投稿日が『母の日』ですので、ここは1つ、プレゼントの選び方についてお話をしていきます。
正直なところ、ブログを書く時期を思いきり間違えていました…。
本当にごめんなさい(汗)。
そこで、今回は「科学的に正しいプレゼントの選び方」について解説していきます。
家族や友人、恋人、仕事相手など、プレゼントを贈る機会があるでしょう。
そのとき、どのように選べばいいものなのか?
主に、家族や友人にプレゼントを贈ることに重きを置いてお話していきます。
≪Contents≫
家族や友人にプレゼントを贈る際の選び方
基本的に、相手が喜びそうなものを選びがちですが、それとは反対に「別に相手のことを考える必要はない」という意見を出している研究があります。
サイモンフレーザー大学の論文で、100名以上の学生に、iTunesで好きな曲を友人に贈るように指示をした実験があります。
この実験では、参加者を以下の2つのグループに分けて友人にプレゼントを贈ってもらいました。
- 自分の趣味を基準に曲を選ぶ
- 相手の趣味を基準に曲を選ぶ
結果ですが、より親密さが増したプレゼントの選び方は、自分の趣味を基準とした曲を選んだグループが大多数でした。
こういった現象が起きる理由は、自分の趣味を基準に選んだプレゼントには「自己開示」の要素が含まれているからです。自己開示は心理学の用語で、自分の情報を相手にキチンと伝えることを意味しております。
自己開示が上手にできる人ほど、コミュニケーションスキルが高いとされています。
もうひとつの実験で、78名の参加者に母の日のカードを選んでもらったというものがあります。
こちらでも同様の結果が出ており、母親の趣味に合わせたカードを選ぶよりも、送り手である自分の趣味を基準にしたカードを選んだほうが、好感度が高くなったそうです。
家族や友人にプレゼントを贈る際に大事なのは、あくまでも自分という等身大を包み隠さずに選んだプレゼントだということです。
見栄や自慢、センスのアピールなどが含まれていると、自己開示にはなりませんので、ご注意ください。
プレゼント選びに失敗しないコツ
カーネギーメロン大学の研究で、過去に行われたプレゼント研究をまとめたレビュー論文があります。
過去のデータを調査していったところ、プレゼントの失敗には7つの要素があることがわかりました。
大まかな要素をピックアップすると、以下のとおりとなっております。
- プレゼントを贈る側は、どうしても相手が驚く瞬間を見たいと思い、日用品や服のような「モノ」を選ぶ傾向にあります。しかし、プレゼントを受け取る側は、実際はレストランの招待券やコンサートチケットのように、「体験」につながる贈り物を喜ぶ傾向にあります。
- プレゼントを贈る側は、ずっと使えるプレゼントよりも、すぐに楽しめるようなプレゼントを選ぶ傾向にあります。しかし、プレゼントを受け取る側は、その反対を好む傾向にあり、たとえば、多くの人は「完全に咲いた花束」をもらうよりも「まだツボミの状態の花束」を好みやすいとされています。
- プレゼントを贈る側は、思い出の旅行先で見つけた置物など、プレゼントに自分のセンスや意志といったものを込める傾向にあります。しかし、プレゼントを受け取る側は、プレゼントに込められた意味などには興味がありません。
- プレゼントを贈る側は、相手へのサプライズを重要視する傾向にあります。しかし、プレゼントを受け取る側は、前もって何をもらえるかを知らされていたほうが喜ぶ傾向にあります。
- プレゼントを贈る側は、高価な贈り物ほど「配慮がある」と考える傾向にあります。しかし、プレゼントを受け取る側は、値段で相手の配慮の度合いを測ることはありません。
- プレゼントを贈る側は、「自分が相手のことをどれだけ知っているか」を示す贈り物を選ぶ傾向にあります(相手がよく利用している店の商品券など)。しかし、プレゼントを受け取る側は、Amazonのギフトカードのように、もっと幅広い商品が買えるものを好む傾向にあります。
- プレゼントを贈る側は、どうしても見た目がよいものを選び、使いやすさなどは深く考えない傾向にあります。しかし、プレゼントを受け取る側は、見た目よりも使いやすいほうを好む傾向にあります。
といった感じです。
簡単にまとめると、プレゼントを贈る側と受け取る側で、感覚に食い違いがあるから失敗してしまうというわけです。
この失敗を基に、成功するプレゼントの贈り方が以下のとおりとなっております。
もし、無難なプレゼントを選ぶなら、どうぞ参考にしてください!
- モノよりも「体験」につながるもの
- 高価なものよりも、ずっと長く使える実用的なもの
- ギフトカード
- 事前に何がほしいかを聞く
どうしてもプレゼントが決められないときの最終手段
いろいろ考えた結果、どうしてもプレゼントが思いつかないときがあります。
そこで、最終手段となるプレゼントをご紹介していきます。
これは、いわば前述に出てきたギフトカードに通じるものがあります。
2011年に出た論文によると、様々な商品と比較した結果、残念なことに現金が一番の人気だということがわかりました。
2018年のシカゴ大学の論文でも、やはりプレゼントを贈る側と受け取る側で食い違いが生じていることがわかっています。
この実験では357名の参加者をプレゼントの贈り手と受け手に分けて、
- 参加者全員に「個人名(受け手の名前)が入ったマグカップ」と「機能的なマグカップ」の2つを見せる
- 自分なら、どちらのマグカップを選ぶかを決めてもらう
その結果が以下のとおりです。
- 送り手は短期的な思考(インパクトやサプライズなど)を基に、「これを贈ると喜ぶだろう」と思う傾向にあった。
- 「受け手」は長期的な思考(実用性や機能性など)を基に、「どうせもらえるのならずっと使えるものが良い」と思う傾向にあった。
前置きはここまでにして、この研究では大規模なオンライン調査もおこなっていて、「いままでもらったプレゼントの中で本当に嬉しかったものはなんですか?」と尋ねたそうです。
その結果、この研究でも現金が一番うれしかったとのことです。
本も現金同様にうれしかったそうですが、個人的な感想を交えるなら、確実にいくなら現金が一番だと言えます。
基本的には、自分の趣味を基準に実用的で長く使えそうなものが良いでしょうね。
あとは、物質的なものの他に、体験できるものを贈る(招待券とか)のも無難といえます。
それとなく、贈る相手に「いま、何かほしいものとかってある??」って聞いてみるのも良いでしょう。
ここで紹介したものは、主に家族や友人にプレゼントを贈ることを前提にしています。
さすがに仕事の取引先に、ギフトカードや現金をプレゼントを贈るのは変かもしれません(賄賂っぽいし)。また、男女間において、恋の駆け引きになってくると話が違ってきます。
そのへんは、おいおい話していきますね!
【参考文献】
[Give a piece of you: Gifts that reflect givers promote closeness]
[Why Certain Gifts Are Great to Give but Not to Get: A Framework for Understanding Errors in Gift Giving]
[Give them what they want: The benefits of explicitness in gift exchange]
[The Smile-Seeking Hypothesis: How Immediate Affective Reactions Motivate and Reward Gift Giving]