「自分はシャイだから、お酒の力を借りたい!」
…という感じでお酒を飲んで積極的にコミュニケーションを図ろうとする人がいます。
確かにお酒を飲むことで外向性があるように振る舞えますが、人間の本質は変わることがないことがわかっています(それどころか、抑えていたものが現れますからね…)。
今回は、マメ知識として「お酒を飲んでも人見知りは解決しませんよ~~」ということを解説していきます。
交流の場の振る舞いについて、参考にしていってください♪
シャイな人がアルコールを飲むことによる弊害
紹介する研究は、97名の参加者を対象に、シャイな人(人見知りや内気、恥ずかしがり屋といった感じ)とアルコール使用障害リスクの関係を調査したものです。
この研究で言うシャイな人は「シャイネス」と表現していて、意味としては「軽度な社会不安の状態」としています。以前の研究でも「社会的不安感が強い人ほどアルコール依存症になりやすい」ことがわかっていて、おそらく人見知りや内気といった性格特性も同様なのだろうと考えているそうです。
調査の内容ですが、参加者には交流会のようなものに参加するよう指示し、その上で全体を無作為に2つのグループに分けます。
- 自由にアルコールを摂取してもよい
- 終了までシラフの状態で交流を続けてもらう
この条件の元、調査開始時、実験中、実験の翌日に、参加者全員の人見知りレベル、不安レベル、二日酔いレベルなどを測定していきました。
その結果、以下のようなことがわかりました。
- たとえアルコールを飲んでも、シャイな人の社会的不安がなくなることはなかった
- 実験中にアルコールを摂取したシャイな人ほど、翌朝の二日酔いの際に不安感が現れる傾向が見られた
- 二日酔いの不安感があるシャイな人ほど、アルコール使用障害(AUD)の症状を示す可能性が高かった
この結果に研究者たちは、
多くの人が、コミュニケーションの不安を緩和させるためにアルコールを摂取することが有名だ。
しかし、この研究は、それが翌日に悪影響をおよぼす可能性を示唆しており、シャイネスが強い人ほど二日酔いと不安を多く経験する。これらの知見は、二日酔いによる不安が、アルコール使用問題(AUD)を発症する可能性を示唆している。
アルコールを飲んでも社交的不安が解消されないどころか、悪化するのは痛すぎる…。
人見知りなどのシャイな人は、不安増大といった深刻な二日酔い症状を経験しやすく、その悪影響でさらにアルコール使用障害リスクを高めてしまう危険性があるようです。もし交流会といった社交場に参加しないといけないなら、ある程度の準備をして望むのが吉でしょうねぇ…。
【参考文献】
[Shyness, alcohol use disorders and ‘hangxiety’: A naturalistic study of social drinkers]