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敢えて問題の解答を間違えて学習効果を高める「エラー訂正法」について

人生の幸福を高める為にも、様々な勉強法や学習法をお伝えしてビジネスや学業の糧にしてもらうのが当ブログの一面でもあります。

今回は、敢えて問題の解答を間違えることで学習効果を高めることができる「エラー訂正法」について解説していきます。僕はこの方法をやっている節がありまして、割と覚えやすい感じがしたから習慣になっているんだなぁ…って思っています。

皆さんも、参考にしていってはいかがでしょうか???

 

 

「エラー訂正法」について

 

これは2021年に出た研究で、3つの実験から構成されています。
実験では、それぞれ40〜50名ほどの学生(平均年齢20歳)を招集し、大まかな内容としては、以下のようになっております。

 

  1. 神経科学で出てくる専門的な単語や、心理学の感情理論といったものを勉強してもらう
  2. その際に、「エラー訂正法」「コンセプト類似法」「コンセプト事例法」「コピー法」といった学習法を用いてもらう
  3. その後、学習内容のテストを行い、どの学習法がもっとも効果が高かったかをチェックする

 

各々の学習法について説明していきますと、

 

  1. エラー訂正法:勉強の際に、意図的に正解に近い間違い(実際には負正解だが、信憑性がありそうな説明)をしていき、それを自身で修正する方法。例えば、「適応とは、ある個体がその後の世代で子孫を残す確率を高める形質のことである」と定義を覚えたい場合は、「適応とは、ある個体がその後の世代で子孫を残す確率を減少(増加)させる形質のことである」といったように、一部を敢えて間違えてから自分で修正する。
  2. コンセプト類似法:勉強したい内容を、他に近い言葉で変換する方法。例えば、「適応とは、ある個体がその後の世代で子孫を残す確率を高める形質のことである」と定義を覚えたい場合は、「適応とは、ある個体が遺伝子を受け継ぐ(次世代に子孫を残す)確率を高める形質のことである。」といったように、要点を自分の覚えやすい言葉に変換して記しておく。
  3. コンセプト事例法:勉強したい内容の具体例を考えて補足してみる方法。例えば、「適応とは、ある個体がその後の世代で子孫を残す確率を高める形質のことである」と定義を覚えたい場合は、「適応とは、ある個体が次世代に子孫を残す確率を高める形質のことである。例えば、ウサギの敏捷性は、捕食者から逃れ、他のウサギと繁殖するために生き残ることを可能にする」といったように、概念の具体的な例を付け加えて勉強する。
  4. コピー法:単純に、覚えたい内容をそのまま何度か書き出す方法。

 

学習後、学んだ内容への親近感や理解度などを評価したところ、他の学習方法と比較して意図的にエラーをして修正する学習法は、「優れた想起パフォーマンスを生み出し、意図的な誤りは、意味のある学習を強化するための強力な戦略である。」としています。つまり、エラー訂正法を使った場合、単純に学習内容を記憶しているだけでなく、その知識を他の場面に応用する能力も身につきやすかったとのこと。

ちなみに、「意図的に間違えた内容を修正する」という方法が効果が高い理由が、実はよくわかっていません。
推測では、

 

  1. 意図的なエラーによって注意が向けられ、より記憶に定着しやすくなるのでは?
  2. 意図的なエラーによってむしろ正解の内容に意識が向きやすくなるのでは?
  3. 意図的なエラーによって「正しい知識」が定着され、結果的にリバウンド効果を起こすからでは?
  4. 意図的なエラーによって正しい知識に関係する様々な概念を活性化され、それがメンタルネットワークを形成するからでは?

 

…と、いろいろな仮説が立てられております。
個人的には、わざと間違えると内容が強く印象付けられるから、けっこう覚えやすい気がするんですよね!

 

この勉強法と使う際は、

 

  1. 問題に対して、意図的に間違った回答を書き出す
  2. 間違った内容も、信ぴょう性が近く、ニアミスな感じなものにする
  3. 間違った回答を修正していく

 

ということをしていきましょう。
単純な言い間違いみたいなものではなく、「リカオンはネコ科の動物である!」みたいに概念などが近い間違い方がミソです(ちなみに、リカオンはイヌ科です)☆

 

 

【参考文献】
[Deliberate errors promote meaningful learning.]

 

 

 

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