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ランセット論文によるメンタルが改善する「運動の最適ライン」

運動がメンタルに良いのは、もはや常識のレベルです!

日ごろから運動をしている人も、運動を始めた人も、その効果を実感しているかと思います。
なので、ここで書く必要がないようなものですが、改めて記事として書き起こそうと思った次第です。再認識という感じで、僕らの脳に何度も上書きする感じでお読みいただくと良いでしょうね(笑)。

何か落ち込むことがあれば、まずは運動をすると気分が晴れるものです。

 

今回は、そんなメンタルに効く運動を、さらに納得のいく形でお届けします。

とりわけ、どれだけ運動をすれば良いかに焦点を当てていきます。
さすがにほんの少しでは効果は現れませんし、やりすぎると身体に炎症を起こしてしまいます。

なので、メンタルの改善を図るなら、どれくらいがいいのかをお届けします!!

 

 

 

運動とメンタルの相関関係

 

2018年にランセットで掲載された論文で、参加者数 1,237,194人、調査期間が5年とかなり大規模の調査です。
参考にするには、ものすごく信ぴょう性が高い内容です。

具体的な調査内容は以下のとおりです。

 

  1. 2011、2013、2015年の3つの時点で、全員の活動量とメンタルヘルスを検査する
  2. 各時点の数値を比較して、どれぐらい運動をするとメンタルヘルスにつながるかを計算する

 

活動量とメンタルヘルスの調査は以下のとおりです。

過去30日のあいだについて、

 

  • 普段の仕事の種類と量
  • 運動の種類と量
  • ストレスを感じるか
  • うつのような症状が出るか
  • 感情のコントロールが効かなくなったことはあるか

 

もちろん、こういった調査は、年齢や人種、性別、収入、教育レベル、BMI、健康レベルは調整されております。
その結果、以下のようなことがわかりました。

 

  • まったく運動していない人と比較して、運動をしている人はメンタルが病んでしまう日数が43.2%下がる
  • これまでに「大うつ病」の診断を受けた人ほど、運動によるメンタルの改善レベルは高い

 

1ヶ月で見てみると、平均1.5日でメンタルが病むリスクが下がる計算になります。

さらに重要なのが、基本的にどんな種類の運動でも一定の効果があるが、種類によって効果に差があるそうです!
具体的にどのような運動で、どれくらいの差があるかというと、以下のような感じになっています。

 

  • チームスポーツ:22.3%の改善率(1カ月あたりの精神的負荷で判断)
  • サイクリング:21.6%の改善率
  • エアロビクスまたはジム:20.1%の改善率

 

全体的に、一緒になっておこなうスポーツが効果が高い傾向にあります。
運動をする際は、仲間を作っておくことが運動の恩恵を得られやすいですね(*^_^*)

これ以外の運動にも効果があるようで、

 

  • ヨガ
  • 太極拳
  • ウォーキング
  • 家事

 

といった低負荷の運動でも効果があり、一番低い家事でも10%のメンタル改善効果があります。
運動量についてもちゃんと出ていまして、「1日に30~60分の運動を週に3~5回おこなうのが最も効果的である!」という結論に至っています。

もちろん、運動のしすぎも良くはなく、1ヶ月に23回以上の運動、または1回90分以上の運動はメンタルヘルスが悪化する可能性があるとされています。
なにごとも中庸が良いのは言うまでもありませんねぇ~~…。

 

 

 

捕捉:筋トレはメンタルに効くのか

 

ランセット論文では筋トレについて触れていなかったので、ここで補足説明をしていきます。

以前のブログでも書いたのですが、もちろん筋トレでもメンタルの改善はできます。
2017年に出たリムリック大学の研究で、過去に行われた筋トレ実験から、サンプル数が922人ではあるものの、質が高い16件のデータを抜き出したメタ分析があります。1つ1つの質が高いものなので、ものすごく信ぴょう性の高いエビデンスとなっています。

 

具体的な参加者の平均年齢は43歳で、平均期間は11週間(2~16週間の振れ幅あり)です。
メンタルを測る尺度は、メンタルの測定テストでよく使われるSTAI(状態特性不安尺度:詳しくはコチラのリンクで!)というものでおこなわれています。

結果ですが、

 

  1. 筋トレには小~中程度の不安改善効果がある
  2. 筋トレの不安改善効果は有酸素運動と同等の効果がある

 

さすがに専門的な方法である認知行動療法には劣るものの、不安の解消には十分活用できるレベルです。
クスリの服用する前に、筋トレをやってみるのも良いかと思いますね☆

メタ回帰分析で詳細を調べていくと、以下のこともわかってきました。

 

  1. 健康的な人ほど筋トレの不安改善効果は大きい
  2. 筋トレの不安改善効果は性別や年齢の影響はない
  3. 筋トレの期間、1週間の回数、負荷の強さなどは、不安改善効果にはあまり影響がないかもしれない

 

期間や負荷の度合いはあまり関係ないようなので、気軽に取り組めるかと思います。
自分のレベルに合わせて筋トレをするといいでしょう!

 

このメタ分析には注意点があるようでして、

 

  • 全体的に筋トレの期間と負荷を報告してないケースが多いため、筋トレが不安解消効果があるという結論は変わらないかもしれないが、今後の調査によっては、「最適な筋トレの期間や負荷」などについては結論が変わる可能性はある
  • このメタ分析の参加者には「不安障害」の人が対象ではないため、正式なメンタル系の病名がついた人に筋トレが有効かはわからない(このデータはいわゆるうつ傾向にある人を対象にしている)

 

俗にいう「豆腐メンタル」というレベルの人が筋トレをすると、メンタルも鍛えられる可能性があるという話ですねー。
「健全な精神は健全な肉体に宿る」は、ある意味では正しいと言えそうです。

 

 

 

 

といった具合で、やっぱり運動をするとメンタル改善に役立つことが改めて知ることができました!

諸々の研究も合わせていくと、メンタル改善に関しての最適な運動は以下の感じになります。

 

  1. どんな運動でもいいから、なるべく仲間や友達と一緒に運動する
  2. 1回の運動は45分程度が良い(長時間だとコルチゾールというストレスホルモンが出る)
  3. 運動の回数は週3回(MAXでも5回)で十分

 

メンタル重視なら、こんな感じで取り組んでいくと良いですね!

 

僕の場合は週2回の筋トレで40分ほどですが、まあなんとかなっていますね。

さずがに全く不安を抱いていないわけではないので、運動でメンタルをリカバリーしています。
やっぱり気分転換になりますし、引き締まっていく自分の姿を見るのは気分が良いです☆

クスリや心理療法に頼る前に、運動で事前対策をするのが良いでしょうね☆
あと、僕の鍼灸も、自律神経が整いますのでメンタル回復の手助けができますよー!

 

 

【参考文献】

[Association between physical exercise and mental health in 1·2 million individuals in the USA between 2011 and 2015: a cross-sectional study]

[The Effects of Resistance Exercise Training on Anxiety: A Meta-Analysis and Meta-Regression Analysis of Randomized Controlled Trials.]

 

 

 

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