この数年で、オンラインによる心理療法セラピーが増えてきました。
特に認知行動療法が多くみられ、Zoomなどを通して患者様とマンツーマンでおこなわれるケースがあります。患者は直接病院などに行く必要がありませんし、カウンセラーも場所を選ばずにカウンセリングできるのが良いですね。…で、気になるのは、「オンラインセラピーって、実際に効果があるのかな?」というところ。対面は空気感があってなんとなく良い気がするのですが、オンライン上だとどうなのか?…って感じです。
カウンセラーも患者様も、どうぞ参考に♪
オンラインセラピーと対面による効果の違い
これは2022年に出た系統的レビューでして、内容としては、デジタルを用いた認知行動療法(CBT)の有効性を確認するために分析したものとなっております。11,854名の患者を含む106件の研究のデータをまとめて分析したなので、精度としては良質な結論となっております。
具体的な内容は複雑なので大きな結論を述べますと、「デジタルと対面式の両セラピーを受けた患者の年齢、うつ病の重症度、処方薬などの特徴を考慮してデータを分析した結果、デジタルセラピーと対面式セラピーの効果に有意差はなかった」とのことです。
認知行動療法はほとんどがシステム化されている手法で、どちらもメンタル改善の効果に違いがなく、ほとんど同じと言ってよいでしょう。よって、オンライン上でも十分な効果が出せるので、対面式にこだわりをもつ必要がないでしょうね!
ただし、オンラインセラピーにも欠点がありまして、それが「対面式セラピーよりも患者がカウンセリングを欠席する可能性が高い」ってところだったそうです。直接赴くこともなく、対面することもなく気楽に参加できるので、そのときの気分でサボりやすいのでしょう。
この点を考慮すると、しっかり治したいと願うなら、治療家目線で言うのなら対面式にこだわった方が良いのかもしれません。
患者様目線なら、「カウンセリングを受けたいけど、ちょっと不安…」といった場合はオンラインセラピーから始めるのが良いでしょうね。オンラインでも効果が同じなら、オンラインから始めていき、次は対面式にするっていう手順が良いのかな?って感じです☆
【参考文献】
[A systematic review of digital and face-to-face cognitive behavioral therapy for depression]