以前のブログでも、BCAAについては解説しております。
エビデンスレベルで考えると、それなりに期待できるものですが、そこまで明確に実証されているものではないのですよねぇ…。
マウス実験ではあるのですが、「BCAAを摂りすぎると太るかも?!」という話があります。
それに、ホエイプロテインにも普通に含まれていますし、鶏肉や牛肉を食べていれば問題もありません。
なので、あまり意識する必要はないのかなぁ~~。
そんなこんなで、今回はBCAAの特徴としている『筋肉の回復に役立つ!』について解説をしていきます。
別にディスっているわけではないのですが、一応、論文での結論を取り上げているので、自然とそのようになってしまうのですよ。もしBCAA愛好家がこのブログを見ても、悪く思わないでほしいものです(汗)。
僕自身も、実際にBCAAは使っていませんしね。
筋肉の回復の真相について
おさらいとして、BCAAの効能は以下の3つ
- 筋肉が増える
- 疲労回復
- 睡眠の質改善
とはいうものの、まだまだエビデンスレベルが高くなく「予算があれば使っていってもいいんじゃない?」くらいのレベルで、そんな余裕があるならEAAの方が良いという感じ。
だったら、クレアチンの方がエビデンスレベルは高いので、買うんだったらクレアチンでしょう。
そんなBCAAですが、2017年の論文で「筋肉の回復の真相」について調べてくれています。
これで、一応の結論をお伝えしていこうかと思います。
これはテヘラン大学の研究で、過去に行われたBCAAの実験データをまとめたメタ分析です。
5件の研究データを基に、187名の男性を対象にして筋肉の回復について解析していこうという内容です。
実験では1回3〜32gまでのBCAA(ロイシン.2:イソロイシン.1:バリン.1の比率)を使い、おおよそ筋トレの30〜60分前後にBCAAを飲んでもらったうえで、筋肉のダメージと主観的な疲労感に変化が出るかどうかを調べていったそうです。
結果なのですが、以下のような感じとなっております。
- 確かに、BCAAにはトレーニング後の筋肉痛を減少させる効果があった。ただしその効果は低く、200点満点で−17ポイントほどと、ごくわずかなものであった。
- トレーニング後のクレアチンキナーゼを減少させる効果(≒筋肉のダメージが速く修復する)が見られた。しかし、その一方で、乳酸脱水素酵素(筋肉のダメージを示す指標)には変化がなかった。
それなりにはあるのだけど、効果はバツグン!…というほどではない様子です。
このメタ分析はトレーニング前後で計測していますので、それ以外のタイミングで摂取すると、もしかすると結果が変わるかもしれませんが…。
タイミングという点でいうと、2012年に出た論文だと「BCAAの成分の1つであるロイシンが効果を発揮するのは、タンパク質が不足しているときかもしれない」という話があります。
ロイシンはmTOR(細胞の増殖や代謝を調節する酵素)や他のタンパク質を活性化させて、筋タンパク質合成を調整しています。よって、プロテインと一緒か食後で摂るのなら良いのかもしれません。
そういった感じで、メタ分析によって「筋肉の回復」に関して言えば『まずまずの効果がある』ということです。
ちなみに、論文内のBCAA3~32gについてですが、ホエイプロテインには大体『ホエイプロテイン10g中にBCAAが3g含まれている』というのが基本です。これをお読みになっている方々がどう思うのかはわかりませんが、僕にとっては追加で入れる必要がないかと思います(ソイプロテインを愛用しているならアリかも)。
やっぱり、予算を考えると、クレアチンや筋トレ初心者ならHMBを優先した方がよろしいかと…。
【参考文献】