実のところ、肥満とうつ病の関係性については、以前から言われていた問題なのですよ。
理由については解明されていないのですが、いままでのデータから「肥満になると、うつ病リスクが55%上がる」とされています。そして、今回は、「太ったからうつになる」のか、それとも「うつになったから太る」のか…、について深掘りしていきます。
基本的に肥満そのものがリスクばかりなので、気をつけたいものです…(汗)
肥満と心理的健康の関係性
これは2023年に出たメタ分析で、539件の異なる研究を調査し、ここから8つのメンデルランダム化研究を再検討したものとなっております。
メンデルランダム化とは、遺伝情報をもとに因果関係を求める方法です。
これは、学校で習った「メンデルの法則」を利用したもので、簡単にまとめると、遺伝子情報の個人差を使って原因を特定する方法です。たとえば、「日本人の大腸がんについて」という議題があったとして、一般人の日常生活を見てみると、
- 喫煙
- 飲酒
- 肥満
といったものは、大腸がんのリスク増大の要因となっていて、こういった複雑な要因があります。日本人は、がんの罹患数では大腸がんが最も多いものの、複数の要因があっては、「日本人は、大腸がんになりやすい!」とは断定しにくいものです。そこで、“肥満”を取り上げたとして、ゲノム情報で予測されるBMIを用いて、大腸がんリスクを比較します。ゲノム情報で予測されたBMIの高い集団と低い集団の間で背景因子が均等になるようにし、観察することで大腸がんと肥満の因果関係を調査する…という感じです。こうした方法でのメタ分析ですので、現段階での結論としては、十分な効力を持っていると言えます。
ちなみに、日本人の場合、大腸がんと肥満の関係は「BMIが増加するに従い、大腸がんリスクが増大していく」みたいです。
話を戻して、肝心のうつ病と肥満の関係性についての結論は、以下のとおりです。
- 肥満はうつ病の危険因子であり、その確率を33%増加させる。
- 世界でうつ病が増大しているが、その理由の一部は肥満の増加が原因だと推定されている。
- 1990年代以降の肥満とうつ病のデータを調査したところ、肥満は心理的健康の低下の半分を説明できる可能性がある。
つまり、うつ病の結果により肥満になるのではなく、肥満がうつ病を引き起こす原因である可能性が高いというてことです。
肥満は体内の炎症の原因なので、脳にダメージを与えてしまうので、納得の結論と言えますね。運動だけでは痩せませんが、メンタル回復をメインに運動をして身体を絞っていった方が良いかと思いますなぁ~~…☆