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アクティブな祖父母仮説 -人間は歳を取ったから動けなくなるのではなく、動かなくなったから歳を取るのだ-

個人的な感想として、ずっと活動的でいたいと思っています。
なんなら、動けなくなったら、メンタルがけっこうヘコんでしまうでしょうね…。

知識に関することもあるのですが、年齢を重ねていくと「歳だし、満足に動けないよね…」という、一種の諦めがあったりします。流石に全盛期のようにはいかないものの、年齢が上がるにつれて、思うように身体が動かないのはありますね。だからといって、それで活動することを止めてしまっては、それこそ「歳を取った」という証明になってしまう気がするのですよ。

そこで、世間には『アクティブな祖父母仮説』なるものがありまして、これは「年齢を重ねていくほど活動的になるべくデザインされた存在」という意味合いがあるみたいです。今回は、このアクティブな祖父母仮説について説明していきます。

どうぞ、参考にしていってください。

 

 

アクティブな祖父母仮説について

 

『人体六〇〇万年史──科学が明かす進化・健康・疾病』で有名なダニエル・E・リーバーマン氏が2021年に出したレビューがありまして、このレビューでは「なぜ人間は運動しないと健康になれないよう進化してきたのか?」という問題に着目しております。運動が健康に欠かせないのは常識だが、その理由を深掘りしているわけですね。

リーバーマン氏によると、

西欧社会では、年齢を重ねると活動の間隔を落とし、活動量を減らし、引退するのが常識だという考えが広く浸透している。しかし、私たちのメッセージはその反対をいき、人間は当初より「年齢を重ねるほど活動的になるべくデザインされた存在なのである」と考える。

 

 

氏は、これを『アクティブな祖父母仮説』と呼称しており、ランニング界でよく言われる「我々は年をとったから走るのをやめるのではなく、走るのをやめたから年をとるのだ」といったような考え方が展開されていました。

この研究の概要を簡単にまとめましたので、どうぞご覧になってください。

 

1.

動物学の研究を鑑みるに、野生の類人猿はヒトと異なり、およそ35〜40年しか生存できず、たいていは子供を産めなくなったら死亡してしまう。

その一方で、狩猟採集民の場合は、幼少期を無事に生き延びることができれば、子供を産まなくなる年齢を20年ほど過ぎても70歳前後まで生存することができる。化石の証拠を見ても、実は4万年前での人類は、このような健康長寿が一般的であったことがわかっている。

 

2.

このようなヒトと類人猿の寿命の差は、運動量の差にあるのかもしれなく、実は類人猿は狩猟採集民と比較してかなり運動をせず、1日のほとんどを座位で過ごすからである。

この事実は、ヒトの進化プロセスで「中高年になったら身体的な活動によって長寿を目指し、生殖を終えたあとも仲間のために奉仕して、子供や孫を助けるべし」という選択が行われたことを示唆している。つまり、ヒトは生殖をやめた後も生きるように進化していると言える。

 

3.

現代の狩猟採集民は1日平均135分程度の中~高負荷の運動をしており、糖尿病や心臓病は存在しないか、非常にまれな病気だと報告されており、ガンの発生率も低い。これは、身体活動で筋肉が発達し、その影響で全身の炎症が抑えられる可能性がある。

現代人は狩猟採集民よりも長寿だが、慢性疾患を抱えながら長生きしていると言える。

 

4.

中高年になるほど活動的でなければならない理由はふたつあり、ひとつ目は過剰なエネルギーを消費して内臓脂肪など有害なメカニズムを取り除くこと。ふたつ目は、分子、細胞、組織レベルで身体にダメージを与え、細胞やDNAの修復プロセス(ホルミーシス)を稼働させるところにある。

 

5.

細胞やDNAの修復プロセスは、糖尿病、肥満、ガン、骨粗しょう症、アルツハイマー病、うつ病などのリスクを低下させることがわかっている。運動をしていない状態では、これらの反応の活性化は少なくなる。また、年齢を重ねるにつれて、身体活動の重要性と効果は大きくなっていく

ただし、中高年が狩猟採集民のように活動する必要はなく、1日10~20分といった少量の運動でも、死亡リスクを大幅に低下させることができる

 

 

 

運動は健康に良いのは人類にとって当然の要素なのだが、実際には運動で長寿になるのは人類の特権なのでは?…ということ。つまり、人類は「生殖を終えた後も生存し、祖父母になるために設計され、そのために運動を必要とするように進化した」と言えるのです。

 

 

 

 

研究では人類の生存のために生殖をメインに話を展開していますが、人間は生きていくために絶えず活動し続けることが大切なのだ!…ということ。

動かなくなったとき「なんだか歳を取ったな…」という感覚は、ある意味では正解なんですね。
確かに、いつまでも若々しいご年配の方々って、好奇心旺盛で活動的ですからね。歩みを止めたら、ドンドン歳をとっていく感じになるでしょう。

生涯現役!」を目指すなら、まずは身体を動かすこと!…ですね!!
ちなみに、リーバーマン氏の著書がコチラです。

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【参考文献】
[The active grandparent hypothesis: Physical activity and the evolution of extended human healthspans and lifespans]

 

 

 

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