スポーツにせよビジネスにせよ学業にせよ…。
目標設定は重大なポイントの1つです。
自分の成すべきことに向かうためには、キチンと目標設定を決める必要があります。そうすることで、道に迷わずに突き進むことができます。そこで、今回は『僕らのパフォーマンスを最大化させる「正しい目標設定」』について解説していきます。
参考にしている研究はスポーツメインなので、スポーツマンにはぴったりだと思います。また、内容的にビジネスや学業にも応用できそうですので、そういった方々もどうぞ♪
パフォーマンスが向上する正しい目標設定
これは2022年に出たメタ分析で、過去の研究から27件をピックアップし、参加者数の合計1,764名を基に「スポーツのパフォーマンスが向上する正しい目標設定」を導きだしてくれています。取り扱われたスポーツについてですが、
- ダーツ
- ゴルフ
- バスケットボール
- 水泳
- サッカー
- ランニング
etc.
などでして、幅広いスポーツに対する目標設定の有用性をチェックしてくれています。
分析していった結果なのですが、まず全体の結論としては、「目標設定はスポーツのパフォーマンス改善」に中レベル(d=0.47)の正の効果が見られたそうです。大きく言ってしまえば、「目標設定は効果がある」ということです。
ここからが本題なのですが、「どのような目標設定がパフォーマンス改善につながるのか?」を分析していくと、「他のすべてのタイプの目標(パフォーマンス、アウトカム、マスタリー、エゴ)よりも、プロセス目標がパフォーマンス向上において優秀である」という特徴があったそうです。
先に、各目標の説明をしていきますと、
- パフォーマンス目標:目標の達成に必要な数値の改善を目的にする目標。ex)短距離走のタイムを0.2秒縮めるなど
- アウトカム目標:結果に焦点を当てる目標設定。ex)甲子園で優勝する
- マスタリー目標:自己の能力改善に特化した目標設定。ex)ベンチプレスで100kg持ち上げる
- エゴ目標:他人に勝利することを中心とした目標設定。ex)ライバルの○○に勝つ
これらの目標設定も一定の効果があるのですが、プロセス目標と比較すると効果が低い感じ。
では、肝心のプロセス目標の説明ですが、それは「特定の目標ではなく、そこに到達するために必要な道筋に注目した目標」のことです。例を挙げるのなら、もっと野球のバッティングを上達させたいならば、「1週間に1時間多めに練習してフィードバックしてもらう」ということがプロセス目標になります。
プロセス目標以外では、どれもセルフコントロールができないところがあります。
他の目標設定だと自分以外の要素が絡んできますので、失敗のリスクも高くなります。その一方で、プロセス目標は自分のさじ加減次第なので、モチベーションを高く保ちやすいのでしょう。
また、このメタ分析では「正しい目標設定」以外にも有効な見識が得られています。
- 短期目標は長期目標よりもパフォーマンスが上がりやすい。短期目標と長期目標を組み合わせた場合は、わずかながら効果量が上がる。
- 目標設定の効果は初心者・未経験者のほうが特別大きく、ベテランへの影響は大きく低下する。その影響は、およそ効果が2.5倍ほどの差がある。
- 進捗状況のフィードバックを受ける場合についても、パフォーマンスが大きく向上した
- 参加者が自身で目標設定をするよりも、研究者と参加者が共同で目標を決定した方が効果が大きくなった
- 何かを避ける目標(「練習にサボらない」など)よりも、何かに近づく目標(「睡眠時間をしっかりと確保する」など)の方が効果は大きい
メンタルについては、
- プロセス目標は、一般的に自己効力感、内発的興味、満足感を高める
- パフォーマンス目標は一般的に不安症状を減らし、自信、努力へのモチベーション、満足感を高める
- マスタリー目標は、しばしば不安症状の軽減と関与の増加に効果がある
以上のことから、この研究による「正しい目標設定」の結論は、以下のとおりになると思います。
- 目標設定は、基本的に「プロセス目標」にする
- 1週間~1ヶ月の短期目標で目標を立てる
- もしコーチや参考になる仲間がいる場合は、その人たちの意見も取り入れながら目標を決定する
- コーチなどから定期的にフィードバックをもらう、自分自身で進捗状況を記録するなどをして、定期的に目標を見直す
- プロセス目標を設定する際は、「何かに近づく」目標にする
僕の場合、目的を設定して大きな目標を立て、そこからドンドン細かくしていくので、やり方に間違いがなかったんだな!…って感じです☆