孤独は、健康にとって避けたいところ。
過去のデータでも証明されているとおり、孤独を感じていると諸々の悪影響が出ることがわかっています。
そんな中、『世界中で強い孤独感を覚えている人が急増している』がわかっています。
そう考えると、孤独による健康への弊害が起きることが必至でしょう。
このトピックは、どうも見過ごすことができない内容ですね…。
年々増加している新成人の孤独感
これは2021年に出たメタ分析でして、先行研究から345件をまとめ、そこから得られた449件の回答をふくめ、最終的なデータセットには18~29歳の124,855名の独立した437件のサンプルが含まれていた内容です。研究期間は1976~2019年の間にかけて分析されていまして、規模としては超大規模かと思います。
孤独感を調査するにあたり、もっともよく利用されている「UCLA Loneliness Scale」を採用されています。
たとえば、「話し相手がいない」や「周囲には人がいるものの、一緒には行動することがない」といった文章にどれぐらい同意するかどうか評価しています。
分析していった結果、以下のような評価となりました。
- 世界中で新成人の孤独感が年々増加しており、それが2012年頃にはピークを迎えた
- 2012年以降のデータを収集した研究によると、それ以降の孤独感の増加は確認されず、この10年間は孤独感のレベルは比較的安定している
- アジアとヨーロッパの孤独感の変化についても、アメリカの変化と同じような傾向がみられた
この研究だけでは、世界的な孤独感の増加が年齢に関係なくすべての人の変化を表しているのか、それとも新成人特有の現象なのかは不明です。ですが、ひとまずの世界的な傾向としては起きているのかもしれません。
この研究で18~29歳に焦点を当てた理由ですが、この時期に孤独感がピークに達しやすいことが過去のデータから分かっていたからとのこと。
18~29歳は、自身のアイデンティティを確立して親密な人間関係を築くことが重要になります。人間関係を築くにあたり、「理想的な人間関係が現実と一致しない」状態に陥りやすいのが、この時期になります。自身が思い描いていた人間関係に齟齬が生じ、孤独感を覚えやすいという感じになります。
兎にも角にも、現段階では「世界的に孤独を感じている人が急増していて、それが悪い意味で安定している!」という結論です。孤独は健康を害するので、趣味を共有できるコミュニティに属するなり対処すると良いでしょうねぇ。。。