メニュー 閉じる

検索練習とも言える「抜き打ちテスト」には効果があるのだろうか?

勉強やスキル習得の基本は、兎にも角にも「アウトプット」が大事!

その基本中の基本にして「とりあえず、この勉強法をしていけば良い!」という方法が、有名な「検索練習」です。脳に情報を入れようなんて考えず、ひたすらに脳から情報を出していくことが一番としています。そこで、性質上、検索練習とも言える「抜き打ちテスト」は効果があるのか?…っていうことが研究されていましたので、今回はそれを紹介していきます。

どうぞ、教育に携わる方々は参考にしていってください♪

 

 

「抜き打ちテスト」の効果について

 

これは2015年に出た調査でして、研究者が心理学の入門コースの3つのセクションを担当し、それぞれのセクションでは、以下のように微妙な変更を加えております。

 

  • 最初のセクションでは、抜き打ちテストをおこなわない
  • 2つ目のセクションでは、採点のある抜き打ちテストを6回おこなう
  • 3つ目のセクションでは、採点のない抜き打ちテストを6回おこなう

 

この調査で研究チームは、単純な抜き打ちテストの効果をチェックするのではなく、「テストの成績評価の有無でも結果に変化が現れるのでは?」と考察しています。

 

結果ですが、

 

  1. 採点のない抜き打ちテストをおこなった学生の期末試験の平均点はB-だった
  2. それに対し、他の2グループの学生の期末試験の平均点はCの中~上位の成績だった

 

つまり、抜き打ちテストには効果はあるものの、成績の評価が加わると効果がなくなるようです。

この期末試験では、出題範囲は同じものの、抜き打ちテストに出た問題は採用されなかったそうです。
だとしても、採点のない抜き打ちテストは学生の成績を上げたのは、確かな効果だと思います。今回の結果のように成績に差が生まれた理由は明確ではないものの、この調査では学生たちのストレスレベルもチェックしていまして、以下のような差が確認されております。

 

  • 採点のある抜き打ちテストを受けた学生の主観的不安レベルは平均4.20
  • 採点のない抜き打ちテストを受けた学生の主観的不安レベルは平均2.96

 

大きな差であるとは言えないと思いますが、「採点に伴うストレスによって、効果のある練習でも効果が下がってしまう…」かもしれませんね。もし、これを実際の現場で実践していくのなら、

 

  1. 教育に携わっているものや指導者は、検索練習の一環として抜き打ちテストをしても良いが、その結果を評価に反映させない方が良い
  2. 自主練として採用するなら、定期的に、自身に抜き打ちテストを積極的に取り入れて良いかもしれない

 

っていう風にすると良いでしょう。
独学なら、②のようにセルフモニタリングとして自身に課題を課すのは良きかと☆

 

 

【参考文献】
[Ungraded Pop Quizzes: Test-Enhanced Learning Without All the Anxiety]

 

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です