「筋肉を効率的に育てるには、タンパク質の“品質”にこだわった方が良いのか!?」という問題は、昔から存在しています。
よくあるのが、動物性タンパク質と植物性タンパク質で、体内での消化のされやすさなどの差で筋肉の成長をコントロールするのが良い例でしょう。タンパク質のクオリティの評価で、一番ポピュラーなのがPDCAAS(タンパク質消化性補正アミノ酸スコア)です。これは、各タンパク質がどれぐらい消化されやすく、体内で利用されやすさを総合的に判断した指標です。そんな諸々の事情があるのですが、肝心の「筋肉の成長」には、どれくらい関与していているのかを、今回は見ていきましょう。
このブログを参考に、筋肉の育成に勤しみましょう♪
タンパク質のクオリティと筋タンパク質合成の関係
これは2023年に出たレビューで、実験ではなく現段階で得られたデータをまとめ、「筋肉の成長とタンパク質の品質の関係性」について結論を出したものとなっております。
まず結論から申し上げますと…、
- 低~中レベルのタンパク質摂取量(1日に体重1kgあたり0.8~1.2g)では、筋タンパク質合成速度を速めるために、よりよい必須アミノ酸が必要となり、品質の良いタンパク質を摂取した方が良い。
- 高レベルのタンパク質摂取量(1日に体重1kgあたり1.6g)では、タンパク質の品質の優劣は、筋肉の成長にはさほど関係がない。
つまり、タンパク質のクオリティの重要性は、1日に摂取するタンパク質の量によって変わってくるといういうこと!
詳細ですが、タンパク質のクオリティと筋肉の成長の関係性を表したグラフがありますので、そちらをご覧ください。
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この図のとおり、、体重1kgにつき1.6g以上の摂取で「最大(maximal)」に達しております。
この意味は、過去のデータを鑑みるに、疾患を持っていなければ「これ以上のタンパク質を摂取しても本質的な問題はない」ということ。そして、このグラフのとおり、タンパク質のクオリティにこだわる場合は、タンパク質の摂取量に大きく依存するということ。もし、1日に体重1kgあたり1.6g未満のタンパク質摂取量で、その中で筋肉の成長を最適化する場合は、いわゆるアミノ酸スコアの高いタンパク質(卵やミルクなど)を中心に摂取していった方が良いということになります。
とはいえ、筋肉を付けていきたいと強く願っている人なら、1kgにつき1.6g以上は普通に摂っていると思います。なので、特にタンパク質のクオリティなんて考えずに、自分の好みのものを選べば良いでしょうね!
実際のところ、過去のデータでも、量がしっかりと摂れていれば、動物性タンパク質と植物性タンパク質とを比較しても、筋肉の成長に変化はないという結論を出しています。
僕なりにまとめると、限られたカロリー摂取の中で筋肉を育てるなら質にこだわって、そうでないなら量にこだわるというところだと思います。そして、この研究でのアドバイスでも、
- 植物性タンパク質といった低クオリティでも、摂取量がしっかりしていれば、ベジタリアンでも問題ない
- 高クオリティのタンパク質を中心に摂取していれば、タンパク質摂取量が少なくても筋肉は成長する
ということなので、自分のライフスタイルに合わせて、タンパク質のクオリティは決めていっても良いよ♪…って感じです☆