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子供のときにいじめを受けていた人は、大人になるとどうなるのか?

いじめはよくありません。

いじめは、人の心に深い傷を残します。
その心の傷は、大人になってからどのような影響をおよぼすのだろうか?

今回は、「子供のときにいじめを受けていた人は、大人になるとどうなるのか?」について解説していきます。心のケアに携わっている方々は、どうぞ、参考にしていってください。

 

 

子供時代のいじめ体験による成人時の影響

 

これは2022年に出た調査でして、内容は、5,405名の参加者を集め、1989年の時点でみんながいじめの被害にあっているかどうかをチェックし、両親と教師からも同様の情報を集めていきます。そして、2012年にフィンランド国家警察からデータを集め、参加者が暴力犯罪をした割合を調査していきます。

つまり、この研究チームの考察は、「いじめ被害者は、成人後に暴力犯罪をする傾向にあるのではないか?」ということですね!

 

調査の結果ですが、

 

男性の場合

いじめ加害者といじめ被害者は、両者とも暴力犯罪の傾向が高かった。
いじめをしなかった男性の暴力犯罪率が10%程度だったのに対し、いじめの被害者は24%だった。

 

 

女性の場合

第一に、重大な暴力犯罪を起こした者がほとんどいないため、いじめとの相関性を把握するのは不可能だった。
統計をとるためのサンプル数が少なく、今回のデータでは明確な結論を出せない。

 

 

当然ですが、「いじめに関わった人が必ず暴力犯罪を起こす!」ということではありません。
幼少期に負った心の傷の影響は大きく、それが暴力性の引き金になりやすいという結論です。

英語圏には「傷ついた人が人を傷つける(hurt people hurt people)」という言葉があり、今回の結論と合致してしまったところです。日本の社会でも「自分が受けた仕打ちを、別の誰かに同じような仕打ちをする」ことがありますので、いじめと暴力性は関係が深いんですね…。

 

 

【参考文献】
[Bullying at 8 years and violent offenses by 31 years: the Finnish nationwide 1981 birth cohort study]

 

 

 

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