「会話が苦手な人のイメージは、コミュニケーション能力が低い」というものがあります。
独りでいる人もコミュ力が低い印象がありますが、どうやらそうでもないことがわかっています。
どうやら、会話が苦手な人ほど、実は他人の心を正確に読む能力が高いようです。
今回は『「会話が苦手…」な人ほど、実は高いコミュ力の持ち主』であることを説明していきます。
状況下による社交的能力の違い
これは2015年に出たフランクリン & マーシャル大学の実験でして、この実験ではまずは86名の学生たちにアンケートをおこない、被験者全員の普段のコミュニーケーション能力を計測していきました。そのうえで、全員に24枚の顔写真を見てもらい、それぞれの人がどのような感情を抱いているかを推測してもらったそうです。
その際、被験者は半分にわけられまして、
- 事前に「これは社交的能力を判断するテストです」と伝える
- 事前に「これは一般常識を判断するテストです」と伝える
といった2パターンの条件づけをさせたとのこと。
その結果、以下のような傾向が見られたそうです。
- 会話が苦手な人が「社交的能力のテスト」だと伝えられた状態で参加すると、社交的な人より成績は悪くなった
- 会話が苦手な人が「一般常識のテスト」だと伝えられた状態で参加すると、社交的な人よりも成績は良くなった
会話が苦手な人は決して他人の気持ちが理解できないわけではなく、状況によっては社交的な人よりも高い能力を発揮するわけですね。この傾向なのですが、これは2000年の実験でも確認されていて、やはり孤独な人ほど他人の感情を正確に読み取ることができたそうです。
つまり、会話が苦手な人や孤独な人たちは、高いコミュニーケーション能力を持っているのに、それを上手に使いこなすことができないだけだということです。
能力を上手に使いこなせない理由なのですが、これは単純にプレッシャーに弱いからです。
「上手に話さないと…!」と、失敗を恐れるが故に、話し相手の声や表情に集中しすぎてしまいます。
その結果、会話を先まわりしすぎたうえに、結局は考えすぎてしまい、会話がグダグダになる場合がおおくなるのです。
会話が苦手な人が、本来あるハズの能力を発揮するには、不安を減らす・プレッシャーを感じないようにするのが良いのかと。
とはいえ、むりやり気にしないようにすると、かえって気にしてしまうのが人間の心理。
あたりは、科学的に有効な感情コントロール方法なので、どうぞご活用ください。
純粋にコミュニケーションを楽しんでいってほしいものですね☆
【参考文献】
[Choking under social pressure: social monitoring among the lonely]
[Social Exclusion and Selective Memory: How the Need to belong Influences Memory for Social Events]