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【実際どうなの?】ゲームって、本当にメンタルに悪いのか!?

昔から、ゲームと健康に関する研究はおこなわれております。
僕のブログでも、

 

 

なんてことを投稿しております。
「ゲームは教育に良くない!」という主張をされている方がいらっしゃいますが、“ゲームそれ自体が良くない”ことを示す有効なデータはありません。なので、息抜きといった感じでゲームをする分には、もはや個人の趣味の範囲内で止める理由はありません。とはいっても、「やっぱり、ゲームってメンタルに良くないでは…」と心配になるかと思います。

今回は、最近のデータを基に、ゲームがメンタルに及ぼす影響についてお話していきます♪

 

 

TVゲームによるメンタルに対する影響

 

これは2024年に出た日本大学などによる実験で、新型コロナのパンデミックによって起きた状況を活用した、「自然実験」となっております。

具体的な方法ですが、コロナ禍のときは、ニンテンドースイッチやプレステ5といったゲーム機が品薄状態になったので、それを購入するための抽選が頻繁におこなわれていました。そういった状況もあり、「抽選に当選した人だけがゲーム機を買え、TVゲームができる・できないがランダムに振り分けられる」という実験で使われる手法が自然と出来上がります。そこで、97,602名を対象に日本人に5回のオンライン調査を実施したというわけです。それを利用し、ゲームのプレイ時間やゲーム機の所有状況、そして心理的な健康状態や生活満足度をチェックしていったそうです。

一般的な観察研究では、「ゲームをする人・しない人の差」が調査の結果に反映されてしまうので、因果関係を明確にするのが難しいものの、この自然実験だと、抽選に当選した人としなかった人の間との因果関係を明確にできますねぇ~~…。

 

結論を申し上げますと、

 

  • ニンテンドースイッチ所有者は、所有していない人と比較して精神的ストレスが減少し、生活満足度が向上していた。
  • ニンテンドースイッチ所有者は、精神的ストレスが0.2標準偏差(SD)減少し、プレステ5では0.1SDの減少が確認された。
  • プレステ5所有者は、生活満足度が0.2SD向上した。

 

といった感じで、大きな効果があるわけではないものの、ゲームはメンタルヘルスにポジティブな効果がある可能性があるようです。研究チームによると、「我々も親として、ゲームが子どもに与える影響を心配していたが、科学的なエビデンスに基づくと、その懸念が必ずしも正当化されるわけではないことが判明した。」とのこと。その機序は不明ですが、ゲームをすることによって、メンタルにプラスになることを主張しております。

考察としましては、

 

  1. 社会的つながりの強化:オンラインゲームを通じて、他のプレイヤーとコミュニケーションをとることで、孤独感が軽減される可能性がある。特にコロナ禍のように外出が制限される時期には、TVゲームが貴重な社交場になりやすい。
  2. 心理的ニーズの充足:ゲームは「チャレンジ精神」や「達成感」が得られるため、自己効力感や動機づけを高める効果がある。この効果は、特に若年層にとって重大な意味を持つ可能性がある。
  3. ストレス解消:ゲームは、現実のストレスから一時的に離れられる手段として機能するため、適度なプレイであれば意味があるのかもしれない。

 

といったところでしょう。

 

 

 

 

注意点としては、単に「TVゲームはやればやるほど、メンタルが改善していく!」という話ではないことです。

この研究でによると、1日のプレイ時間が3時間を超過すると、反対にメンタル改善効果が減少すると報告しております。「過ぎたるは及ばざるが如し」はTVゲームでも該当するようで、どんなに心身に良いものでも、過剰摂取はいけません!…っていうことですね。また、この研究は、コロナ禍という特殊な状況下のデータを活用したものなので、日常生活では異なる結果が出る可能性があります(コロナ禍で外出できず、フラストレーションがたまっていると思いますし…)。それだけは、念押ししておきます。

ひとまず、「ゲームは害悪ではない!」…ということだけは、お伝えしておきたいです☆

 

 

【参考文献】
[Causal effect of video gaming on mental well-being in Japan 2020–2022]

 

 

 

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