当たり前ですが、日ごろから不満や文句ばかり言っていると嫌われます。
これに関しては、別に理屈を求める必要はないかと思います(文句ばかり言いたい人たちは集まりそうですが…)。
まわりとの人間関係を円滑にするなら、まずは「不満や文句ばかり並べない!」が一番です。
では、グチグチ言ってしまうような、「日ごろから不満や文句ばかり言う人の心理傾向」っていうのは、一体どんなものなのか…。
今回は、そのことについて解説していきます。
毎日予想されるストレスの誤差
これは2021年に出たアラバマ大学などの調査でして、実験の概要は以下のとおりとなっております。
- 110名の大学生(平均年齢20歳、90%が女性)を招集し、毎日朝8時と夜8時にアンケートをおこなう
- 参加者が「どれぐらいストレスを感じているか?」や「その日に体験しそうなストレスレベルはどれぐらいか?」などを1週間にわたり調査する
この調査は、「朝起きたのち、日中に受けるであろうと予想されるストレスが、その日の気分や実際のストレスレベルを決定づけるのでは?」と研究チームが推測したうえでの研究なのです。
結果なのですが、
- 朝に予想した内容が、その日の夜の幸福度に大きな影響を与えていた。朝の予想が外れ、日中のストレスが予想よりも大きかった人は、1日の終わりに心身に悪影響が及んだ
- 朝に予想したストレスと幸福度の関係には、レジリエンス(心の柔軟性:ストレスからの回復能力)も影響していた。レジリエンスが高い人は、その日に起こると予想されるストレスを過大評価する傾向があり、同時にそのストレスへの対処法も熟知しており、それによりストレスによる悪影響を受けなかった
- 反対に、レジリエンスが低い人は朝のストレス予想を過小評価する傾向にあり、不平不満や文句を言いやすい
1日で起きるであろうトラブルを軽視してばかりいると、実際にトラブルが起きると混乱してしまいます。
その結果、トラブルによるストレスによって、メンタルがやられてしまうというわけですねぇ~~。。。
いつも不満や文句、愚痴ばかり言う人は「物事を気軽に考えて準備を怠っていたせいで、どう対応して良いかわからない!」という心理を持っているということ。
研究チームによると、
我々の多くが、自身の未来予測は不得手であり、不明確な未来予測をすることが多い。
しかし、自身のストレスレベルを正確に予測できれば、幸福感や健康に多くの恩恵を促進させることができる。
人間たるもの、自分が予想していたよりも大きなストレスを受けると、愚痴の1つや2つくらい言いたくはなるもの。とはいえ、その見積もりを甘くしてしまうから、より大きなダメージを受けるというわけです…。
そして、予想されるストレスを過大評価する「レジリエンスが高い人」については、
未来予測におけるストレスへの過大評価は、実際のトラブルによるストレスからメンタルを保護してくれる。
だが、この傾向は、ネガティブな未来予測が実際のパフォーマンスの弊害となる可能性となり得る。とはいうものの、朝の過小評価がその夜のネガティブな感情を予測するのは間違いなく、ストレスの過大評価よりも過小評価の方が悪影響が大きいことに変わりはない。
ストレスの過小評価はダメージが大きいものの、過大評価も、それなりに悪影響があるのかもしれません。
とどのつまり、1日をしっかりと過ごすには「日中で予測される危険性を、いかに正確に捉えられるか!」が大事なのですね。
よく言われる「期待ばかりしているから、裏切られたときのダメージが大きいんだよ!」が、ある程度は正しいでしょうね。
たとえば仕事だと「たぶん、今日はこういうことが起きそうだな…」と予想して対処しておくとか、メンタルのダメージが抑えられるし、起きなかったら気分が良くなるかもしれません。
あとは、自分がストレスを受けやすい状況を覚えておいて、予め身構えておくのもいいですね。
そして、レジリエンスを高めるには「自伝的自己効力感エピソード」や「シチュエーション・セレクション」を参考にしてみてください☆
【参考文献】
[Antecedents and outcomes of daily anticipated stress and stress forecasting errors]