新しい知識は、常にアップデートする必要があります。
なんせ、昨日まで常識とされたことが、今日になって非常識になりますからね!
逆もまたしかりなので、その辺りはアンテナを張らないと、時代遅れになってしまいます。僕も職業柄、常に新しい情報を仕入れていって、より正確な情報を提供したいものです。
とはいえ、いつまでも間違った情報を信じ続けてしまう人がいて、その情報に対して意固地になってしまうことがあります。さらには、正しい情報を伝えると、「それは違う!」と否定的な態度を取ります。
今回は、そんな人たちと上手にやりとりする方法をご紹介します♪
「自分が一番情報を知っている!」と信じている人の対処法
これは2020年に出たコロラド大学の研究で、フィリップ・ファーンバック博士という方が主筆を務めております。
この調査は、遺伝子組み換え食品の情報についてアンケートをとっていったものでして、具体的には、
- 2,500名を超える男女に「遺伝子組み換えについてどうおもいますか?」と尋ねる
- 科学リテラシーをチェックするテストをおこなう(ex:大気中の酸素は何から排出されているか?)
という手順をとり、遺伝子組み換えに反対する人がどんな特徴を持っているかを調査していったそうです。
その結果、遺伝子組み換えへの反対レベルが高いほど、それに応じて客観的な知識量が減少していたようです。しかも、それに比例して自分の知識量への自信は大きいそうな…。
無知であればあるほど、自信が大きくなるようですな(汗)
遺伝子組み換え反対派に関してですが、さらに以下の傾向もあるそうです。
- 積極的に正しい情報をアップデートしようとしない
- 正しい情報を得られた場合、さらに否定的な態度が強くなる
正しい情報を知れば知るほど「やっぱり遺伝子組み換えは危険なんだ!」と頑なになっていくのですね…。
こういったバックファイア効果(心理学用語:何らかの認識を持った人がその認識への反論や誤認を指摘されると、かえってその認識を盲信してしまう現象)はアメリカ、フランス、ドイツなどでも確認されていますが、このパターンは「気候変動」のようなトピックにおいては確認されなかった様子。この差については不明ですが、もしかすると、遺伝子組み換えは自分の健康に直結するからかもしれません。
研究者によれば、
これは過激派に見かける特有の心理である。
コンセンサスが取れている情報に反対し続けるには、「無知」の力を借りるしかない。過激派は「この内容はすでに知っている知識だ!」という考えを持つため、新たな情報をアップデートしようとしなくなる。
この問題をクリアするには、彼らに知識のギャップを伝えるしかないだろう。
ということで、過激な否定派とやりとりする際は、「正しい情報の伝達」をするより「あなたは無知である」という事実を知ってもらうことが重要なんだそうです
要は、相手の専門的な領域や自信をもっている事柄に対して正論を述べたとしても、相手は聞く耳を持たないということでしょうか。
相手にも自尊心がありますので、正論や正確な情報がそれを砕いてしまうのかも…。
なので僕の場合、「あれっ?そういえば、こういう情報があったんですがどうなんでしょう。」とか「(自分は知っているけど…)そのことについてわからないので、ちょっと調べます→こうみたいっすよぉ」ということをやっています。
いかに自分が指摘していない風を作るかに尽力している次第です。
【参考文献】
[Extreme opponents of genetically modified foods know the least but think they know the most]