青色申告と確定申告をしていまして、ブログの更新が疎かになってしまい、申し訳ないです…。
この時期って、こういったことがあるから面倒なんですよねぇ~。
謝罪繋がりでなんですが、加害者のお詫びの言葉を許さないときに、「我こそは被害者だ!」と言わんとばかりに逆ギレを起こす人がいます。こういった心理が働く心理について研究してくれた論文がありまして、今回はそれを紹介していきます。
豆知識にもなりますが、人間関係の構築に役立つと思いますので、ご活用を検討してみてください♪
加害者の謝罪を拒否すると「被害者だと感じる」心理について
これは2021年に出た、クイーンズランド大学などによる研究です。
実験の全貌ですが、まずは参加者に「誰かに悪いことをしてまい、その後で心からの謝罪をした体験を思い出してください」とお願いします。その後、
- 参加者の半分は被害者が許してくれた状況
- もう半分の参加者は被害者が許してくれなかった状況
というのを思い出してもらいます。
そのうえで、被害者の反応が、
- どれくらい常識に反していると思うか
- どれくらい自身の尊厳を脅かしたと感じたか
- どれくらい自身が被害者であると感じたか
- 謝罪をどれくらい後悔したと感じたか
- 謝罪をした相手とどれくらい和解したいと感じたか
などをチェックしていったそうです。
これらの実験で、加害者からの謝罪で被害者の許しがあるかどうかで、その後の加害者のメンタルがどのように変化したかを調査したというわけです。
結果なのですが、
- 被害者からの許しがなかった人は、許された人と比較して、被害者の対応を「常識的ではない!」とみなし、「自身の尊厳が脅威にさらされた!」と感じた
- その結果、許しがなかった人は、許された人よりも被害者意識が強化され、相手と和解したい意思も弱体化し、謝罪をしたことを後悔するようになった
この結果ですが、追加された2つの研究でも再現されています。
あらゆる場面においても、自身の謝罪を被害者が許容しないと、加害者は「我こそが被害者である!」と思う心理が働くそうです。
この心理について研究チームは、
謝罪とは「被害者の手に力を取り戻す」行為であり、被害者は加害者の不正行為を許すか差し控えるを選択することができる。その代償として、加害者は状況のコントロールを失うことになり、許容された場合にしか回復することができない。
それゆえに、謝罪を許容されないことは自身の尊厳が脅威にさらされたと見なし、自身がその状況の被害者であるという認識になってしまう。この心理は、例えば、和解の可能性を下げるなど、より凶悪な結果へ発展する可能性があるだろう。被害者が加害者を許しそうにない場合、和解できない可能性を軽減するために他の戦略を行使する必要があるかもしれない。
つまり、
- 加害者が謝罪することで、被害者に生殺与奪の権を握られることになる
- その権利を回復させるには、被害者が自身の謝罪を許してくれるしかない
- 謝罪が容認されないとき、それは被害者が加害者となり、自身の尊厳へ攻撃をしかけたとみなす
- これにより、加害者は「我こそが被害者なり!!!」となる
ということが脳内で変換されるのでしょうかねぇ~~…。
被害者だって一方的に不正行為をされてストレスなのだから、「ごめんなさい…」と言われても許したくない気持ちがあるのは、別に不思議なことではありません。上記のような心理があるといって「こじれないように許してあげた方が良いよ!」と無責任な解決方法を提案はしたくありません。
人間って、どんなに誠意をこめて謝罪しても「誠意は伝わったが、だからといって許したくない!」というのがありますからね。研究では、先行研究によると、加害者には「自身の謝罪を容認しろ!」と被害者に社会的圧力をかけることが多いという報告があるとしています。
こればかりは、本当に難しいものです。
「許すことができる人は強い!」と言いますが、本当なんでしょうね☆
【参考文献】
[Turning Tables: Offenders Feel Like “Victims” When Victims Withhold Forgiveness]