「子供は大人よりも学習能力が高い!」という通説がありますし、事実として、やっぱり子供の学習能力は高いですね。
今回は「どうして子供は大人よりも学習能力が高いのか?」について解説していきます。
この理由がわかれば、もしかすると大人も活用できるかもしれません。
どうぞ、よしなに♪
試行錯誤の繰り返しが学習能力を向上させる
これは2021年に出たカリフォルニア大学などの試験でして、64名の子供(年齢は4〜5歳)と87名の大人を招集し、それぞれに異なるブロックを機械の上に置くゲームをしてもらうように指示をしました。このゲームについてですが、これはプレイするごとにルールを理解できるように設計されており、さらに機械が光ると賞品をもらえるものの、機械が光らないときは2倍の損失になるような報酬システムが設定されています。
このゲームをしばらくプレイしてもらい、その様子を観察していったところ、子供と大人には以下のような差が確認されたそうです。
- ほとんどの子供たちは、最終的にルールを正しく理解することができたものの、大人は7割以上がルールを理解できなかった
- それに対し、子供たちが獲得した報酬は、大人たちよりも少なかった
つまり、子供は多く失敗して報酬の損失も多かったが、その恩恵として大人よりも最終的な知識の獲得量は多かったということです。
このことについて研究者は、
我々大人は、搾取されることに不安を感じて冒険を拒む、報酬を失うことを恐れて新しいことを学習する機会を逃すことがよくある。対照的に、子供たちは自然な探索者であり、情報のために報酬を犠牲にすることにためらいがない。どちらの考え方も重要だが、我々大人は、好奇心旺盛な子供たちから多くを学ぶことができるだろう。
大人は悪い結果が出た後、新しいものことを学ぶことに拒否反応を示してしまい、「世界はもっと複雑だ」ということを学ぶことができない。
子供は報酬など気にせずに、ドンドン試行錯誤を繰り返します。
そのせいで報酬はなくなってしまいますが、その代わりに、かけがえのない「世界の複雑さ」を手に入れることができるのです。
あくまでこれはラボ実験ですし、子供の勉強法には文化的背景の差が影響してることが多々あります。これが、どこまで日本で活用できるかは不明ですね…。
とはいえ、僕たち大人も、損得や見栄などを考えず積極的にチャレンジしていった方が良さそうではありますよね☆
【参考文献】
[Children are more exploratory and learn more than adults in an approach-avoid task]