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不眠症を治すにはタイプにあった対処法が必要です

不眠症で悩んでいる方が、けっこうなほど多い…。

僕も鍼灸整体師なもので、不眠症のクライアントの施術依頼を受けることがあります。
東洋医学の場合は、各人の自然治癒力に働きかけるので万能とはいえます。
しかし、それでも効果には個人差がありますので、多少の時間がかかってしまいますね…。

 

不眠症は、もはや一般的な健康問題です。

人口の1/3が睡眠障害で悩んでいると主張し、人口の約10%が不眠症の診断基準を満たしています。
不眠症は2番目に多い精神障害であり、うつ病の主要な危険因子です。できるだけ速やかに対処した方がよいのですが、なにぶん現代医学においても、万人に有効な手段というものがありません。

過去に書いた内容も参考にはなるとは思いますが…。

 

 

今回は、現代医学による『不眠症のタイプ別対処法』について解説していきます。
どうぞ、参考にしていってください!

 

 

不眠症の5つのタイプについて

 

2019年に公開された論文がありまして、これは「オランダ睡眠登録所」という調査データから4000名以上のサンプルを基に調査をしております。

登録されているサンプルのうち、約半数が不眠を主張しているそうです。
ここでの「不眠の定義」ですが、

眠る機会があるのも関わらず、慢性的な睡眠への不満がある状態。
入眠困難で、中途覚醒してしまう場合が多く、早朝覚醒や目が覚めても眠った感覚がない。

 

ということとしています。
これが慢性的に続けば「不眠症」だと判断されるそうです。

このデータでは、対象者全員の睡眠状況に加え、性格特性や感情的な反応、ストレス耐性についてもチェックしていったそうです。
そこでわかったのが、以下の5つのサブタイプです。論文では番号で分けられていますが、ここではわかりやすく名前をつけております。

 

 

 

ネガティブな感情

 

不安や悲しみといったネガティブな感情を慢性的に持っているタイプ。
人生の幸福度や喜びのレベルが低いせいために、目が冴えてしまって入眠困難になる。

全体の19%ほどで、うつ病になるケースが多い。

 

 

 

ストレス耐性が低い

 

人並に人生の幸福度や喜びを感じるが、感情的なストレスを抱えているせいで寝る前に覚醒状態になるタイプ。

全体の31%ほど。

 

 

 

ポジティブな感情が少ない

 

ネガティブではないしストレス耐性が低いわけではないものの、ポジティブな感情が少ないために入眠できないタイプ。
それなりにストレス耐性があるものの、喜びなどのポジティブな感情を持つことが不得手である。

全体の15%ほどで、ストレス耐性が低い人と比較するとうつ病の発症率は低い。

 

 

 

ネガティブな経験や環境

 

上記ほど日常のストレスレベルは低いが、人生のネガティブな出来事が引き金となり不眠になるタイプ。
たとえば、経済困窮とか、人間関係の不和、過去のトラウマなどが睡眠に影響をあたえてるわけですな。

全体の20%ほど。

 

 

 

無気力状態

 

人生のネガティブな経験のせいで不眠になるものの、とるに足らないレベルのストレスではあるものの、行動を起こすモチベーションが低いタイプ。
問題へのアプローチをとらないために慢性的なストレスを抱えてメンタルを病み、結果的に不眠症になる。

全体の15%ほどで、40代になってから不眠になる場合が多い。

 

 

 

タイプ別の対処法について

 

心理的ストレスの悪影響で不眠が起きてるのは共通しています。
しかし、各々の感情的な反応やモチベーションの違いによって差が生じています。

なので、タイプによって対処法が異なりますので、自分の不眠タイプを知ってから行動に移すのがベストです。
以下は、原因から推測されるタイプ別の対処法です。

 

  1. ネガティブな感情:ストレス解消
  2. ストレス耐性が低い:認知行動療法(思考のバイアスや間違いを見直していく)
  3. ポジティブな感情が少ない:行動活性化療法(自分の好きなこと、興味を持っていることに取り組む)
  4. ネガティブな経験や環境:スキーマ療法(統合的な心理療法)
  5. 無気力状態:心理対比(最悪の状況を想定して行動をする)

 

論文内では「ネガティブな経験や環境」や「無気力状態」のタイプには、現実で起こっている問題を解決する必要があるとしています。また、「ストレス耐性が低い」や「ネガティブな経験や環境」のタイプには処方薬(ベンゾジアゼピンなど)が有効だとしていますが、「ポジティブな感情が少ない」タイプには副作用がでるとしています。

原因と照らし合わせていくと、こういった対処法が良いのではないのでしょうか?

 

 

 

 

こういった感じで、現代医学という視点で見る不眠タイプとその対処法でした。

僕個人の意見としては、なるべく処方薬の力に頼ってほしくないと思っています。
いわば対症療法なので、その方法では副作用が起きてしまう危険性があります。各々にあった対処法をしていくのは効果的ではありますが、体調を整えるには鍼灸整体の方が良いと思っている次第です。

もし不眠にお悩みでしたら、どうぞお問い合わせください!

 

 

【参考文献】
[Insomnia disorder subtypes derived from life history and traits of affect and personality]

 

 

 

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