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水は○○リットル飲みましょう!…の真相に迫る

以前の僕のブログにて、水のことについて触れています。

今回は、個人が必要としている水分とは別に、世間で広がっている水分の摂取量についてについて解説していきます。たとえば、

「1日に2リットルお水を飲みましょう!」

や、

「モデルは1日に4リットルもお水を飲んでいるんですよ!」

みたいなものの真相です。
個人的には、4リットルも飲むと体内の電解質のバランスが崩れるので、絶対にオススメしません。
そこまで来ると、いくら腎臓が強靭でも身体を壊してしまいます。なので、鍼灸師である僕の視点からして、その人にふさわしい水分量を摂ってもらいたいです。

 

いつものように、数々の論文を参考に、人間にふさわしい水分の摂取量を考えていきます。

なので、世間での通説とは違う結論に至ることを先にお知らせします。
そして、毎度のように念押ししますが、僕は論文を基に解説してますので、その内容も新しいものに変わっていくこともあります。

何かある(主にネガティブと受けられる内容)際は、論文の発表元にお知らせください。
そして、「○○についてどう思いますか?」…みたいな質問なら、個人の考察や論文を参考にお答えしますので、ドンドンお問い合わせください☆

 

 

水は1日に○○リットル飲もうの真相について

 

2014年に出たオタゴ大学の運動における文献論文によりますと、以下のような暫定的な結論を出しています。

ほとんどの条件下では、環境の違いに関係なく「ノドが渇いてから水を飲めば十分」 だと思われる。ただし、特殊な条件下ではノドが渇く前に水を飲む必要がある。

 

運動と水分量に関して言うと、一般人に関して言えば、自分が水を飲みたいと思ったときに飲めばよいということです。

もちろん、気温が高い日や運動をしているときは、水を飲みたいというサインが出る前に飲んだ方が良いです。しかし、そういったとき以外は、2リットル飲もうなどといったことを考える必要はないというわけです。

 

この論文は、「ノドが乾く前に飲んだ方が良い」や「ノドが乾いたと思ったときに飲めば十分である」といった、それぞれの効果について過去の論文を調査しなおしたものです。

計168の文献を集めて、改めてデータをまとめたものなので、それなりに信ぴょう性はあるものです。
研究者が言うには「平均的な人にとって、『水を飲む量』に関する特別なアドバイスに従う科学的な根拠はない」とのこと…。

 

 

 

水を○○リットル飲むと美肌になれるという真相について

 

水と美容に関しては、2018年に出たベルリン大学のレビュー論文を基に解説していきます。

これは肌の保湿に関する過去のデータを調査したもので、「水をたくさん飲むことで肌の水分は増えるか?」という疑問を、23件の過去の論文のうち、信用できそうなもの6件を抽出したものです。そのうち5件はRCT(エビデンスレベルが2番目に高い)で、参加者の年齢は24〜56歳です。

 

一応、大きな結論を述べますと、わずかな差ではあるが、1日に1〜2リットルの水を飲むことで、確かに有意に上皮角質層の水分量自体は上がることがわかりました

とりあえずは、たくさん水を飲むことで表皮の水分量自体は上がるようですね!
とはいうものの、表皮の水分量以外については、若干頼りない結果が出たようです…。

 

  1. 肌の滑らかさや弾力性については、ほとんどの実験でまったく変化がなかった(一部の実験では、ミネラルウォーターによって肌が滑らかになったという報告自体はある)。
  2. 100mlの水を飲むだけで肌のペーハーレベルは下がってしまう。さらに2リットル以上を飲むと、更にペーハーレベルが下がってしまう。
  3. ヒトの肌の水分量は細胞内の脂質や角質細胞層の構造によるところの要素も大きいため、水を大量に飲むことで上皮角質層の水分量が上がったかという因果関係が不明である。

 

要するに、水をたくさん飲むことで水分量は上がるものの、科学的根拠が弱いということ…。
総括すると、1日に1〜2リットルの水を飲んだところで美肌にはなれないということです。

 

 

 

 

もちろん、汗や尿として水分が出た分は水分補給した方が良いですが、基本的には「ノドが乾いたときで十分」というのが、科学が導き出した答えです。

どういった理由で「○○リットル摂りましょう!」という通説が始まったかは、僕個人としてはわかりません…。
鍼灸師的にも、その人の体質に合った水分量をとった方が良いですからね。恐らくは、体内の水分代謝やデトックスみたいな流れでしょうが、水分をたくさんとっても効果がないです。むしろ、ペーハーレベルや電解質のバランスが崩れるので、水の大量摂取はオススメしません。

美容という視点なら、食事の方に焦点を当てた方が確実ですね!
そういったことも、僕のセッションでおこなっておりますので、どうぞお問い合わせください♪

 

 

【参考文献】

[Are we being drowned in hydration advice? Thirsty for more?]

[Does dietary fluid intake affect skin hydration in healthy humans? A systematic literature review]

 

 

 

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