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「お肉を食べると身体に悪い!」…というけど、それって本当なの??

ハムやソーセージ、ベーコンなど、お肉を加工した食品が身体に悪いのはまぎれもない事実。

2020年に出たメタ分析での結論では、レッドミートと加工肉を週2回の摂取で、心疾患と死亡リスクが7%高まるとしています。過去のデータを鑑みれば、この結論は納得してしまう部分がありますが、果たしてレッドミート(欧米圏で使われる用語で、講義的に牛、豚、羊など哺乳類の肉を示す単語)が本当に身体に悪いのだろうか?

ご先祖様は普通に食していたし、今回はそのあたりを深掘りしていきます。

 

 

未加工のレッドミートの消費による健康への影響

 

これは2022年に出た、ワシントン大学健康評価研究所(IHME)の科学者たちによる検証です。

この研究では、研究チームが「証明責任リスク関数」なるものを考案しまして、この関数を用いることで、あらゆる研究者が「食品と健康リスク」に関するエビデンスの強弱を5段階評価(低エビデンス 1~~~5 高エビデンス)でき、より確かな結論を導くことができるみたいです。簡単にまとめると、研究方法や結果にムラがあるデータのエビデンスを補正して、より正確な結論を出す!…みたいな感じです。

チームが新しい評価基準を作成した理由を大まかに説明すると、「過去の未加工肉の研究には限界が多く、未加工の赤身肉の消費と慢性疾患との関係をよりよく理解し、定量化するには、より厳密で強力な研究が必要だからだ」…なんだそうな。

 

その限界というのが、以下のものとなります。

 

  • ほぼすべてのデータが観察研究であるため、因果関係を解明することができていない。
  • ほとんどの研究が、交絡変数によって判断ができない状態にある。たとえば、「肉をよく摂取する人は野菜をあまり摂取しない」や「肉をよく摂取する人は喫煙率が高い」、「肉をよく摂取する人は運動量が少ない」といった傾向があり、データにバラつきが出ている。
  • 大体の研究が、参加者の自己申告を基に判断しているため、参加者全員が摂取したものを正確に把握しているわけではないため、データにバラつきが出ている。
  • 大体の研究で報告されている効果量は、比較的小さいことが多い。たとえば、「未加工の赤身肉で癌リスクが15%高くなる」という結論は、本当に深刻に評価する価値のものか、判断が困難である。

 

過去のほとんどのデータは結果にバラつきがあるため、過去のレッドミートの研究の結論は、信頼性に乏しいのです。そして、新しい評価基準によって導き出された結論はというと、「未加工の赤身肉の消費と大腸がん、乳がん、2型糖尿病、虚血性心疾患との関連を示す弱い根拠が見つかった。さらに、未加工の赤身肉と脳卒中との関連を示す根拠は見つからなかった。」ということ。要は、「レッドミートによる健康リスクに悩むことはない」って感じですね!

IHMEの調査によると、レッドミートと健康リスクの関係については、評価2以上の判断が下るはことがなかったようです。

 

 

 

 

要点をまとめると、

 

  1. いままで評価された健康リスクは、「野菜をあまり食べない」や「タバコをよく吸う」、「運動量が少ない」などによるものである可能性が高い
  2. よって、レッドミートによる健康リスクではないため、レッドミートを多く食べても問題がない可能性が非常に高い

 

でしょうか…。
なので、お肉を食べるのはいいけど、野菜もしっかりと摂って、運動や禁煙に勤しみましょうか☆

 

 

【参考文献】
[Associations of Processed Meat, Unprocessed Red Meat, Poultry, or Fish Intake With Incident Cardiovascular Disease and All-Cause Mortality]
[Health effects associated with consumption of unprocessed red meat: a Burden of Proof study]

 

 

 

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