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実際のところ、自分の肉体は、どこまで鍛え抜けるものなのか!?

スポーツや格闘技などをしていると、自分の肉体の限界というものを考えてしまうことがあるでしょう。

こういった類のものは、概ね遺伝によるものがありまして、どうしても限界を突破することが難しいものです。とはいえ、遺伝だからと諦めず、手元にあるカードで戦い抜くしかないのが現実です。…というか、僕自身が諦めの悪い人間だというのがありますが(笑)。

ということで、各々が鍛錬を重ねるにあたり、「自分の筋肉は、どこまで鍛え抜けるものなのか!?」っていう疑問があると思います。今回は、その肉体の限界について追究して参りますので、よろしくお願い致します。

 

 

FFMI( = 除脂肪体重指数)という考え方

 

自分が筋肉を鍛えるにあたり、FFMIという指数を参考にすると良いです。

このFFMIとは、簡単に言うと、「身長に対して、どれぐらいの除脂肪体重があるのか?」というもの。一般的な男女の体組成を調べた研究では、15~98歳までの健康な白人男性2986名と白人女性2649名を対象に調査したところ、FFMI値は、正常BMI範囲内で

 

  • 男性は16.7~19.8 kg/m²
  • 女性は14.6~16.8 kg/m²

 

とのこと。
基本的に、特に身体を鍛えていない一般的な人たちは、上記のような数値となります。

この数値の算出方法ですが、

 

  • FFMI=除脂肪体重(kg)÷身長(m)²

 

で算出されます。

たとえば、身長が180cmで体重が95kg、体脂肪率が15%のアスリートがいると仮定します。その場合、除脂肪体重が80.75kgとなり、FFMIが約24.9となります。そして、トレーニングをしている人ですが、通説として、「ナチュラルな男性のFFMIは25が限界である!」があります。この通説が生まれた根拠は、1995年に発表された研究にあります。この研究では、

 

  1. アナボリックステロイド使用者83名
  2. 未使用者74名

 

を比較していった結果、ステロイド未使用の男性のFFMIの限界値が約25だったそうです。他方、ステロイド使用者の多くは、FFMIが25.0をはるかに超え、中には30を超える者もいたとのこと。その影響もあり、「ナチュラルとステロイド使用者を明確に分ける境界線は、FFMI25ではないか?」と考えられたのです。

僕が例に挙げた架空のアスリートですが、およそこのあたりが限界なのだということです。

 

 

 

人間が一生涯で鍛えられる筋肉量

 

その「ナチュラルの限界値FFMI25説」が、どこまで正しいのかについて、深掘りしていきます。

一番参考になるのが、2026年に出たメタ分析です。このメタ分析は、480件の筋トレ関連の研究と3,237件の観察データをまとめて分析したものとなっております。この分析をみていきますと、筋肥大の増加率は、以下のようになったそうです。

 

  • 6週間で約5.6%
  • 12週間で約7.5%
  • 24週間で約9.4%
  • 36週間で約10.5%
  • 78週間で約12.6%

 

基本的に、これぐらいが一般的とされ、筋トレによる筋肥大は、初期の増加が大きく、時間の経過とともに増加量が徐々に小さくなるという曲線的な反応を示します。そして、一般成人とステロイド未使用の身体を鍛えている人のFFMIを比較しますと、僕らが一生涯で増やせる除脂肪体重が、以下のとおりとなります。

 

  • 男性:約12.5〜20.2kg
  • 女性:約7.3〜11.4kg

 

あくまでも計算上の話となりますので、このとおりにならないこともありますね。

当然ですが、“除脂肪体重”なので、水分や骨格の増加量も含まれます。すべてが筋肉ではあれませんので、その点につきましては、ご注意ください。2020年に出たメタ分析を見ていきますと、合計1,927名の健康的な男性を対象とした、111件の筋トレ研究をまとめたところ、筋トレによる全身の筋肉の増加は平均約1.53kgほどだったそうです。こちらも除脂肪体重や筋肉量、骨格筋量などをまとめた数値ですが、通常の研究期間で観察される増加量は、生涯の推定値より大きく下回ります。

大ざっぱに考えますと、始めは大きく増加し後半緩やかになることを前提とし、「男性なら毎年平均およそ2kg増加し、女性なら、その60~80%ほど」と捉えて捉えておきましょう。

 

 

 

ナチュラルの限界値について

 

以上のことから、現段階での結論としましては、

 

  • 太っていないナチュラル男性:FFMI 25前後
  • 太っていないナチュラル女性:FFMI 20前後

 

が、鍛えられる現実的な筋肉の限界値の目安とするのが良いのかもしれません。もちろんですが、例外なんていくらでもありまして、2018年に出た、NCAAのアメフト選手235名を調査した研究を見ていきましょう。この調査ですと、平均FFMIが約23.7で、上位2.5%の境界値は約28.1なのだそうです。FFMIが25を超える人は十分に存在しますが、このあたりについては、それこそ、遺伝やトレーニング歴によって大きく変化する可能性があります。

データを元に考えるのなら、FFMIが男性なら25で女性なら20よりも遠いなら、まだまだ伸び代があると言えますね。

 

 

 

ということで、「自分は、なかなか筋肉が付きにくいし、遺伝的に限界なのかな…」と悲観するのは、まだまだ早計する場面があるというわけです。

純粋なトレーニング量や負荷の設定はもちろんのこと、摂取カロリーやタンパク質といった食事にも気を配った方が良いでしょう。「自身の肉体を極限まで鍛え上げるなら、どうすれば良いのか…?」と考えるのなら、いろいろと改善点が見えてきます。それこそ、今話題の睡眠だって大切ですし、そのために禁酒するのもひとつの手です。

やれることがあるのなら、やりきってみることが大切です☆

 

 

【参考文献】
[Body composition interpretation. Contributions of the fat-free mass index and the body fat mass index]
[Fat-free mass index in users and nonusers of anabolic-androgenic steroids]
[Modeling the Trajectory of Skeletal Muscle Hypertrophy During Resistance Training: A Systematic Review and Meta-Analysis]
[A Systematic Review with Meta-Analysis of the Effect of Resistance Training on Whole-Body Muscle Growth in Healthy Adult Males]
[Fat-Free Mass Index in NCAA Division I and II Collegiate American Football Players]

 

 

 

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