前回に引き続き、相談者からの要望にお応えする形になる内容です。
今回は、加害者の取り巻きに関した回答となります。
実は論文で『宗教性と論理的思考には負の関係があるんだ!』というものがありまして、それを取り上げていきます。
なんとなくの予想が立ちやすいのですが、そこで終わるのではなく、なぜそうなのか?っていうところを解説していきます。
どうぞ、参考に♪
宗教的な人ほど知性が低い傾向にある理由
これは2017年に出たインペリアル・カレッジ・ロンドンの研究でして、まず前提として「宗教性と知性には負の相関にあることは、すでに確認されている」とのこと。
宗教にハマりやすい・信仰心の強い人ほど、失礼ですが「頭が悪い」ということは一般的みたいです。
たとえば、2013年のメタ分析(エビデンスレベル最上位のもの)では、63件のデータを精査した結論として、宗教正と知性の相関が「平均r= −.24」であることがわかりました。「±.5」以上(0を基準に±1に近づくほど)になればかなり強力で、この数値の場合、大きな相関ではない(バ○とは言えない)が傾向としては認められる数値です。
2009年の論文では、137カ国のIQと宗教への不信感(無神論者)との相関を調査した結果、「r = 0.60」であることもわかっています。この論文の場合、IQに関しては、明確に無神論者の方が高いと結論を出しています。
取り上げた論文は、その「宗教性と知性における負の相関の理由」を調べておりまして、合計63.235名の参加者を対象に12種類の認知テストを実施し、計画力や推論力、注意力、ワーキングメモリーなどの能力をチェックしていきました。
そして、参加者を
- 宗教的
- 不可知論者(神の存在について人間には判断が難しい、という考え方)
- 無神論者
にグループ分けしました。
その結果、
- 全体を通して、宗教的な人よりも無神論者の方が成績が高かった
- この傾向には、年齢や教育レベルなどといった要素を調整しても確認された
- 不可知論者については、ほぼすべてのテストにおいて中庸の成績だった
この結果に関しては従来のデータでも確認されていて、とりわけ驚くことではないでしょう。
ですが、詳細をみると、微妙な違いがあるそうで、
- ワーキングメモリーの能力には大きな差はない
- しかし、宗教的な人は推論能力が必要なテストの成績が良くなかった
つまり、宗教的な人は脳のスペック自体は、無神論者たちと大差がない(個人の能力次第)とのこと。
しかし、推論が必要な作業に取り組むと、宗教的な人たちは直感を頼りにしてしまう可能性が大きいようですね…。
このあたりは、研究チームも『このような現象が起きる理由として、宗教的な人は直感的な問題解決をおこなうため、行動にバイアスがかかってしまうのではないかと考えられている。』としています。
なので、演繹的(えんえきてき)思考能力では、特に他のグループより低くはないそうです。
演繹的思考とは、絶対的な事実を基に最終的な結論を導き出すタイプの思考法で、この思考法は直感を使うことがなく、宗教的な人でも正解を出しやすいようです。
研究者によると、『宗教的な人は、一般的な知性や推論の能力が低いわけではなく、論理と直感に対立関係をおこしている。』とのことです。
単に宗教的な人とそれ以外の人で考え方が違うだけで、頭の良し悪しではないみたいです。
僕は割と直感に頼るのですが、それがけっこう役に立つ場合があるので助かっています。あと、別にスピリチュアルなことを全否定することはありません。それこそ、バイアスがかかりそうですからね。
なにはともあれ、信じるものはあった方が良いとは思いますね☆
【参考文献】
[The Negative Relationship between Reasoning and Religiosity Is Underpinned by a Bias for Intuitive Responses Specifically When Intuition and Logic Are in Conflict]
[The Relation Between Intelligence and Religiosity: A Meta-Analysis and Some Proposed Explanations]
[Average intelligence predicts atheism rates across 137 nations]