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果たして世間が心配するほど「性描写」は悪影響を及ぼすのか?!

少年マンガなどでは、いわゆる「性描写」なる表現があります。
これが「性犯罪を助長させる!」として、以前から大きな問題となっております。

あとは、ちょっと話がズレてしまいますが、こうした表現に対して、俗に言うツイフェミさんが「怒りに震えて涙が止まらない」と嘆くことがあります。
まあ、ツイフェミさんに関しては置いておいて、今回は『果たして世間が心配するほど「性描写」は悪影響を及ぼすのか?!』について、僕の考えをお伝えしていきます。

皆さんは、どのようにお考えでしょうか?
そのあたりも気になりますが、まずは僕の考えを参考にしていってください。

 

 

実のところメディアの性描写による犯罪増加は不明である

 

はっきりいって、どんなに親御さんや周囲の大人たちが注意を払っても、性的な表現を未成年から身を守るのは難しいと思います。

なぜなら、生きている以上、意図しないタイミングで未成年はその情報を見聞きしてしまいます。
スマホや周囲の人間関係、さらには道端にだって存在しています。なので、性描写に関して敏感になるのなら、むしろ目を逸らすのではなく、しっかりと教育していった方が良いのかと思いますね。それに、「マンガの性描写は特に問題はない」というデータがあります。

代表的なのは1991年の研究で、アメリカ、西ドイツ、デンマーク、スウェーデンの四カ国で20年分の性犯罪データを調査し、そのうえで性的なメディアの普及度と比較していきました。
その結果、

 

  • メディアによる性描写が普及しているからといって、性犯罪の発生率が増加しているという現象はなかった
  • 西ドイツでは、むしろメディアによる性描写の普及しているほど性犯罪の発生率が減少していた

 

ということがわかり、性的なメディアが普及したからといって、特に性犯罪を助長させることがない様子。

「これって海外のデータだよね?」という人がいらっしゃるでしょうが、この現象は日本でも確認されています。
1972〜95年の間に、日本では膨大なペースで性的なメディアの流通量が増えています。にも関わらず、むしろ日本の性犯罪の件数は低下を続けています。

注意点は「性描写がいっぱいあった方が性犯罪が減るんじゃね?」ではなく、あくまでも「性的なメディアの増加と性犯罪の増加は関係ない」ということ。

 

さらに面白い視点から、性描写を気にする必要はないことを紹介していきます。
これは2006年に出た、「操作変数法」という計量経済学の分野から調べた論文があります。

これはマヒドン大学の研究でして、性的なメディアと性犯罪の関係性を調査するために「操作変数法」をしようしております。操作変数法は、様々な要素が多く絡んでくる問題を解き明かすために用いられる方法でして、この研究では、次のような手順で分析しております。

 

  1. まだインターネットが普及してない、1990年代以前の性犯罪データをチェックする
  2. 私書箱(この増加と性的なメディアの普及率には明確な相関がある)の利用者の増加率をチェックする
  3. 性犯罪と性的なメディアの横断研究に私書箱のデータを組み込む

 

私書箱と性犯罪は互いに影響しないと考えられるので、単純な性的なメディアの普及率との比較よりも明確な関係性が浮き彫りになるわけですね。要は、『「A=B」で「B=C」になるなら、それは「A=C」になるよね?』ってことです。

すると、なんと「性的なメディアの増加は性犯罪の減少と関係がある」という結論が得られたそうな!
いままでの観察研究に近い結論になったそうで、性的なメディアに溢れるほど、実は性犯罪が減っていくんだとか…。

 

 

 

「だったら、ドンドン性描写を増やそうよwww」

と、短絡的な思考のままではいけません。
観察研究によるものではありますが、2015年に出たウィスコンシン大学が「性的なメディアと性犯罪には関係があるのか?」という問題をメタ分析しております。

これは、過去の研究で得られた22件の観察データから、7カ国におけるポルノの視聴量と性的な行動の変化を比較したものとなっております。
その結果なのですが、

 

  • あらゆる行動と同様、攻撃的な性行動は様々な要素が組み合わさって起きるため、多くのポルノ消費者が攻撃的な性行動に移るわけではない
  • しかしながら、多くのデータを分析すると、ポルノを多く消費する人ほど攻撃的な性行動に直結するような思考を持ち、実際の行動に移る確率も高い。

 

このメタ分析では、性的なメディアは悪影響を与えることがわかったそうです…。
とはいえ、これは観察研究でして、

 

  • 性的なメディアの影響で攻撃的になるのか、攻撃的な人に性的なメディア好きが多いかの因果関係は不明
  • このデータでは「セクハラ」なども性犯罪としてカウントしていて、結果が大きく出ている可能性が高い
  • 各国によって犯罪統計の方法が異なるため、変数のコントロールができていない

 

当然ですが、「性的なメディア」の解釈を広げると犯罪件数が増えてしまいます。だから、このメタ分析の結論だけで「性的なメディアが性犯罪を助長させる!」と断言することが難しいのです。

 

 

 

 

新しいデータでみてしまうと、「性描写は害悪だ!」と言いたくはありますが、断言できない以上は不明のままでしょうね…。

「性的なメディアのせいで性犯罪が増加した!!」なんて客観的なデータが得られていない以上は、規制するわけにはいきませんからね。というか、日本って爆発的に性描写が広まっているのに、逆に性犯罪が減少しているのがスゴいですよね(笑)!

なので、エビデンスもない以上、性犯罪抑止は親御さんや学校、周囲の大人による教育が一番でしょうね☆

 

 

【参考文献】
[Pornography and rape: theory and practice? Evidence from crime data in four countries where pornography is easily available]
[Title: The Effects of Pornography: an international perspective]
[Pornography and Social Ills: Evidence from the Early 1990s]
[A Meta-Analysis of Pornography Consumption and Actual Acts of Sexual Aggression in General Population Studies]

 

 

 

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