウィスコンシン大学の研究でBCAAと肥満の関係性を調べたものがあります。
研究者は「BCAAの摂取量を減らすことにより、体重の減少、体脂肪の減少、糖代謝の改善が見込めるのではないか?」という仮説をたて、肥満マウスを3つのグループにわけました。
- 通常の食事
- 通常の食事からBCAAのみを除く
- 通常の食事からアミノ酸をすべて除く
この3パターンのうち、BCAAとアミノ酸を除いたマウスは体重が減り、糖代謝も改善したという結果がでました。
この研究では12日目で25%ほどの体重減少がみられましたので、これは結構大きな差が出たと言えます。
ダイエットの一環として筋トレをしている場合、BCAAを摂取することで太ってしまう可能性があるということです。個の結果については、研究者は以下のように考察しています。
この違いは、カロリー制限や活動量の増加によって起きたものではない。FGF21というホルモンの分泌量が増え、基礎代謝が上がったせいで起きた現象だ。
FGF21とは、代謝のバランスを調整するホルモンです。
BCAAを減らすことによって、このホルモンが増えて基礎代謝が上がり、脂肪が燃えやすくなったということです。
これは、あくまでもマウス実験での結果です。
ホエイプロテインにも食肉にもBCAAは入っています。
過去のデータでも『タンパク質を摂取すると食欲を減らすことができる』というものがありますので、プロテインがダイエットに有効だという結論も出ています。
なので、今回の結果と過去のデータでは齟齬があるのです。
- ヒトとマウスでは代謝が異なるのでは?
- 健康体と肥満体ではBCAAの反応が違うのか?
- 短期と長期ではBCAAの反応が違うからでは?
どちらにしろ、筋トレをするにあたり、プロテインは必須です。
このマウス実験を鑑みると、追加してBCAAを摂取する必要はないかと思います。プロテインでも、十分に効果は発揮できますからね☆
【参考文献】
[Restoration of metabolic health by decreased consumption of branched-chain amino acids.]
勉強になりました。ですが、EAAって高いんですよね…BCAAに比べても、1kg単位で4000円も値段が違うのはなかなか手が出ません( ´_ゝ`)
それに比べてクレアチンはかなり安価で買えるみたいですね!試してみたいです
こちらこそ、参考にしていただきありがとうございます。
今回の質問への回答では、BCAAを買うくらいならEAAの方が良いという結論です。
どちらにしろ値段が高いから、プロテインや普段の食事でも良いのかと思います(^v^)
筋トレが間もないのであれば、クレアチンが良いですよね♪
効率良く筋肉を増やせますし、筋トレ歴が長くなっても効果は継続しますのでオススメです。
エビデンスも揃ってますし、サプリで迷っているならクレアチンが良いですよ!