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○○前にプロテインを飲むと筋肉量と筋力がアップする!…かもな話

「プロテインはいつ飲めばいいの?」問題は、以前から存在するテーマです。

そのあたりを徹底的に調査した、23件の論文に基づく2013年のメタ分析では「筋肉の発達にプロテイン補給のタイミングは関係がない」と一応の結論を付けています。どの論文でも、筋トレ後にプロテインを飲んだグループと1日を通して同じ量のプロテインを飲んだグループとでは、筋肉の成長には差がみられなかったそうな…。

あくまでも、大事なのは「プロテインの摂取量だ!」とのことで、僕なんかは朝に1杯、タンパク質の摂取量が少ないと感じたら、寝る前に1杯飲むようにしています。そんな折、最近のデータの1つに「○○前にプロテインを飲むと筋肉量と筋力がアップする!」といった意見の論文がありますので、ご紹介していきます♪

 

 

就寝前のプロテイン摂取で筋肉の成長が促進される

 

これは2019年に出たマストリヒト大学などのレビューでして、過去に行われた45件の研究をもとに、「筋肉を確実に成長させるにはどうすれば良いのか?」という問題に取り組んだものです。

内容としては、

 

  • 1日のタンパク質の摂取量を増やすだけで十分なのか?
  • 適切なタイミングで摂取すれば、より高い効果が得られるのか?

 

というものですね。
結論を簡潔にまとめますと、「筋トレ日と休憩日の就寝前に、約30gのタンパク質を含むカゼインプロテインを摂取した人は、約12週間で、タンパク質を含まないプラセボドリンクを摂取した人よりも筋力と筋肉量が増加した(約2kg)」ようです。当然ですが、この結果だけでは「就寝前のプロテインと日中のプロテインの差」については不明ですが、研究チームによると、

我々の研究に基づいて計算すると、就寝前のタンパク質摂取と他の時間帯のタンパク質摂取に差が生じるかどうかを証明するには、膨大な量のサンプル数が必要である。

 

 

これからも研究が必要ではありますが、このレビューで取り上げられた研究を参考にすると、就寝前のプロテインによって筋肉がより成長する可能性はあるとは言えます。

 

就寝前のプロテイン摂取が良い理由は、グルコースと違い、血中アミノ酸濃度は一定に保つことができないから。

そのため、睡眠中は栄養が体内に取り込まれないため、筋肉にタンパク質がいかず、タンパク質合成もおこなわれません。そこで、ホエイプロテインよりも消化吸収が遅いカゼインプロテインを就寝前に摂取することで、筋肉を成長させるための栄養を得ることができるのではないか…という理論です。

研究チームは続いて、

500名以上のアスリートを対象にした調査では、3回の主食で体重1kgあたり1.2g以上のタンパク質を摂取しているが、夜の軽食では7gのタンパク質しか摂取していないことが判明した。その結果、一晩の睡眠中に筋肉の成長に利用できるアミノ酸レベルが低くなっている。

また、就寝前にプロテインを摂取しても、睡眠の質が低下することはないと考えられる。およそ就寝10~30分前に30gのプロテインを摂取すると良いと思われる。

 

 

いわば「常に血中アミノ酸濃度を一定に保つ」ことが重要ではなかろうか?…っていう感じでしょう。
気になる「寝る前にプロテインを飲んだら太るんじゃないの?」という疑問については、

就寝前に摂取したすべてのタンパク質は、タンパク質合成に使用される。
その日の夜に早く運動がおこなわれると、摂取されたタンパク質の大部分は筋タンパク質合成に用いられ貯蔵されない。 実際に、若い成人で就寝前のプロテインを摂取した時、脂肪量の増加は観察されなかった。

 

 

ということで「寝る前のプロテインは太る説」を完全否定してくれています。

研究チームが言うように、ハッキリとした答えを導くには、全体的にはかなりサンプル数が少ないデータばかりです。またカゼインプロテインに関する研究しかおこなわれていなく、ホエイやソイでも同様な結果になるかは不明です。

そのあたりは、どうかご注意を☆

 

 

【参考文献】
[The effect of protein timing on muscle strength and hypertrophy: a meta-analysis]
[The Impact of Pre-sleep Protein Ingestion on the Skeletal Muscle Adaptive Response to Exercise in Humans: An Update]

 

 

 

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