差別は社会の公平性において、依然として課題となっているものです。
差別は、どうしても偏見を助長させてしまうものでして、正確な判断を鈍らせてしまう要因。どうにかして、その誤った判断を回避する工夫が必要であります。ですが、残念なことに、人間は「見た目」による差別には鈍感なもので、見た目で判断していることに気づいていないという事実があります。
「ルッキズム問題」によって色々と人の心が奔走させられている昨今、この問題を科学的に知ってもらいたいものです!
魅力による社会的バイアスの盲点
これは2025年に出た調査でして、オランダとアメリカの参加者による6つの主要研究と2つの補足研究(合計人数は 3,591名)で構成されております。
大まかな内容としましては、まず参加者に、同レベルの仕事パフォーマンスを持った人たちの履歴書を見せます。ただし、その際、性別や人種・見た目だけが違っております。そして参加者に、「ある企業がこの履歴書の人たちを面接し、採用するかどうかを決定しました。」と伝えます。このとき、その企業の採用がどれくらい不公平だと感じたかを評価させる、…という流れとなっております。
これにより、僕らが、どの差別に敏感なのかを評価しているかがわかるというわけです。
結果なのですが、差別に対して明確な差が現れまして、
- 企業が性別や人種に偏った採用をした場合:参加者は、「大いに不公平だ!」と認識した。
- 企業が魅力に偏った採用した場合:参加者は、性別や人種のときと同じような反応が観察されなかった。
現象だけをみれば全く同じように差別をしているものの、人間は魅力バイアスを性別や人種バイアスよりも受け入れやすいという心理があるということがわかったそうです。「イケメンや美女をひいきすることは、なにも問題ではない」っていうのが、人間の習性であるというところでしょうなぁ…。
「裁判」という設定でも同じことを検証しており、裁判官が人種や魅力の差で判決を変えた場合にどう感じるかをチェックした結果、
- 黒人ばかりが有罪になった場合:参加者は、「大いに不公平だ!」と認識した。
- 魅力的ではない人ばかりが有罪になった場合:参加者は、人種のときのような反応が観察されなかった。
こちらでも、「ルッキズムで判決を決めている!」という差別に対して、他の差別のような強力な反応を示していなかったようです。このような現象が起きている理由について、研究チームは以下のような考察をしております。
そもそも人間は、魅力によるバイアスを認識していない。
よって、断じて人間は、魅力によるバイアスを許容しているわけではない。
大抵の人間は、そもそも論として「イケメンや美女を優遇している」ことが盲点になっています。この研究では、性別や人種、魅力の差別がどの程度認識されるかの比率がわかっておりまして、
- 性別によるバイアス:65%が指摘
- 人種によるバイアス:72%が指摘
- 魅力によるバイアス:23%が指摘
なので、人間という生き物は、「見た目が良い」と色々と有利なのがわかりますね!
こういったこともあり、正直なところ、偏見を完全になくすことは難しいです。
なので、重大な決定をする際は、一番感じにくい魅力バイアスを意識するのが良さげです。これにより、完璧とは言えずとも、けっこうな対策にはなるとは思います。物事を評価する際は、たとえば、
- 評価の際、魅力バイアスにかかってないか、深呼吸しておく。
- 評価の際、外見にまつわる情報を意図的に遮断する。
- 第一印象で判断しそうになったら、意図して評価を保留する。
といったことを心がけると良いと思いますね☆