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「肥満が~…」や「アンチエイジングが~…」は、まず○○を見直してから考えて!

「肥満に効くツボはありますか?」
「アンチエイジングに効くツボはありますか?」
etc.

僕が鍼灸整体師をしておりますので、上記のような質問をうけることがあります。
正直なところ、の人のバックグラウンドを探っていかないと、どのツボを選定すれば良いか分からないため、いきなりそれを聞かれても、正確な答えを出すことは難しいです。それで、近年では「過去30年間で基礎代謝が下がっている!」という報告もありますし、いろいろな悩みをお持ちの方は、まずは生活習慣を見直していくところから始めてはいかがかと思っております。

今回のブログをきっかけに、どうぞ健康を大切にしていってください♪

 

 

過去30年間の人間の基礎代謝減少について

 

これは、2023年に出た、国際原子力機関(IAEA)のデータを使った調査によるものです。

この調査はアメリカとヨーロッパの成人男女4,799名を対象に、1981~2017年の間に集められたカロリー消費量の変化をプロットしたものとなっております。ここで集められたデータは、

 

  • 総エネルギー消費量(TEE)
  • 基礎エネルギー消費量(BEE)
  • 活動エネルギー消費量(AEE)

 

の3つで、分析の結果は体組成(脂肪量と無脂肪量)と年齢で調整していっております。

 

結果ですが、この30年間で、TEEは男性で推定1日222kcal/日(7.7%減)、女性で推定1日122kcal(5.6%減)減少したことがわかったそうです。ただし、この研究は、30年以上にわたって集積されたデータを使っているため、この間にデータの調査の方法が変わった可能性もあるため、この調査がすべての結論というわけではありません。

とはいえ、この調査のとおり、この数十年で本当に代謝率が下がったと仮定すれば、欧米で問題視されている肥満の増加は、消費エネルギーが減少したのが原因であるかもしれません。調査によって見られた現象が起きた理由は不明であるが、考察としては、

 

  • 運動量の減少:現代人の運動不足は以前から問題があり、それで個人の総エネルギー消費量が減ったという仮説。ただし、実際には、アメリカやスペイン、イギリスなどでは、余暇の身体活動はわずかに増加しているという報告がある。しかしながら、アメリカのデータによると、多くの人が仕事でのエネルギー消費は少なくなったと報告しており、そこで消費エネルギーが低下している可能性がある。
  • 暖房が進化:通常、気温が下がると、人体は恒常性によって熱を産生し体温を維持する。しかし、1980年代以降、室内暖房が発達により、以前よりも寒さにさらされなくなった結果、代謝が下がった可能性がある。
  • オメガ6の摂取量の増加:多くの国では、ここ数十年で動物性脂肪の消費が減少し、代わりにオメガ6の摂取量が増加している。

 

以上の3つがありまる。

しかし、室内温度と代謝率との間にはっきりした関係があるかどうかは不明で、オメガ6の摂取量が増えることで代謝が下がるのかもわかりません。となると、一番可能性のあるのは、消費エネルギー量の低下があるのかと思います。趣味で運動をしている人は多くはなったものの、日常生活でのエネルギーの消費が少なくなったというところでしょう(日常での活動量の少なさを、余暇の運動でまかなっている感じですな)。

余暇で運動を楽しむのそうですが、余力があるのなら、日々の生活習慣でも積極的に活動するように心がけるのが良いのかと思っております☆

 

 

【参考文献】
[Total daily energy expenditure has declined over the past three decades due to declining basal expenditure, not reduced activity expenditure]

 

 

 

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