運動不足によって健康を害してしまうのは、当然の理。
肥満になることや病気になるといったような、そんな当たり前のことは皆さんも百も承知でしょう。では、「運動不足によって、日常生活にどのような悪影響が出てしまうのか?」という問題を調べてくれた研究がありますので、ご紹介していきます。
日々の健康管理の知識として、どうぞご一読ください♪
運動不足と疼痛や身体機能の制限の関係性
これは2026年に出た横断研究で、NHANESというアメリカの大規模な健康調査データ(1999~2018年)を用いたものとなっております。
この研究では、代謝や生活習慣、慢性腰痛、頸部痛などと運動の関係を調査したものとなっており、疼痛の分析で10,286名、機能制限(腰や首のトラブルで日常生活に支障をきたしている状態)の分析で28,513名が対象となっております。つまり、この研究の目的は、「運動によって痛みや日常生活の困難さがどのように変化するのか?」を解き明かそうとしてくれております。
サンプル数も多く、なかなか信用のできる内容かと思いますね!
この研究のチェック項目ですが、
- 腹部肥満
- 血糖値
- 血圧
- 脂質
- 喫煙
- 飲酒
- 食事の質
- 身体活動量
を見ており、これらを「良い」「中」「悪い」といった感じに分類して、腰痛や頸部痛との関係を評価していったそうです。簡潔にまとめると、健康的な生活をしている人と、そうではない生活をしている人で、腰や首の痛みに違いが現れるかを分析していったということですね。
肝心の結果なのですが、
- 不健康な生活をしている人ほど、腰痛や頸部痛、機能制限のリスクが高い傾向があった。
- 特に悪影響が大きかったのが運動不足で、腰痛では20.8%、頸部痛では20.5%だった。
とのことで、数ある要因のうち、運動不足が腰痛や頸部痛の原因である確率が高いということです。
当然ですが、これは横断研究ですので、「あなたの腰痛や首の痛みの原因は、運動不足です!」と断定することはできません。腰痛が原因で運動できなくなった可能性もありますし、もともと不健康な生活をしている人が、食事や喫煙など全部まとめて悪くなってしまっている可能性もあります。そういった注意は必要なものの、ひとまずは「運動不足によって腰痛や頸部痛のリスクが増加する“かもしれない”」と頭に留めておいて良いでしょう。
ここから身体機能についてお話をしていきますが、当然ですが身体には「耐えられる負荷の上限」があります。普段から運動をしている人は耐久力があるので、負荷の上限が高くなります。なので、買い物袋を持ったり階段をあがったり子どもを抱っこしたりなどの日常動作へも十分に耐えることができます。他方、ほとんど動かない生活をしていると、身体の耐久力が低下してしまいます。日常生活のひとつひとつの動作が「自分の身体機能では過負荷(汗)」になってしまいます。たとえるなら、運動不足の人にとって、日常生活そのものが高負荷のトレーニングみたいなものなのです。
そんなこともあり、運動不足は、ちょっと重いものを持っただけで腰や首がやられてしまう、日常生活にも耐えられない身体になってしまうのです…。
では、そんな状態から脱却するには、どうしたら良いのか?
今回の研究によると、「運動量や負荷は、徐々に増やしていく」という、至極当たり前の方法を教えてくれております。運動におけるリスクは、大きく分類すれば、次の2つに分かれます。
- 負荷が弱すぎる:身体が日常の負荷に適応できず、日常生活での痛みやケガにつながる。
- 負荷が強すぎる:身体が適応する前に組織へ過剰な負荷がかかり、痛みやケガにつながる。
「ほとんど動かない」か「過剰に動いてしまう」の2つを回避できれば、基本的に運動でリスクを負うことはありません。僕だって、第一空挺団の訓練をすれば、きっとケガをしてしまいますからね。「まずは20~30分のウォーキングから始めよう!」や「膝をつけながらでも腕立て伏せをしていこう!」でも問題なく、身体の耐久力が上がってきた実感が湧けば、そこから負荷を上げていけばいいのです。
アスリートみたいに追い込むことはせず、ステップバイステップで身体を強くしていきましょう☆