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「なんでも他人のせいにする!」のメカニズムを解説していきます

「自分のミスを他人に押し付ける!」

「自分の失敗は周りのせいだ!」

みたいな、やたらと自分以外の誰かのせいにする人がいます。
迷惑極まりないです(笑)

今回は、そんな「なんでも他人のせいにする!」人のメカニズムを解説していきますので、どうぞ参考にしていってください♪

 

 

「他人のせいにする」のメカニズム

 

これは2022年に出た論文でして、大まかな構成は以下のとおり。

 

  1. 参加者に「秘書として働いているところ」を想像させ、48の事務作業をしてもらう。
  2. その過程で、参加全員がどれぐらい『投影』をしたかを判断してもらう。
  3. 全員の感情コントロール能力を評価する。

 

「投影」について説明しますと、精神分析の概念である防衛機制の1つで、「自身が胸の内に抱いている心理的な要素を、自分ではなく他者が所持していると捉えようとする心理現象」です。たとえば、ある人のことが好きで、相手も自分に好意的な感情を持っていると思ったとして、それが「実際お互いに好感を持っている♪」こともあれば、「実は単に投影をしているだけだった!」みたいなことがありますね…。

この研究では、自分の不安感や、自分が持っている負の側面を否定し、その代わりに他人にそれを見出している、…ということを見ているわけです。よくある(?)ものだと、自分が浮気したい願望が強いのに「パートナーは浮気しているに違いない!」っていうものかと!

 

この3つの実験の結果を見ていきますと…、

 

  • 実験1:感情のコントロール能力が低い人は、ネガティブな感情を経験した際、自身のマイナス部分を他者に投影する行動回数が増加した。すなわち、ネガティブな感情の処理能力が低い人は、自身の選択ミスを他者のせいにする傾向があるのだと思われる。これに対し、感情のコントロール能力が高い人は、ネガティブな感情が増加しても同様な影響を受けなかった。
  • 実験2:感情のコントロール能力が低い人は、強い怒りを感じているときほど、自身のマイナス部分を他者に投影する行動回数が増加した。他方、感情のコントロール能力が高い人は、強い怒りを感じていても、他者への投影は起きなかった。
  • 実験3:感情のコントロール能力が低い人は、ネガティブな感情を抱いたときほど、自身のミスや失敗を他者に投影するようになった。このような投影現象は、過去に体験したネガティブなエピソードを思い出しただけでも増大した。また、投影が多い人は、他者のせいにすることにより、実際にネガティブな感情が低下した。

 

以上のことから、感情のコントロールが苦手な人ほど投影をして感情を抑えようとするので、それが「すべてを他人のせいにする!」ということが発生してしまう!…のが、この研究での結論です。研究チームによると、「この研究では、 感情のコントロールの程度によって、 自身の失敗や不幸を自責もしくは他責かが予測できる。」とコメント。個人の失敗を自分か他人のせいにするのは、その人の感情のコントロール能力で予想できるそうです。

投影のほとんどが無意識下でおこなわれるので、本人が投影している感覚はありません。
なので、負の投影をして他人のせいにする人に真っ向から正論を言っても、火に油を注ぐだけ。ここは、ネガティブな感情を抑えてあげるようアプローチをして、事実確認をしてミスを認めてもらうように導くのが良いということですね☆

 

 

【参考文献】
[Blaming others: Individual differences in self-projection]

 

 

 

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