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女性が筋トレに励む際、どういったことに気をつければよいのか?

女性の身体と男性の身体は、大きな違いがあります。

女性には、月経周期はもちろんのこと、更年期や妊娠・出産、体組成やホルモンバランス、水分補給の必要性などが男性と異なるため、その違いを考慮した筋トレメニューを使ったほうが良いという考えがあります。たとえば、ダイエット法でも、女性の場合は、男性よりも十分な配慮が必要であることも示唆されております。事実として、月経周期によってトレーニングの効果が変わる傾向はあり、女性なりの違いがあるのは確かなところです。ですが、「どの違いが最も重要なのか?」「具体的にどこまでトレーニングを変えるべきなのか?」といった点については、まだ明確ではない部分なのです。

今回は、そのことについて解説していきますので、筋トレに励む女性は、どうぞ参考にしていってください。

 

 

女性にとって重要な筋トレメニューの調整法とは

 

これは2024年に出たリオグランデ連邦大学などによるメタ分析で、健康な若い女性を対象にした筋トレに関する研究をまとめたものとなっております。

 

  • 女性は筋トレにどのように反応するか?
  • 女性が筋力と筋肉量を増加させるにあたり、何が一番重要なのか?

 

を、この調査では追究されております。

具体的な調査内容ですが、18~35歳までの、計1,312名の女性(対象者のほとんどが、筋トレ未経験者または日常的に座位が多い)1,312名を対象に、40件の筋トレ研究を選抜しております。選抜された研究の実験期間は平均10週間でして、基本的に、1週間に2~3回の筋トレを指示していた。1週間の総セット数の中央値は72で、標準的な重量は1RMの80%とのことです。

女性のみの筋トレデータを収集し、なにが重大な要素なのか追究したわけですね!

 

この分析によって得られた結論ですが、

 

  • どのような女性であっても、筋トレをした分だけ筋力と筋肉は増加する。標準化差で見てみると、全体として筋肉量は1.2SMD増加した。これは、女性の大多数が、筋トレをおこなえば、何かしらの効果があることを意味する。その一方で、筋力は0.4SMDしか増加しておらず、これは対象者の女性のおよそ1/3が、筋力については改善しにくいことを意味する。
  • どのような女性であっても、1週間のトレーニング回数が多い研究ほど筋肉量の増加幅が大きく、1週間のセット数の合計が多い研究ほど筋力の増加幅が大きくなる。

 

ということで、結局のところ、女性であっても筋トレをした分だけ筋肉は育つ!…という結論に至ったわけです。
このことに、男女の差はないようですね。

具体的に見ていきますと、中央値が「セット数が週72の筋トレ」を考慮すると、セット数が最大になるほど筋肉と筋力も増えやすくなり、この数字を日常に換算すると、女性の場合、筋トレは週3回にして、全身の筋肉を鍛える8種類のエクササイズを、1RM80%でそれぞれ1日に3セットずつ行うと良いと考えられます。

とはいったものの、上記の運動レベルは、WHOが推奨している運動量と比較すると、かなりの難易度だと言えます。このような数値が検出された原因は不明ですが、過去のデータを参考にしますと、女性は男性よりも疲労耐性が高く(=1回の筋トレのなかで、パフォーマンス低下が男性より遅い)、女性は男性よりも筋トレ後の回復能力が早いとのこと。なので、女性はむしろ男性よりも高ボリュームのトレーニングをおこなった方が効果がある可能性がありますね!

 

 

 

 

注意点としては、同じ条件下による男女の同じ運動ルーティーンの比較ではないということ。

女性向けに調整された筋トレで、より多くの効果を得られるかどうかが明確ではありません。女性よりも多くのデータがある男性であっても、各エクササイズを何セットおこなった方が有効かといった問題が解決されていないのも事実です。男女含め、筋トレにおける明確な解答は、時間がかかるかもしれません☆

 

 

【参考文献】
[Moderators of Resistance Training Effects in Healthy Young Women: A Systematic Review and Meta-analysis]

 

 

 

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