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「ネットいじめ」をする人の特徴について深掘りしていく…

ネットいじめが過去最多となった昨今、インターネットが普及していき、オンライン上で知り合いや赤の他人を積極的に攻撃しております。

これは世界的に広がっており、一説では、日本が世界トップで陰湿なネットいじめをおこなっているんだそうな。2022年度の文部科学省「児童生徒の問題行動・不登校調査」では、いじめとして認知された(“あくまで”わかっている範囲での話…)計約68万件のうち、「パソコンや携帯電話等で、誹謗中傷や嫌なことをされる」は2万3920件に上り、過去最多を更新したんだそうです。全体に占める割合は3・5%であるものの、高校では16・5%で2番目、中学校では10・2%で3番目に多く、インターネット上のいじめが大きな課題となっているようですね。

ちなみに、2022年度の小中高校生の暴力行為は、過去最多の9万5千件となり、これは20年前の2.8倍になるんだそうです。

 

当たり前ですが、これは10代に限った話ではなく、20代以降の立派な大人(?)でもみられている問題です。今回は、「ネットいじめ」をする人の特徴について深掘りしていきます。社会問題になっているネットいじめをする人のことを理解し、対策していくのが最適かと思いますので、どうぞ参考にしていってください!

 

 

「オンライン脱抑制効果」によるネット上での攻撃性

 

これは2023年に出たアレクサンドル・イオン・クーザ大学による調査でして、まず、主筆のマフテイ氏は、ネットいじめの定義を「他者を心理的苦痛を与える為にデジタル技術を意図的かつ反復的に使用すること」としています。この調査がおこなわれたルーマニアでは、世界でも特にネットいじめが多く発生しているとされているようです。

この調査では、研究チームがネットいじめの原因を突き止める為に、「オンライン脱抑制効果」という心理現象に焦点を当てて研究を行っております。これは「ソーシャルメディアなどでコミュニケーションをとる際、自制心が効かなくなってしまう現象」を意味しており、オンライン上で威圧的になったり、他者に攻撃的になったりするような人に起きていると考えられる心理現象です。

 

この調査でのサンプルは、19 ~ 66 歳のルーマニアの成人 385名 ( M  = 28.35、SD  = 11.22、 女性 76.62%)で構成されていて、まずは、参加者全員に「ネットいじめ質問票」を実施します。この質問の項目には、次のようなものがあります。

 

  • 誰かの写真や画像を共有して、その人をからかったことがある。
  • 自身がメンバーであるオンライングループから誰かが排除されたときに、自分もそうなるのではないかとしか思わなかったた。

etc.

 

この研究では、誰かを直接的にいじめるだけではなく、他者の苦境を傍観する姿勢も「いじめの一種」とみなしております。現実のいじめでも、傍観者の対応が被害を拡大することは十分にありますので、妥当なカウントだと思います。

そして、参加者の「オンライン脱抑制効果レベル」をチェックするために、研究チームは以下のような文章に同意するかどうかで評価します。

 

  • オンライン上では、匿名であるため、他者を侮辱するようなことを投稿しても気にならない。
  • オンライン上では、相手との関係を継続する意思がなくなったら、いつでも関係を終了することができる。
  • オンライン上では、たとえ良くないことをしたと思っても、それほど大きな罪悪感を抱くことはない。

etc.

 

上記のデータと実際にネットいじめをおこなったことがある人たちの心理を調査したところ、次のような結果となりました。

 

  1. 「オンライン脱抑制効果」レベルが高い人ほどネットいじめをする傾向にあった。ただし、傍観者に関しては、そのまま自身もネットいじめに加担するケースは少なかった。
  2. 傍観者は「感覚的な刺激を求める」性向が強く、これがネットいじめの放置につながる可能性がある。要するに、受動的ネット傍観者は、「いじめっ子による有害な刺激を味わいたい!」という強い欲求を抱いている。
  3. ネットいじめをする人たちは、自身が抱いているネガティブな感情を抑制できなくなり、オンライン上で他者に有害な行為をし始めるケースが多い。

 

上記のことから、ネットいじめをする人々は、自分の中に溜まったうっぷんなどのネガティブな感情を晴らすため、他人を自分と同じな思いにしてやろうとしているようです。そして、暇な傍観者は、それを見て普段では味わえない有害な感覚を娯楽として楽しんでいる!…っていうことですね。結論としては、「自分は不幸なのに、相手は幸福なのは許せない!自分が不幸なのだから、相手も同じように不幸になれ!」という心理でしょうな…。

もちろん、ダークトライアドのような、いわゆる“ヤバい人”のような純粋な悪意によるものもありますが、基本的に「不幸の連鎖」がネットいじめの根底にあると思われます。

 

 

 

 

研究チームは、

ネットいじめを防止する最善の方法は、加害者の中に存在する、いじめを助長するような苦痛の感情に対処することだ。

 

 

としています。
「止めろ!」と強制するよりも、どうにかして加害者の心の傷を癒すことが大切なのでしょうね。「押してダメなら、引いてみろ」な感じで、労わってみると、思いのほか上手くいくのかもしれませんね☆

今回の知見をまとめると、

 

  1. もし、自分がネットいじめの被害者である場合、「オフラインで嫌なことがあり、その憂さ晴らしのターゲットが自分になったんだな…」程度に留めておき、「自分が何か悪いことをしたのだろうか?」とは考えない(基本的に、どんなことでも言いがかりをつけることができますからね)。
  2. 事態が悪化することを避ける為に、前向きなサポートをしてくれる人(弁護士など)に相談するか、その相手を完全に無視するか、もしくはネットいじめの心の傷を癒してみる(心得があるならやってみてもいいかも)。
  3. 自分がネットいじめの加害者である場合(いじめの自己認識がなくても、特定の相手をオンライン上で攻撃している場合)は、一度自分の心情に耳を傾け「自分は今、ネガティブな感情にとり憑かれるのでは?」「自分は今、心に傷を負っているのでは?」と考えてみる(自分の心と向き合うのは難しいですが、やってみる価値があると思います)。
  4. 自分がネットいじめの傍観者であるなら、「自分は有害な刺激を求めているだけだ!」「この感覚的な刺激は、ギャンブル中毒な人と同じだ!」と自分をなだめ、被害者の幸福を守る行動を積極的におこなう(一説だと、この心理は昔の公開処刑を見ている市民も、娯楽として同じ心理をもっていたみたいです)。

 

という風になりそうです。

 

 

【参考文献】
[文部科学省:令和4年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果及びこれを踏まえた緊急対策等について(通知)]
[文部科学省:児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査]
[Toxic sensation seeking? Psychological distress, cyberbullying, and the moderating effect of online disinhibition among adults]

 

 

 

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