主にスポーツの世界のことなのですが、以前から『セルフトーク』というメンタルテクニックがあります。
某有名な元テニスプレーヤーの方の「できる!できる!」みたいなものが、まさにセルフトークの代表みたいなものです。スポーツ以外にも、たとえばダイエットだと「あたしなら、やせて可愛くなれる!」と自分に語りかけて鼓舞するという方法もとれるわけです。
なので、覚えておいて損はない技法だと思っています。
今回は、そんなセルフトークについて、深く掘り下げていこうかと思います。
人間、たまには気落ちするときがあるものです。
自分なら自分の気持ちを意図的に高めることができますので、試しにやってみてはいかがでしょうか??
思いのほか、イケるもんですよ☆
場面別セルフトークの方法
参考にしているのはテッサリア大学の調査によるものでして、過去のセルフトーク研究から質が高い32件のデータを選抜したメタ分析です。
質の高いデータによるメタ分析なので、かなりの有効性をもっているありがたい調査となっております。
「セルフトークで、本当に運動のパフォーマンスが向上するのか?」という問題について調べてくれていて、セルフトークを使う状況も解明してくれています。
まず、セルフトークには2種類ありまして、以下のものがあります。
- 意欲的セルフトーク:「やってみせる!」や「自分なら大丈夫だ!」といった、自分のモチベーションを上げる内容。
- 指示的セルフトーク:「左手はそえるだけ…」といった、やるべき課題を明確に言葉にする内容。
結論ですが、セルフトークそのものの効果量はES = .48とキチンと効果が実証されました!
大きな効果ではないものの、手軽な方法で実践するには十分な方法だと言えます。
とくに、2つのうち効果が高かったのは『指示的セルフトーク』だったそうです。
このセルフトークを活用したアスリートは集中力や注意力が向上し、プレッシャーにも耐性がついたようです。
意欲的セルフトークですが、こちらはあまり効果的ではない!…というわけではありません。
マラソンのようなグロスモータースキル(粗大な運動能力)では、十分な効果を発揮するようです。気合いがや精神論が求められるときは、こちらが良いのではないのでしょうか??
では、正しいセルフトークの使い方とはどういったものか?
運動以外にも、ダイエットでもセルフトークを活用して目標達成にたどりつくことができます。
以下の手順を辿り、上手にセルフトークを使いこなしていきましょう!
■1.タスクの種類を考える
自分がおこなう作業が、細かいスキルや知識などが必要なのか?
それとも、気合いが必要なのか?
スキルや知識などが必要だったら、そのときは「指示的セルフトーク」を活用し、気合いが必要なら「意欲的セルフトーク」を活用しましょう。
■2.タスクのポイントを考える
「指示的セルフトーク」が必要な場合は、
- 「自分が改善したいポイントはどこだ?」
- 「自分が失敗してしまうポイントはどこだ?」
- 「達成の弊害になっているポイントはなんなのか?」
といったように自問自答していき、自分が達成したいポイントを具体化していきましょう。
「意欲的セルフトーク」が必要な場合は、
- 「自分のやる気を掻き立てるものはなんなのか?」
- 「自分が良いパフォーマンスをしたい理由はなんなのか?」
- 「自分の目標が達成できたら、どんなことがおきるのか?」
といったように自問自答していき、自分のモチベーションが上がるポイントを具体化していきましょう。
■3.セルフトークを決定する
ここまでの質問で出した答えをもとにして、セルフトークの内容を決定します。
スポーツを例に出しますと、表情がすぐに出て対戦相手に自分の心情がバレるのが問題なら「ポーカーフェイスを徹底しろ!」が正しいセルフトークかもしれません。また、試合に勝つことで名声を得ることがモチベーションなら「あと少しで、自分の名が世界に轟く!」が正しいセルフトークかもしれません。
いずれにせよ、自分の目標を達成するには「具体的な方法」なのか「モチベーションを上げる」なのか、それに沿って自分に語りかけること大事です。
僕自身も、けっこう心の中で「どうすればいいのだろう?」や「○○したい・なりたい!」ということを語りかけています。
わかっててやっているというよりは、いつの間にかクセのようにセルフトークをしています。
確認作業をしないと気が済まない性分でして、これをしないと落ち着かないんですよね(たまに忘れますが汗)。
タダで手軽に、ササッとそこそこの効果が見込めますので、ダイエットなどでつまづきそうなら、やってみてくださいませ♪
【参考文献】