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相手の心を読むとき「相手の立場になって考える」ことが本当に正しいのか?

「読心術のコツは、相手の立場になって考えること!」
「相手の気持ちを理解するには、相手の立場に立つことが大切です」

というアドバイスを受けることがあるでしょう。
過去のブログでは、

 

 

なんてことを書いております。
よろしければ、そちらもお読みになっていただければ…。

 

「もし自分が相手の立場だったらどのように考えるか?」とイメージする方法は、「パースペクティブ・テイキング(視点取得)」などと呼ばれております。

たとえば、

 

  • もし自分が部下だったら、上司からどのように接してもらいたいか?
  • もし自分が友人だったら、どんなプレゼントが喜ぶだろうか?
  • もし自分が女性だったら、どんな場所に連れて行ってもらいたいか?

 

という感じ。
かなり有名なアドバイスですが、果たして『「相手の立場になって考える」ことが本当に正しいのか?』が気になるところ。
ひねくれものな僕からすると、この点についてはかなり知りたいものです。

 

 

「相手の立場になって考える」の正当性について

 

参考にしているのは、2018年に出た論文でして、25種類の実験から構成されています。
かなり多いので詳細は省きますが、大体の実験内容は以下のとおり。

 

  1. 被験者全員に様々な人物の動画を視聴してもらい「人物の立場になって考えてください」と指示する
  2. そのうえで「この人物は本当に笑っているか?」や「この人物は嘘をついているか?」などといった質問をしていき、その精度をチェックする

 

従来の考え方では、相手の視点に立つことで、より正確に相手の思考や感情を洞察ができると考えていたから、その妥当性を確認していこうというわけです。
その結果なのですが、相手の視点に立つことで自分の判断に自信が持てるようになり、自己中心的なバイアスが減少する効果は得られたものの、被験者の予測はおおむね正確ではないことがわかったそうな…。

なんでしょう、僕のひねくれた精神がむしろ正解だったわけです(笑)
研究者によると、

視点取得の弱点は、相手の視点を正確に想像できるかどうかに影響する。

病気に苦しむ、気持ちが落ち込む、職場での地位が低い、収入がなくなるなどといった状態がどういったことなのか実際に理解できないのであれば、相手の立場になったところで正確性が増すわけではない。むしろ、精度が下がる可能性もある

 

 

人の数だけ性格や価値観、思想、人生の経験などがあり、それらを含めて相手の立場になることなんて、ほぼ不可能です。なので、この結論に至るのは当然でしょうか。

「うんうん、あなたの気持ち、すごくわかる~~。。。」と言われても、「あなた、経験したことないでしょ!」っていう感じです。

ここで、正確に相手の立場になって考えるには、どうすればいいのでしょうか?
研究者は「相手の視点を取得(パースペクティブテイキング)するのではなく、相手の視点を獲得(パースペクティブゲッティング)するのがよい」とアドバイスしてくれています。

これは至極単純で、要は「なにを考えてるか、相手に直接聞きましょう!」という意味です。
研究者は

最初に相手の考えていることを聞く人は、聞かない人と比較して全体の齟齬が半分近くになった。
そして、相手の立場にになって考えた人と比較しても、それ以上の結果が得られた。

相手が何を考えているのか、何を感じているのかを正確に理解したいのなら、推測せずに直接尋ねてみるべきだ。

 

 

 

 

ということで、相手の立場になって考えるという、まわりくどいことをせずに直接聞く方が正確だということ!

当然ですが、直接聞けない状況や立場もありますし、なにより「相手の表情から感情を読むより相手の立場になって考える」方が正確だという話があります。その点で言うなら、「相手の立場になって考える」ことは、完全に意味がないというわけではありません。

ちなみに、この研究の著者はニコラス・エプリー氏という方で、読心術の研究をしてることで有名です。
こちらも読んでみると、理解が深まると思います。

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【参考文献】
[Perspective mistaking: Accurately understanding the mind of another requires getting perspective, not taking perspective.]

 

 

 

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