僕も、日々の鍛錬で筋トレをしていて、やっぱりバッキバキな腹筋は欲しいと思っております。
とはいえ、体幹トレーニングだけではキレのある腹筋にはならず、地道にカロリー制限も織り交ぜる必要があります。
また、部分痩せというのも現実にはかなり厳しく、お腹の脂肪を落とすために集中して体幹トレーニングをするのも効率的ではありません。
人間はラクをしてなんでも手に入れようとしますが、こういった類は、基本的に苦労を伴うものなんですよねぇ~。
今回は『お腹の脂肪を落とすには「筋トレ」?か「有酸素運動」か?』と題して、そんな中でも効率的に理想的な腹筋を作る方法を模索していきます。
簡単ではないものの、有限である時間を有効に使うには、やはり効率のよい方法を選択するのがよろしいものかと。こういうことを熱心に研究してくださっている方々がいらっしゃるので、その方々の知識を活用していくのがベストです。
こういったことを是非とも参考にしていきましょう!!
腹部の体脂肪を効率的に減らす方法について
こういった類の研究はもちろん、かなり古くからされています。
もっとも信ぴょう性の高いメタ分析という研究がありまして、まず2012年のメタ分析では「有酸素運動は内臓脂肪を減らすのに効果的だが、筋トレにはそこまでの効果はない」という結論を出しています。
これは、僕の過去のブログで取り上げた内容に似たものですね。
2017年のメタ分析でも同様の結論を出していまして、
- 運動の種類によって、腹部の体脂肪の減らすスピードには関係がない
- あらゆる方法において、まずは内臓脂肪が落ちてから体脂肪が落ちていく
つまり、運動によって体脂肪を落とすのは難しいということ…。
筋肉をつけて「基礎代謝を上げる」や「メリハリのある身体を作る」といったことはできますが、こと体脂肪を落とすには至らないわけです。
というよりも、運動の主目的はそこにあります。
内臓脂肪を燃やすなら有酸素運動はアリですが、体脂肪を燃やすということなら、運動自体は効率的ではないと言えます。
…で、ここで2020年のメタ分析をご紹介していきます。
新しい研究では、どのような結論を出しているかを見ていきましょう。
このメタ分析は、以下のような内容となっています。
- 「筋トレのみ」と「有酸素運動のみ」、そして「筋トレ+有酸素運動」のどれがもっとも効率的に腹部の皮下脂肪を減らすのかを調査する
- ヒトを対象に、追跡期間が4ヶ月以上のものを選抜する
- 43の研究を基に、計3,552名分のデータを分析する
- 対象者の大半は過体重または肥満で、2型糖尿病や肥満体も含まれる
これらをベースに分析していき、得られたデータが以下のとおりとなります。
- 筋トレの効果:筋トレによって、対照群と比べて腹部の皮下脂肪が有意に低下する。平均差は-5.39㎠、95%信頼区間は-9.7~-1.1㎠だった
- 有酸素運動の効果:有酸素運動によって、対照群と比べて腹部の皮下脂肪が有意に低下する。平均差は-13㎠で、95%信頼区間は-18.5~-7.6㎠だった
- 筋トレ+有酸素運動:筋トレと有酸素運動の組み合わせによって、対照群と比べて腹部の皮下脂肪が有意に低下する。平均差は-31.34 ㎠、95%信頼区間は-50.4~-12.3 ㎠(2つの外れ値の除去後)だった
といった具合で、このデータでは「筋トレ+有酸素運動」がもっとも効率が良く、次いで「有酸素運動」で最後に「筋トレ」ということ。
とはいうものの、これはあくまでも「まったく運動をしなかった対照群と比較して」で、「筋トレ」と「有酸素運動」との比較ではありません。なんせBMI値の高い人が含まれていますんで、「体脂肪を落とす」というよりはメタボ改善に近い内容ですからね。
肝心の「筋トレ」と「有酸素運動」との「平均差は-0.73㎠で、信頼区間は-4.49~3.03」でした。
つまり、どちらが優位というものがなかったということ!
ただし、研究のデザインやアウトカムに統一性がないので、確定とは言い切れないのもあります。
まとめとして、もしお腹の脂肪を落とすなら、
- なにもしないよりは運動自体はしていった方が良い
- どうせ運動をするなら「筋トレ+有酸素運動」の方が効率が良い
単純思考で、カロリーをたくさん使った方がたくさん痩せていきますから、多く運動するのに越したことはないですね。内臓脂肪も気になるのなら有酸素運動を取り入れるのはアリですが、そうでないのなら好きな方法で構わないとも言えます。
2020年のメタ分析でこの結論が出ましたので、今のところの回答がこんな感じです。
やっぱり「とりあえずは動け!」という、常識的な話でした♪
【参考文献】