僕なんかは、レビューやらSNSやらは、あくまでも参考程度に留めておきます。
大体は、身近でつながっている人に聞いて評判の良いところや商品を選ぶ感じになります。
今回なのですが、「オンラインのレビューは、まったく当てにならない!」ということを解説していきます。大抵がサクラだったりアンチだったりするものだと認知されていると思っているのですが、論文をもって、改めて知識を蓄えてください。
リテラシーの強化に役立ててくれると幸いです♪
客観的な評価とオンライン上の評価の差異
これは2016年に公開されたワシントン大学などの研究でして、Amazon.comの120の製品カテゴリーを調査し、1,272の製品を選びだし、これをもとにして、合計344,157のオンラインレビューを集めました。さらに、コンシューマー・レポートという製品評価サイトから客観的な品質評価を収集します。
これに加えて、価格やブランドイメージ、中古品市場におけるリセールバリューといった別の情報源を集め、Amazonレビューと照らし合わせていったそうです。
その結果、
- オンラインレビューの評価の平均値とコンシューマーレポートの評価の相関は低かった。これは、オンラインレビューはあてにならないことを意味している。
- ユーザー評価の高い製品が、ユーザー評価が低い製品よりも客観的に良い製品である可能性は、わずか57%しかない。
- レビュー評価が星1つ分だけ離れた製品を比較した場合、星が多いほうの製品をコンシューマーレポートが好意的に評価したのは、約2/3に過ぎなかった。
- ユーザーの平均評価は、中古品市場でのリセールバリューも予測できなかった。
基本的に、オンライン上の評価と実際には、大きなかい離があることが明確です。
オンライン上で「この商品サイコー!」ってコメントがあり、実際に買ってみても「なんだコレ!?」みたいなケースがけっこうあり、約4割くらいはハズレを引くイメージです。
星4つの評価の製品と星3つの製品を比較しても、星1つ分キチンと優れているのは約65%と安心できません。実際に売りに出しても、オンライン上の評価と合致していないケースが多々あり、オンラインレビューを書いている人に、製品の正当な評価ができる人はいないと思った方が良いでしょう。
オンラインレビューが当てにならない理由は不明ですが、ワシントン大学などの研究チームによると、
ユーザーの推薦は、あまり参考にしないことを奨励する。
世間の評価は、不完全な状況で製品を評価する、不完全な人々の小さなバイアスから生まれていることを認識すべきだ。
実際に過去のデータを参考にすると、
- ノースウエスタン大学などの2014年研究によると、オンラインレビューを書く人物は、平均的な消費者よりも異なるサイズの商品を買い、返品率が多く、若年層で富裕層でなはく、値下げ商品を購入する確率が50%高く、一般人よりも4倍以上の商品を購入している。また、オンラインレビューを書く人の数(=サンプル数)そのものが少なく、全体の約1.5%しかないとのこと。つまり、オンラインレビューは、1000人中15人しか書かなく、さらには一般からかけ離れた思考を持っているため、平均的な意見が反映されない場合が多い。
- さらには、実際に購入していなければ使用もしていない商品をレビューする人も多い。チームの計算では、その割合は15人中1人であり、これもまたレビューの信頼性が低い原因になっていると思われる。ただし、大体の消費者は、このようなレビューを見抜くのが苦手で、簡単に鵜呑みにしてしまいやすい。
- 旅行サイトを対象にした2017年の研究では、125,076件のオンラインレビューを調査した結果、好きな人と旅行している人ほど肯定的なレビューを書き、一人旅やビジネスでの旅行では否定的な意見が多くなる傾向があった。
そもそもサンプル数が少なく、書く人が特殊な人だから、オンラインレビューが信用できない…と。
それに、使ったことも体験したこともない嘘つきが適当なことを書きますし、商品を利用したそのときの感情のままに書いてしまうから、なおさら実際から遠ざかりますね。
では、そのオンラインレビュー対策はどうすればいいのかというと、研究チームは「星3つのレビューが良い!」とオススメしております。チームによると、星3つのレビューは、星5つや星1つよりも評価の仕方が安定していて、詳細かつ正直な評価である可能性が高いそうです(僕も、なんとなく星3つは信用できるなぁ…って思っています)。
大体において人間は極端な評価をしがちなので、定番の「中庸が大事」なのでしょうね☆
【参考文献】
[Objective vs. Online Ratings: Are Low Correlations Unexpected and Does It Matter? A Commentary on de Langhe, Fernbach, and Lichtenstein]
[Reviews without a Purchase: Low Ratings, Loyal Customers, and Deception]
[Which group do you want to travel with? A study of rating differences among groups in online travel reviews]